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公開番号2025008488
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023110704
出願日2023-07-05
発明の名称エレクトロスラグ溶接装置、エレクトロスラグ溶接装置の制御方法、およびプログラム
出願人株式会社神戸製鋼所
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類B23K 25/00 20060101AFI20250109BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】エレクトロスラグ溶接において、装置の設置精度に係る影響を抑え、ユーザの利便性を向上させる。
【解決手段】エレクトロスラグ溶接装置は、エレクトロスラグ溶接を行うための溶接トーチと、母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置と、前記撮影装置にて撮影された画像から、前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定手段と、前記特定手段にて特定された領域の位置と、前記開先内における前記溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整手段と、を有する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
エレクトロスラグ溶接を行うための溶接トーチと、
母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置と、
前記撮影装置にて撮影された画像から、前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定手段と、
前記特定手段にて特定された領域の位置と、前記開先内における前記溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整手段と、
を有するエレクトロスラグ溶接装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記母材に対して摺動可能に設置される摺動板を備え、
前記調整手段は更に、前記特定手段にて特定された領域の位置に基づいて、前記第1の方向における前記摺動板の位置を調整する、請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項3】
前記溶接トーチは、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿ってオシレート動作を行い、
前記特定手段は、前記溶接トーチの先端が前記オシレート動作において所定の位置にある際の画像を用いて、前記溶融スラグ浴の領域を特定する、請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項4】
前記調整手段は、特定された前記溶融スラグ浴の領域のうち、前記第2の方向の前記溶接トーチから離れる側における所定の範囲の重心位置と、前記溶接トーチの先端位置との前記第1の方向における差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する、請求項3に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項5】
前記調整手段は更に、前記特定手段にて特定された領域の位置と、前記開先内における前記溶接トーチの先端位置に基づいて、前記第2の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する、請求項3に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項6】
前記開先に対してフラックスの散布を制御するフラックス散布制御手段を有し、
前記特定手段は、前記開先に対してフラックスを散布してから所定の時間が経過した後の画像を用いて、前記溶融スラグ浴の領域を特定する、請求項1に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項7】
前記特定手段は、前記撮影装置にて取得された画像において、青成分および緑成分が所定の閾値以上の値を有する画素から構成される領域が存在した場合、前記溶融スラグ浴が不足していることを特定し、
前記フラックス散布制御手段は、前記溶融スラグ浴が不足していることに応じて、前記フラックスの散布を行う、請求項6に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項8】
前記溶融スラグ浴が不足していることを特定した場合に当該不足に関する通知を行う出力手段を有する請求項7に記載のエレクトロスラグ溶接装置。
【請求項9】
母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置にて撮影された画像を取得する取得工程と、
前記画像から前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定工程と、
前記特定工程にて特定された領域の位置と、前記開先内における溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整工程と、
を有するエレクトロスラグ溶接装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置にて撮影された画像を取得する取得工程と、
前記画像から前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定工程と、
前記特定工程にて特定された領域の位置と、前記開先内における溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整工程と、
を実行させるためのプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロスラグ溶接装置、エレクトロスラグ溶接装置の制御方法、およびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
造船や鉄骨建築分野における構造物製造においては、立向溶接が行われている。この立向溶接には、例えば、溶融スラグのジュール熱を熱源とするエレクトロスラグ溶接(ESW:Electro Slag Welding)が用いられ、自動化が進められている。エレクトロスラグ溶接は、溶融スラグ内で熱が発生してワイヤ及び母材を溶融するので、アーク放射熱が発生せず、またヒューム、スパッタの発生も少なく、作業環境の改善に適している。また、溶融スラグで溶接金属を大気から遮蔽するのでシールドガスが不要であり、板厚が大きくなってもシールド効果が劣化することがなく、大気に存在する窒素などの溶融金属内への侵入を板厚に関係なく効果的に防止できる。そのため、溶接金属の機械的性質が良好である。
【0003】
エレクトロスラグ溶接のような立向溶接において、例えば、特許文献1では、スラグ浴を検出するための検出器を設けることなく、スラグ浴の深さを溶接に適した状態に保つ構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6460910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
立向溶接において、装置は、溶接対象の開先、すなわち上昇方向に対して平行に設置したレールに沿って上昇しながら溶接を行う。このとき、装置の移動経路となるレールを正確に平行に設置することが求められるが、人手でこれを行うことは難しく、左右方向にずれが生じ得る。立向溶接では、開先の中央に溶接トーチや銅板を維持する必要があり、ずれが生じた場合には、手動で調整を行っていた。このような課題に対し、例えば、ずれを補正しながら溶接を自動的に行うための構成として、ローラを開先の溝に差し入れることによる機械式の倣い装置が用いることが考えられる。しかし、このような構成では、高コスト、誤差の程度が大きい、開先幅への対応に制約があるといった課題が生じる。
【0006】
本発明では、上記課題を鑑み、エレクトロスラグ溶接において、装置の設置精度に係る影響を抑え、ユーザの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、エレクトロスラグ溶接装置は、
エレクトロスラグ溶接を行うための溶接トーチと、
母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置と、
前記撮影装置にて撮影された画像から、前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定手段と、
前記特定手段にて特定された領域の位置と、前記開先内における前記溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整手段と、
を有する。
【0008】
また、本発明の別の形態として以下の構成を有する。すなわち、エレクトロスラグ溶接装置の制御方法は、
母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置にて撮影された画像を取得する取得工程と、
前記画像から前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定工程と、
前記特定工程にて特定された領域の位置と、前記開先内における溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整工程と、
を有す。
【0009】
また、本発明の別の形態として以下の構成を有する。すなわち、プログラムは、
コンピュータに、
母材にて構成される開先内の溶融スラグ浴を撮影可能に配置された撮影装置にて撮影された画像を取得する取得工程と、
前記画像から前記溶融スラグ浴の領域を特定する特定工程と、
前記特定工程にて特定された領域の位置と、前記開先内における溶接トーチの先端位置との第1の方向の差分に基づいて、前記第1の方向における前記溶接トーチの先端位置を調整する調整工程と、
を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、エレクトロスラグ溶接において、装置の設置精度に係る影響を抑え、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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