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公開番号2025006971
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023108049
出願日2023-06-30
発明の名称住宅構造及び住宅構造の施工方法
出願人個人
代理人個人
主分類E04B 1/26 20060101AFI20250109BHJP(建築物)
要約【課題】木造軸組工法を用いた住宅構造であって、木造住宅に求められる高強度、高気密性及び高断熱性を維持し、SI住宅にも対応可能な住宅構造及び住宅構造の施工方法を提供すること。
【解決手段】本発明の住宅構造1は、外周部3に束ね柱51、合せ梁61及び厚さ方向から見て耐力構造を備える2枚壁71を形成する部分を設けて、外周部3に高強度な耐力構造と強度を備え、住宅の内部に耐力壁や柱5、梁6等の設置箇所を減らし、部屋の仕切り壁の位置を制約しない空間利用が可能な、耐力壁や柱5、梁6等の使用について自由度と選択肢を増やすことができる。加えて、外周部3に配される2枚以上で形成される壁7のそれぞれが断熱機能を備え、高気密となり、1枚の壁7からなる住宅構造の断熱性能と比較して倍ないしはそれ以上の断熱材72の厚みを利用して、高強度で高耐震、高気密で高断熱の、建物に必要な複数性能等を同時に実現する住宅構造1となる。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
壁、柱、梁を備えた木造軸組構造からなる住宅構造であって、
外周部における柱のうち、構造グリッドを構成する位置に配される柱が、複数本の角柱を束ねた束ね柱であり、
前記外周部の前記束ね柱に挟まれる範囲に配される前記梁が、合せ梁を含み、
前記外周部の前記束ね柱に挟まれる範囲に配される前記壁が、厚さ方向から見て2枚以上で形成され、前記2枚以上の壁のそれぞれが耐力構造を備える壁で形成される部分を含み、
前記壁のそれぞれが、断熱機能を備える、
ことを特徴とする住宅構造。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記外周部に配される前記耐力構造を備える壁が、内部外周壁及び外部外周壁の2枚で形成される部分を含み、
前記内部外周壁及び前記外部外周壁のそれぞれが耐力構造及び断熱機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の住宅構造。
【請求項3】
前記外周部の隅に配される前記柱が、2本×2本の計4本からなる束ね柱であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の住宅構造。
【請求項4】
建築基準法に定める地震力に抗する壁量充足率、及び風圧力に抗する壁量充足率(前記壁量充足率については下記式(X)を参照。)がそれぞれ1.0を超えるように、前記束ね柱、前記合せ梁及び前記2枚以上の壁のそれぞれが耐力構造を備える壁で形成される部分を配することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の住宅構造。
壁量充足率=(存在壁量/必要壁量)>1.0 …… (X)
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の住宅構造を施工する方法であって、
建築基準法に定める地震力に抗する壁量充足率、及び風圧力に抗する壁量充足率(前記壁量充足率については下記式(X)を参照。)がそれぞれ1.0を超えるように、前記束ね柱、前記合せ梁及び前記2枚以上の壁のそれぞれが耐力構造を備える壁で形成される部分を配するように施工することを特徴とする住宅構造の施工方法。
壁量充足率=(存在壁量/必要壁量)>1.0 …… (X)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅構造及び住宅構造の施工方法に関する。さらに詳しくは、軸組工法により形成されており、スケルトン・インフィル(Skeleton-Infill:SI)にも対応可能な住宅構造及び住宅構造の施工方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来の木造住宅の工法としては、軸組工法及び枠組壁工法が知られている。在来の軸組工法は、例えば、ポスト&ビーム工法等と呼ばれ、土台,柱,梁,筋交い等で建物の骨組をつくり、屋根や床等上部構造の荷重を主として柱により垂直方向に導き、土台ないし基礎に伝達させる工法である。
【0003】
かかる軸組工法は、出入口や窓等開口部の配置や上部構造の荷重に合わせて材料を選択し、また、設計を比較的自由に行うことができるというメリットがあることが知られている(例えば、特許文献1等を参照。)。
【0004】
軸組工法において、木材の組み付けによって形成された四角形状の壁面空間は、建築物の重みによる鉛直荷重及び地震や強風による水平荷重に対抗できるように、筋交いを配設してブレース構造にされている。この工法では、柱状の木材として、略正方形状の大断面からなる長尺材が用いられることも多い。
【0005】
一方、枠組壁工法は、例えば、ツーバイフォー工法やプラットフォームフレーム工法等と呼ばれ、柱状の木材を鉛直方向及び水平方向に結合して建築物の枠組となる床枠組を形成し、かかる枠組に対して、構造物用合板等を打ち付けて耐力壁からなる壁枠組を形成するものである(例えば、特許文献2等を参照。)。
【0006】
かかる床枠組及び壁枠組は、高価な材料や部材を使用することなく、規格品として大量に工場生産ができ、また現地施工性に優れているというメリットがあることが知られている。かかる工法で使用される木材は、構造用合板等を打ち付ける際の枠体となるものであればよく、例えば、長方形状の小断面の短尺材が用いられる。
【0007】
これらの工法を比較すると、空間という観点では、軸組工法は「軸(線)」、枠組壁工法では「版(面)」で構成され、また、床面、壁面等の剛性付与構造は、軸組工法では「筋交い、火打ち梁、火打ち土台」、枠組壁工法では「構造用合板」であると考えられる。使用される木材は、軸組工法では、正方形を主とした大断面・長尺材(通し柱)を含み、枠組壁工法では、小断面・短尺材を主とするものを含む。そして、施工時の工程は、軸組工法では「一階・二階軸、床、小屋組」、枠組壁工法では「一階床、一階壁、二階床、二階壁、小屋(ステップ作業等。)」となると考えられる。
【0008】
在来の軸組工法に着目すると、軸組工法は、前記したように、主として柱や梁といった文字通り軸組で支える工法であり、枠組壁工法と比較し耐力を持たせる壁が少ないため、設計の自由度が比較的高い工法である。耐震性を確保するために、軸組工法では、前記したように、筋交い、火打ち梁、火打ち土台等の斜め部材を用いる場合が多く、設計の自由度が高い。
【0009】
ここで、軸組工法では鉛直荷重と共に地震力や風圧力に抗するために、建築基準法に定める基準に基づき必要な耐力壁を設置するが、耐力壁はできるだけ外周壁に設置するとともに、足りない部分を内部壁に設置するのが一般的である。しかしながら、外周壁に採光や換気上必要な窓や出入り口等の開口部を設けると、建築基準法に定める必要な耐力壁量が不足してしまう場合があり、その不足分を補う内部壁を別途設置する必要が生じる。
【0010】
一方、利用ニーズや法令基準の採光面積等を確保するためには、自由度のある開口部の大きさや配置が望まれるが、外周壁においては、必要な耐力壁量を確保すると、開口部の大きさや配置に制約が多く生じ、内部壁においても、部屋の広さや形状、間仕切り、柱の配置等に多くの制約が生じることになる。
(【0011】以降は省略されています)

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