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公開番号
2025004543
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-15
出願番号
2023104281
出願日
2023-06-26
発明の名称
ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定する方法、該酵素のスクリーニング方法及びヒドロキシ脂肪酸の検出方法、並びにこれらの方法に用いられる微生物
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/00 20060101AFI20250107BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】バイオセンサーを利用した、ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定するための技術の提供。
【解決手段】ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定する方法であって、(1)前記酵素をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物を培養する手順と、(2)微生物における前記レポータータンパク質の発現量を指標として前記活性を決定する手順と、を含む方法を提供する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定する方法であって、
(1)前記酵素をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物を培養する手順と、
(2)微生物における前記レポータータンパク質の発現量を指標として前記活性を決定する手順と、
を含む方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記手順(1)における微生物の培養が、シングルセルの微生物を含むマイクロリアクター内で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記手順(1)において培養液中に蓄積するヒドロキシ脂肪酸の濃度が1mMよりも高い、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、配列番号22,28,40,46,49,52、58,61,64,67のいずれかのヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記微生物が、ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質により正に制御されるプロモーター配列と、を有し、
前記レポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列が、前記プロモーター配列と機能的に連結されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素のスクリーニング方法であって、
(1)前記酵素をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物を培養する手順と、
(2)微生物における前記レポータータンパク質の発現量を測定する手順と、
(3)前記発現量が所定値以上又は以下である微生物を単離する手順と、
(4)単離された微生物が有する前記酵素をコードするヌクレオチド配列を同定する手順と、
を含む方法。
【請求項7】
前記酵素が、内在タンパク質又は外来タンパク質である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ヒドロキシ脂肪酸を検出する方法であって、
(1)ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物と、ヒドロキシ脂肪酸と水性媒体中で接触させる手順と、
(2)前記微生物内における前記レポータータンパク質の発現に基づきヒドロキシ脂肪酸を検出する手順と、
を含む方法。
【請求項9】
ヒドロキシ脂肪酸の検出可能濃度が1mMよりも高い、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(i)ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(ii)前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質により正に制御されるプロモーター配列と、
(iii)前記プロモーター配列と機能的に連結された、レポータータンパク質をコードする
ヌクレオチド配列と、
(iv)ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
を有する、微生物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定する方法、該酵素のスクリーニング方法及びヒドロキシ脂肪酸の検出方法、並びにこれらの方法に用いられる微生物に関する。より詳しくは、バイオセンサーを用いたヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性測定方法等に関する。
続きを表示(約 4,800 文字)
【背景技術】
【0002】
遺伝子誘導型のバイオセンサーは、検出対象物質により誘導される転写制御機構の下流に、蛍光タンパク質などのレポーターを配置したものである。遺伝子誘導型のバイオセンサーは、代謝物の濃度を指標とした細胞内の酵素の活性評価に用いることができ、活性が改善された変異酵素のスクリーニングに応用することができる。
【0003】
例えば特許文献1には、以下の工程を含む酵素活性のスクリーニング方法が開示されている(請求項13参照)。
(1)酵素Eの全部又は一部をコードする遺伝子配列及びアクチュエーターAをコードする遺伝子配列を担持する遺伝子構築物に変異、挿入、及び/又は欠失を導入して得られた酵素EとアクチュエーターAの融合変異体の核酸ライブラリ、並びに、アクチュエーターAによって制御されるプロモータPをコードする遺伝子配列及び該プロモータPと機能的に連結されたレポーターRをコードする遺伝子配列を担持したレポーター用発現ベクターを、細胞に導入する又は無細胞タンパク質合成系に添加する工程。
(2)代謝物Mを(1)の細胞又は無細胞タンパク質合成系に添加する工程。
(3)前記アクチュエータAの制御下にあるレポーターRの発現量を指標として、酵素E変異体を選抜する工程。
【0004】
代謝物バイオセンサーでは、まず検出対象とする代謝物に対して特異的なセンサモチーフが必要であり、さらには応答濃度、S/N比、出力強度等の観点で実用に耐え得る性能が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-136867号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、バイオセンサーを利用した、ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定するための技術を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題解決のため、本開示は、以下の[1]-[41]を提供する。
[1] ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素の活性を測定する方法であって、
(1)前記酵素をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物を培養する手順と、
(2)微生物における前記レポータータンパク質の発現量を指標として前記活性を決定する手順と、
を含む方法。
[2] 前記手順(1)における微生物の培養が、シングルセルの微生物を含むマイクロリアクター内で行われる、[1]の方法。
[3] 前記マイクロリアクターが、前記シングルセルの微生物が疎水性の溶媒又はゲルで抱合されて形成されるものである、[2]の方法。
[4] 前記疎水性溶媒が、フルオロカーボンオイルである、[3]の方法。
[5] 前記手順(1)において培養液中に蓄積するヒドロキシ脂肪酸の濃度が1mMよりも高い、[1]-[4]のいずれかの方法。
[6] 前記ヒドロキシ脂肪酸が、3-ヒドロキシイソ酪酸及び/又は3-ヒドロキシプロピオン酸である、[1]-[5]のいずれかの方法。
[7] 前記ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、配列番号22,28,40,46,49,52、58,61,64,67のいずれかのヌクレオチド配列を含む、[1]-[6]のいずれかの方法。
[8] 前記微生物が、ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質により正に制御されるプロモーター配列と、を有し、
前記レポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列が、前記プロモーター配列と機能的に連結されている、[1]-[7]のいずれかの方法。
[9] 前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質がmmsRであり、前記プロモーター配列がmmsAプロモーター配列である、[8]の方法。
[10] 前記微生物が、大腸菌又はシュードモナス属細菌である、[1]-[9]の方法。
[11] 前記微生物がシュードモナス属細菌であり、配列番号12,13,14,15のいずれかのヌクレオチド配列からなるコンストラクトにより前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質及び前記レポータータンパク質を発現する、[10]の方法。
【0008】
[12] ヒドロキシ脂肪酸の生成に関与する酵素のスクリーニング方法であって、
(1)前記酵素をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物を培養する手順と、
(2)微生物における前記レポータータンパク質の発現量を測定する手順と、
(3)前記発現量が所定値以上又は以下である微生物を単離する手順と、
(4)単離された微生物が有する前記酵素をコードするヌクレオチド配列を同定する手順と、
を含む方法。
[13] 前記発現量が所定値以上である場合、ヒドロキシ脂肪酸の生成に促進的に関与する酵素が同定され、前記発現量が所定値以下である場合、ヒドロキシ脂肪酸の生成に抑制的に関与する酵素が同定される、[12]の方法。
[14] 前記酵素が、内在タンパク質又は外来タンパク質である、[12]又は[13]の方法。
[15] 前記手順(1)における微生物の培養が、シングルセルの微生物を含むマイクロリアクター内で行われる、[12]-[14]のいずれかの方法。
[16] 前記マイクロリアクターが、前記シングルセルの微生物が疎水性の溶媒又はゲルで抱合されて形成されるものである、[15]の方法。
[17] 前記疎水性溶媒が、フルオロカーボンオイルである、[16]の方法。
[18] 前記手順(2)における前記レポータータンパク質の前記発現量の測定がフローサイトメーターにより行われ、前記微生物が前記マイクロリアクターから取り出されて前記フローサイトメーターに供される、[15]-[17]のいずれかの方法。
[19] 前記手順(1)において培養液中に蓄積するヒドロキシ脂肪酸の濃度が1mMよりも高い、[12]-[18]のいずれかの方法。
[20] 前記ヒドロキシ脂肪酸が、3-ヒドロキシイソ酪酸及び/又は3-ヒドロキシプロピオン酸である、[12]-[19]のいずれかの方法。
[21] 前記ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、配列番号22,28,40,46,49,52、58,61,64,67のいずれかのヌクレオチド配列を含む、[12]-[20]のいずれかの方法。
[22] 前記微生物が、ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質により正に制御されるプロモーター配列と、を有し、
前記レポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列が、前記プロモーター配列と機能的に連結されている、[12]-[21]のいずれかの方法。
[23] 前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質がmmsRであり、前記プロモーター配列がmmsAプロモーター配列である、[22]の方法。
[24] 前記微生物が、大腸菌又はシュードモナス属細菌である、[12]-[23]の方法。
[25] 前記微生物がシュードモナス属細菌であり、配列番号12,13,14,15のいずれかのヌクレオチド配列からなるコンストラクトにより前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質及び前記レポータータンパク質を発現する、[24]の方法。
【0009】
[26] ヒドロキシ脂肪酸を検出する方法であって、
(1)ヒドロキシ脂肪酸によって発現誘導されるレポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列と、ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、を発現可能に有する微生物と、ヒドロキシ脂肪酸と水性媒体中で接触させる手順と、
(2)前記微生物内における前記レポータータンパク質の発現に基づきヒドロキシ脂肪酸を検出する手順と、
を含む方法。
[27] 前記手順(1)において水性媒体中に蓄積するヒドロキシ脂肪酸の濃度が1mMよりも高い、[26]の方法。
[28] 前記ヒドロキシ脂肪酸が、3-ヒドロキシイソ酪酸及び/又は3-ヒドロキシプロピオン酸である、[26]又は[27]の方法。
[29] 前記ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、配列番号22,28,40,46,49,52、58,61,64,67のいずれかのヌクレオチド配列を含む、[26]-[28]のいずれかの方法。
[30] 前記微生物が、ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質により正に制御されるプロモーター配列と、を有し、
前記レポータータンパク質をコードするヌクレオチド配列が、前記プロモーター配列と機能的に連結されている、[26]-[29]のいずれかの方法。
[31] 前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質がmmsRであり、前記プロモーター配列がmmsAプロモーター配列である、[30]の方法。
[32] 前記微生物が、大腸菌又はシュードモナス属細菌である、[26]-[31]の方法。
[33] 前記微生物がシュードモナス属細菌であり、配列番号12,13,14,15のいずれかのヌクレオチド配列からなるコンストラクトにより前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質及び前記レポータータンパク質を発現する、[32]の方法。
【0010】
[34](i)ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
(ii)前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質により正に制御されるプロモーター配列と、
(iii)前記プロモーター配列と機能的に連結された、レポータータンパク質をコードする
ヌクレオチド配列と、
(iv)ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列と、
を有する、微生物。
[35] 前記ヒドロキシ脂肪酸放出ポンプタンパク質をコードするヌクレオチド配列が、配列番号22,28,40,46,49,52、58,61,64,67のいずれかのヌクレオチド配列を含む、[34]の微生物。
[36] 前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質がmmsRであり、前記プロモーター配列がmmsAプロモーター配列である、[34]又は[35]の微生物。
[37] 大腸菌又はシュードモナス属細菌である、[34]-[36]のいずれかの微生物。
[38] 前記微生物がシュードモナス属細菌であり、配列番号12,13,14,15のヌクレオチド配列からなるコンストラクトにより前記ヒドロキシ脂肪酸応答タンパク質及び前記レポータータンパク質を発現する、[37]の微生物。
(【0011】以降は省略されています)
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