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公開番号
2025003660
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2024188726,2023137822
出願日
2024-10-28,2019-06-14
発明の名称
固液分離システム
出願人
アクアインテック株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01D
21/24 20060101AFI20241226BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】小さな動力で駆動可能な固液分離システムを提供する。
【解決手段】砂混入水を移送する揚砂ポンプ2と、揚砂ポンプ2によって移送された砂混入水が流入する流入口341と砂の濃度が高まった濃縮水を排出する排出口331とを有する内側容器3と、濃縮水を受け入れる外側槽4と、内側容器3に接続した一端から液体成分を受け入れ一端よりも下方に配置された他端から放出する送出管6とを備え、外側槽4は、排出口331よりも上方に延びた側壁41を備えることで、外側槽4が受け入れた濃縮水によって排出口331から排出される濃縮水の排出量を抑制可能なものであり、排出口331は常時開放されたものであり、送出管6は、一端に排出口331の断面積以上の断面積の送出口611が形成され、内部が液体成分で満たされるとサイフォンの原理により液体成分に一端から他端に向かい他端から流れ出ようとする作用を生じさせるものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
固体が混入した固体混入水を移送するポンプと、
前記ポンプによって移送された前記固体混入水が流入する流入口と、該固体混入水から一部の液体成分が取り除かれることで固体の濃度が高まった濃縮水を排出する排出口とを有する内側容器と、
前記濃縮水を受け入れる外側槽と、
前記内側容器に接続した一端から前記液体成分を受け入れ、該一端よりも下方に配置された他端から放出する送出管とを備え、
前記外側槽は、前記内側容器の外周側面よりも外側に配置されて前記排出口よりも上方に延びた側壁を備えることで、該外側槽が受け入れた前記濃縮水によって前記排出口から排出される該濃縮水の排出量を抑制可能なものであり、
前記排出口は常時開放されたものであり、
前記送出管は、前記一端に前記排出口の断面積以上の断面積の送出口が形成され、内部が前記液体成分で満たされるとサイフォンの原理により該液体成分に前記一端から前記他端に向かい該他端から流れ出ようとする作用を生じさせるものであることを特徴とする固液分離システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体が混入した固体混入水から液体を分離する固液分離システムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
下水処理施設には、汚水から砂を除去するための沈砂池や汚水から汚泥を除去するための沈殿池が設けられている。沈砂池では、受け入れた汚水に含まれている砂を池底の集砂ピットに集めた後、固液分離システムによって砂と汚水とに分離している。沈砂池に設けられた固液分離システムでは、集砂ピットに集められた砂を汚水とともに揚砂ポンプによって沈砂池よりも上方に移送し、移送された砂と汚水の混合水から汚水を分離して沈砂池に戻している。また、沈殿池は、受け入れた汚水に含まれている汚泥を池底の汚泥ピットに集めた後、固液分離システムによって砂と汚泥とに分離している。この沈殿池に設けられた固液分離システムにおいても、汚泥ピットに集められた汚泥を汚水とともに汚泥ポンプによって沈殿池よりも上方に移送し、移送された汚泥と汚水の混合水から汚水を分離して沈殿池に戻している。さらに、下水処理施設以外においても、固体が混入した液体を固液分離システムによって固体と液体とを分離することが行われている。例えば、工場排水から水と金属粉等とを分離する固液分離システムや、ダム湖等の貯水池に流入した土砂等を水と分離する固液分離システムなどがある。以下、汚水等に含まれている砂や汚泥やし渣、工業排水に含まれている金属粉、あるいは貯水池に水とともに流入する土砂等を総称して固体と称することがある。また、固体が混入した液体を固体混入水と称することがある。
【0003】
この固液分離システムとして、分離装置本体と、その分離装置本体よりも上方に配置された分離容器とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。分離容器は、揚砂管によって揚砂ポンプと接続されている。揚砂ポンプによって沈砂池から移送された固体混入水は、分離容器に形成された流入口から分離容器内に流入する。分離容器では、固体混入水から一部の液体成分が取り除かれる。一部の液体成分が取り除かれることで固体の濃度が高まった濃縮水は分離容器に形成された排出口から分離装置本体に排出される。分離容器において固体混入水から取り除かれた液体成分は、送出管の一端から送出管内に送り出されて沈砂池に戻される。分離装置本体には、搬出装置が設けられており、濃縮水に含まれている固体は、搬出装置によって水切りされつつ分離装置本体の外部に搬出される。分離容器の流入口と排出口の間には絞り部が形成されている。従来は、この絞り部における絞り量を大きくし、分離容器に流入してくる固体混入水よりも排出口から排出される濃縮水の量を極めて少なくすることで、固体混入水の液体成分を送出管に送り出していた。しかし、絞り量を大きくすると分離容器で生じる圧力損失が大きくなってしまう。特許文献1の固液分離システムは、送出管の他端を沈砂池の池底近傍に配置し、送出管内を汚水で満たしておくことで、サイフォンの原理により分離容器内の固体混入水に沈砂池に流れ出ようとする作用を生じさせている。そして、この作用を利用して絞り部による圧力損失を低減することで、固液分離システムを小さな動力で駆動しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-21483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された固液分離システムは、サイフォンの原理を利用することにより小さな動力で駆動することができる。しかしながら、サイフォンの原理を利用するだけで動力を小さくするのには限界があり、近年ではさらに小さな動力で駆動できる固液分離システムが求められている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、小さな動力で駆動可能な固液分離システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を解決する本発明の固液分離システムは、
固体が混入した固体混入水を移送するポンプと、
前記ポンプによって移送された前記固体混入水が流入する流入口と、該固体混入水から一部の液体成分が取り除かれることで固体の濃度が高まった濃縮水を排出する排出口とを有する内側容器と、
前記濃縮水を受け入れる外側槽と、
前記内側容器に接続した一端から前記液体成分を受け入れ、該一端よりも下方に配置された他端から放出する送出管とを備え、
前記外側槽は、前記内側容器の外周側面よりも外側に配置されて前記排出口よりも上方に延びた側壁を備えることで、該外側槽が受け入れた前記濃縮水によって前記排出口から排出される該濃縮水の排出量を抑制可能なものであり、
前記排出口は常時開放されたものであり、
前記送出管は、前記一端に前記排出口の断面積以上の断面積の送出口が形成され、内部が前記液体成分で満たされるとサイフォンの原理により該液体成分に前記一端から前記他端に向かい該他端から流れ出ようとする作用を生じさせるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、小さな動力で駆動可能な固液分離システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の一実施形態に相当する固液分離システムを示す概略構成図である。
(a)は、内側容器の平面図であり、(b)は、同図(a)におけるA-A断面図である。
(a)は、内側容器と外側槽を示す平面図であり、(b)は、内側容器と外側槽を示す正面図であり、(c)は、同図(b)におけるB-B断面図である。
(a)は、固液分離システムの変形例を示す図3(b)と同様の正面図であり、(b)は、同図(a)におけるC-C断面図である。
(a)は、第2実施形態の固液分離システムにおける図3(b)と同様の正面図であり、(b)は、同図(a)におけるD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本実施形態の説明では、沈砂池から砂が混入した汚水を移送し、移送された砂と汚水から、汚水と砂とを分離する固液分離システムに本発明を適用した例を用いる。なお、沈砂池は、下水処理施設の上流側に配置され、下水または雨水などの汚水から砂を取り除くためのものである。沈砂池において砂が取り除かれた汚水は、下流にある沈殿池などに送られる。
(【0011】以降は省略されています)
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