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公開番号2024170940
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-11
出願番号2023087718
出願日2023-05-29
発明の名称気体分離膜
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 71/70 20060101AFI20241204BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】機械的特性に優れ、かつ、分離層に欠陥があっても二酸化炭素のガス選択比と二酸化炭素の気体透過度とを両立させ得る気体分離膜を提供すること。
【解決手段】多孔質層と、前記多孔質層の一方の面に密着し、高分子材料で構成される分離層と、を有し、二酸化炭素および非対象成分を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する気体分離膜であって、前記気体分離膜の前記非対象成分の気体透過度をR0とし、前記気体分離膜の二酸化炭素の気体透過度をRCO2とするとき、ガス選択比RCO2/R0が8以上100未満であり、前記分離層の二酸化炭素の気体透過度をACO2とし、前記多孔質層の二酸化炭素の気体透過度をBCO2とするとき、気体透過度比BCO2/ACO2が4.0以上128.0以下であることを特徴とする気体分離膜。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
多孔質層と、
前記多孔質層の一方の面に密着し、高分子材料で構成される分離層と、
を有し、二酸化炭素および非対象成分を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する気体分離膜であって、
前記気体分離膜の前記非対象成分の気体透過度をR

とし、前記気体分離膜の二酸化炭素の気体透過度をR
CO2
とするとき、ガス選択比R
CO2
/R

が8以上100未満であり、
前記分離層の二酸化炭素の気体透過度をA
CO2
とし、前記多孔質層の二酸化炭素の気体透過度をB
CO2
とするとき、気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.0以上128.0以下であることを特徴とする気体分離膜。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記高分子材料は、オルガノポリシロキサンを含み、
前記分離層の平均厚さは、10nm以上800nm以下である請求項1に記載の気体分離膜。
【請求項3】
前記分離層を貫通する貫通孔の面積率が、0%超0.05%以下である請求項1または2に記載の気体分離膜。
【請求項4】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が20以上30未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.1以上81.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
【請求項5】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が30以上40未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.3以上59.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
【請求項6】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が40以上50未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.4以上45.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
【請求項7】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が50以上60未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.5以上37.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
【請求項8】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が60以上70未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.7以上30.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
【請求項9】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が70以上80未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.9以上25.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
【請求項10】
前記ガス選択比R
CO2
/R

が80以上90未満であり、
前記気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が5.1以上22.0以下である請求項3に記載の気体分離膜。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、気体分離膜に関するものである。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラルやカーボンマイナスの実現に向けて、火力発電所やボイラー設備等から排出される二酸化炭素や大気中の二酸化炭素を取り込んで回収する技術が検討されている。この技術として、気体分離膜を用いて二酸化炭素を分離する膜分離法が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、特定のガスを選択的に透過させるガス選択透過性膜が開示されている。このガス選択透過性膜は、フィルム状高分子多孔性支持体にシロキサン化合物の薄膜を積層する、薄膜の表面層に非重合性ガスによるプラズマ処理を施す、および、その薄膜上にプラズマ重合膜を堆積する、というプロセスを経て製造されている。また、これらのプロセスにより、薄膜とプラズマ重合膜との接着性が強固なガス選択透過性膜が得られること、および、薄膜の厚さは1μmから30μmであること、が開示されている。さらに、このガス選択透過性膜を用いて、酸素、水素、ヘリウム等のガスを選択的に透過させ、分離されたガスを回収することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭60-75320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のガス選択透過性膜では、プラズマ重合膜(分離層)を貫通する貫通孔のような欠陥が生じるおそれがある。特に、所定の成分の透過度を高めようとする場合、欠陥の比率が高くなるとともに、プラズマ重合膜の機械的特性の低下を招く懸念がある。欠陥の比率が高くなると、欠陥部を介した透過流量が大きくなり、所定の成分の選択透過性(ガス選択比)が低下する。
【0006】
一方、欠陥を減らすべく、プラズマ重合膜の厚膜化を図ることも考えられる。しかしながら、この場合、気体透過度が低下し、ガス分離のエネルギー消費量が増加する。
【0007】
そこで、機械的特性に優れ、かつ、分離層に欠陥があっても二酸化炭素のガス選択比と二酸化炭素の気体透過度とを両立させ得る気体分離膜を実現することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の適用例に係る気体分離膜は、
多孔質層と、
前記多孔質層の一方の面に密着し、高分子材料で構成される分離層と、
を有し、二酸化炭素および非対象成分を含む混合ガスから二酸化炭素を分離する気体分離膜であって、
前記気体分離膜の前記非対象成分の気体透過度をR

とし、前記気体分離膜の二酸化炭素の気体透過度をR
CO2
とするとき、ガス選択比R
CO2
/R

が8以上100未満であり、
前記分離層の二酸化炭素の気体透過度をA
CO2
とし、前記多孔質層の二酸化炭素の気体透過度をB
CO2
とするとき、気体透過度比B
CO2
/A
CO2
が4.0以上128.0以下である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係る気体分離膜を模式的に示す断面図である。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が10未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が20未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が30未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が40未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が50未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が60未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が70未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が80未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が90未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
気体分離膜のガス選択比R
CO2
/R

が100未満であるときの、ガス選択比R
CO2
/R

と気体分離膜の気体透過度比B
CO2
/A
CO2
との関係を、分離層の欠陥率ごとにシミュレートして得られたグラフである。
実施形態の変形例に係る気体分離膜を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の気体分離膜を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.気体分離膜
まず、実施形態に係る気体分離膜の構成について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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