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公開番号2025122358
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-21
出願番号2024017769
出願日2024-02-08
発明の名称フッ化水素の除去方法
出願人株式会社レゾナック
代理人個人,個人
主分類B01D 53/04 20060101AFI20250814BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】フッ化水素除去剤の劣化が生じにくくフッ化水素除去剤の交換の必要性が生じにくいフッ化水素の除去方法を提供する。
【解決手段】フッ化水素の除去方法は、フッ化ナトリウムの焼結体を有するフッ化水素除去剤を充填したフッ化水素除去塔に、フッ化水素を含有するフッ素ガスである粗製フッ素ガスを流通し、粗製フッ素ガス中のフッ化水素をフッ化水素除去剤に収着させる収着工程と、収着工程においてフッ化水素を収着したフッ化水素除去剤からフッ化水素を脱着してフッ化水素除去剤を再生し、収着工程に再利用可能とする脱着工程と、を備える。フッ化ナトリウムの焼結体の体積密度は1.60g/mL超過2.5g/mL以下である。収着工程においては、フッ化水素除去塔に充填されたフッ化水素除去剤の全量のうち1体積%以上100体積%以下のフッ化水素除去剤に、フッ化水素除去剤の最大フッ化水素収着量までフッ化水素を収着させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フッ化ナトリウムの焼結体を有するフッ化水素除去剤を用いて、フッ化水素を含有するフッ素ガスである粗製フッ素ガスから前記フッ化水素を除去する方法であって、
前記フッ化水素除去剤を充填したフッ化水素除去塔に前記粗製フッ素ガスを流通し、前記粗製フッ素ガス中の前記フッ化水素を前記フッ化水素除去剤に収着させる収着工程と、
前記収着工程において前記フッ化水素を収着した前記フッ化水素除去剤から前記フッ化水素を脱着して前記フッ化水素除去剤を再生し、前記収着工程に再利用可能とする脱着工程と、
を備え、
前記フッ化ナトリウムの焼結体の体積密度が1.60g/mL超過2.5g/mL以下であり、
前記収着工程においては、前記フッ化水素除去塔に充填された前記フッ化水素除去剤の全量のうち1体積%以上100体積%以下の前記フッ化水素除去剤に、前記フッ化水素除去剤の最大フッ化水素収着量まで前記フッ化水素を収着させるフッ化水素の除去方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記収着工程と前記脱着工程を1サイクルとして、該サイクルを10回以上繰り返し行う請求項1に記載のフッ化水素の除去方法。
【請求項3】
前記フッ化ナトリウムの焼結体は、フッ化ナトリウムの成形体を700℃以上900℃以下の温度で焼結して得たものである請求項1又は請求項2に記載のフッ化水素の除去方法。
【請求項4】
前記フッ化ナトリウムの成形体は、フッ化水素ナトリウムを成形し400℃以上650℃以下の温度で焼成して得たものである請求項3に記載のフッ化水素の除去方法。
【請求項5】
前記フッ化ナトリウムの成形体の体積密度が1.4g/mL以上1.7g/mL以下である請求項4に記載のフッ化水素の除去方法。
【請求項6】
前記収着工程は、前記フッ化水素除去剤と前記粗製フッ素ガスを50℃以上150℃以下の温度で接触させる工程である請求項1又は請求項2に記載のフッ化水素の除去方法。
【請求項7】
前記脱着工程は、不活性ガスの流通下で前記フッ化水素除去剤を150℃以上300℃以下の温度に加熱する工程である請求項1又は請求項2に記載のフッ化水素の除去方法。
【請求項8】
前記フッ化水素除去剤の最大フッ化水素収着量が5質量%以上27質量%以下である請求項1又は請求項2に記載のフッ化水素の除去方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示はフッ化水素の除去方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
KF・2HF溶融塩電解液を電気分解すると、陽極からフッ素ガス(F
2
)が発生する。KF・2HF溶融塩電解液はフッ化水素(HF)の蒸気圧を有するため、陽極から発生するフッ素ガス中には濃度4~10体積%のフッ化水素が混入する。
フッ化水素を含有するフッ素ガスである粗製フッ素ガスからフッ化水素を除去する方法として、フッ化水素除去剤であるフッ化ナトリウム(NaF)のペレットにフッ化水素を吸着させる方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
フッ化水素除去剤を充填したフッ化水素除去塔に粗製フッ素ガスを供給して、粗製フッ素ガスからフッ化水素を除去する処理を連続的に行うためには、複数のフッ化水素除去塔を使用する必要がある。例えば、2つのフッ化水素除去塔を使用する場合であれば、一方のフッ化水素除去塔で粗製フッ素ガスからフッ化水素を除去するフッ化水素除去処理を行いつつ、他方のフッ化水素除去塔では、フッ化水素を吸着したフッ化水素除去剤からフッ化水素を脱着させるフッ化水素脱着処理を行ってフッ化水素除去剤を再生する。そして、フッ化水素除去処理を行うフッ化水素除去塔を交互に切り替えながら、両フッ化水素除去塔でフッ化水素除去処理とフッ化水素脱着処理を並行して行えば、粗製フッ素ガスからフッ化水素を除去する処理を連続的に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-215588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フッ化水素除去処理とフッ化水素脱着処理(すなわち、再生処理)を交互に繰り返し行うと、フッ化水素除去塔内のフッ化水素除去剤に割れや粉化が生じたり、フッ化水素除去剤同士の融着が生じたりする場合があるという問題があった。
フッ化水素除去塔内のフッ化水素除去剤に割れや粉化が生じたり、フッ化水素除去剤同士の融着が生じたりすると、フッ化水素除去塔内における気体の流路が閉塞したり、偏流が起こったりするおそれがあるので、1回又は数回の再生処理後にフッ化水素除去剤を新品に交換する必要があった。
【0005】
フッ化水素除去剤の交換作業は煩雑であるので、フッ化水素除去剤の交換作業を頻繁に行う必要があると、粗製フッ素ガスからフッ化水素を除去する処理を簡易的に行うことができないおそれがあった。また、フッ化ナトリウムのペレットは安価ではないので、フッ化水素除去剤の交換作業を頻繁に行う必要があると、粗製フッ素ガスからフッ化水素を除去する処理が経済的ではなくなるおそれがあった。なお、本明細書においては、フッ化水素除去剤の割れ、粉化、又は融着を「劣化」と記すこともある。
本開示は、フッ化水素除去剤の劣化が生じにくくフッ化水素除去剤の交換の必要性が生じにくいフッ化水素の除去方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の一態様は以下の[1]~[8]の通りである。
[1] フッ化ナトリウムの焼結体を有するフッ化水素除去剤を用いて、フッ化水素を含有するフッ素ガスである粗製フッ素ガスから前記フッ化水素を除去する方法であって、
前記フッ化水素除去剤を充填したフッ化水素除去塔に前記粗製フッ素ガスを流通し、前記粗製フッ素ガス中の前記フッ化水素を前記フッ化水素除去剤に収着させる収着工程と、
前記収着工程において前記フッ化水素を収着した前記フッ化水素除去剤から前記フッ化水素を脱着して前記フッ化水素除去剤を再生し、前記収着工程に再利用可能とする脱着工程と、
を備え、
前記フッ化ナトリウムの焼結体の体積密度が1.60g/mL超過2.5g/mL以下であり、
前記収着工程においては、前記フッ化水素除去塔に充填された前記フッ化水素除去剤の全量のうち1体積%以上100体積%以下の前記フッ化水素除去剤に、前記フッ化水素除去剤の最大フッ化水素収着量まで前記フッ化水素を収着させるフッ化水素の除去方法。
【0007】
[2] 前記収着工程と前記脱着工程を1サイクルとして、該サイクルを10回以上繰り返し行う[1]に記載のフッ化水素の除去方法。
[3] 前記フッ化ナトリウムの焼結体は、フッ化ナトリウムの成形体を700℃以上900℃以下の温度で焼結して得たものである[1]又は[2]に記載のフッ化水素の除去方法。
【0008】
[4] 前記フッ化ナトリウムの成形体は、フッ化水素ナトリウムを成形し400℃以上650℃以下の温度で焼成して得たものである[3]に記載のフッ化水素の除去方法。
[5] 前記フッ化ナトリウムの成形体の体積密度が1.4g/mL以上1.7g/mL以下である[4]に記載のフッ化水素の除去方法。
[6] 前記収着工程は、前記フッ化水素除去剤と前記粗製フッ素ガスを50℃以上150℃以下の温度で接触させる工程である[1]~[5]のいずれか一項に記載のフッ化水素の除去方法。
【0009】
[7] 前記脱着工程は、不活性ガスの流通下で前記フッ化水素除去剤を150℃以上300℃以下の温度に加熱する工程である[1]~[6]のいずれか一項に記載のフッ化水素の除去方法。
[8] 前記フッ化水素除去剤の最大フッ化水素収着量が5質量%以上27質量%以下である[1]~[7]のいずれか一項に記載のフッ化水素の除去方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、フッ化水素除去剤の劣化が生じにくくフッ化水素除去剤の交換の必要性が生じにくいフッ化水素の除去方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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