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公開番号2025002842
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023103209
出願日2023-06-23
発明の名称電磁波シールドフィルム
出願人信越化学工業株式会社
代理人弁理士法人牛木国際特許事務所
主分類H05K 9/00 20060101AFI20241226BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】カーボンナノチューブによる電磁波遮蔽材料として特性を十分に発揮することができ、取り扱いも容易な、電子機器の内部に実装した電子部品や配線を覆う電磁波シールドフィルムを提供する。
【解決手段】5層構造である第1の電磁波シールドフィルム1aは、比抵抗が0.005Ω・cm以下、厚みが500μm以下、引張強度が最大となる方向を縦方向とし、縦方向と垂直な方向を横方向とした縦方向/横方向の引張強度比が0.5~2.0であるカーボンナノチューブ不織布2の表裏面に樹脂フィルム3を積層させ、総厚みを10~1000μmとした積層フィルムか又は該カーボンナノチューブ不織布に樹脂を含浸させ、総厚みを10~1000μmとした含浸フィルムと、該積層フィルム又は含浸フィルムの一方の面に積層した粘着剤層4と、該粘着剤層の粘着面に積層した離型フィルム5と、を有する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
比抵抗が0.005Ω・cm以下、厚みが500μm以下、引張強度が最大となる方向を縦方向とし、縦方向と垂直な方向を横方向とした縦方向/横方向の引張強度比が0.5~2.0であるカーボンナノチューブ不織布の表裏面に樹脂フィルムを積層させ総厚みを10~1000μmとした積層フィルムと、
該積層フィルムの一方の面に積層した粘着剤層と、
該粘着剤層の粘着面に積層した離型フィルムとを有する電磁波シールドフィルム。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
比抵抗が0.005Ω・cm以下、厚みが500μm以下、引張強度が最大となる方向を縦方向とし、縦方向と垂直な方向を横方向とした縦方向/横方向の引張強度比が0.5~2.0であるカーボンナノチューブ不織布に樹脂を含浸させ総厚みを10~1000μmとした含浸フィルムと、
該含浸フィルムの一方の面に積層した粘着剤層と、
該粘着剤層の粘着面に積層した離型フィルムとを有する電磁波シールドフィルム。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブ不織布におけるカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又はこれらの混合物である請求項1又は2に記載の電磁波シールドフィルム。
【請求項4】
前記樹脂フィルムが熱可塑性樹脂フィルムであり、該フィルムにおける熱可塑性樹脂の軟化点が400℃以下である請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂フィルムは、該フィルムにおける熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選ばれる1種以上を含む請求項4に記載の電磁波シールドフィルム。
【請求項6】
前記樹脂フィルムが熱硬化性樹脂フィルムであり、該フィルムにおける熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、アリル化ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、シクロペンタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる1種以上を含む請求項1に記載の電磁波シールドフィルム。
【請求項7】
前記含浸樹脂が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選ばれる1種以上を含む請求項2に記載の電磁波シールドフィルム。
【請求項8】
前記含浸樹脂が熱硬化性樹脂であり、該熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、アリル化ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、シクロペンタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる1種以上を含む請求項2に記載の電磁波シールドフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の内部に実装した電子部品や配線などを覆い、電磁波を遮蔽する電磁波シールドフィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ミリ波やテラヘルツ帯の電磁波を利用する5Gや6Gなどの高速通信が今後の実用化に向け検討されている。電磁波を通信に利用するワイヤレス機器が増加しており、増え続ける電磁波は、電子機器が周囲からの電磁波に干渉を受けて誤動作をする危険性や、自ら発する電磁波により情報漏洩してしまう危険性がある。また、急速に進展している自動車などの自動運転を推進するためには低周波の電磁波からミリ波レーダーまでの様々な電磁環境において電磁波の送受信が正しく行われなければならない。
【0003】
こうした電磁波による障害を回避するため、電磁波遮蔽対策が重要な技術課題となっている。このような背景から、マイクロ波・ミリ波・テラヘルツ波帯域で優れた電磁波遮蔽性能を持った電磁波遮蔽材料が望まれている。電磁波利用の高度化により、電磁波遮蔽材料の薄膜化、軽量化、大面積化など新しい機能性に対するニーズも高まっている。
【0004】
電磁波遮蔽材料としては金属材料の他、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブなど、導電性高分子、誘電性酸化物などを用いた電磁波遮蔽技術が数多く提案されている。その中でも炭素によって作られるカーボンナノチューブは有望な電磁波遮蔽材料として注目されている。
【0005】
カーボンナノチューブを用いた電磁波遮蔽材料としては樹脂中にカーボンナノチューブを分散させたペースト材料(特許文献1)や、水溶液に分散させた水性塗料(特許文献2)などがあるが、いずれも取り扱いが難しいうえに、遮蔽性能が十分でなく実用に耐えるレベルではない。使用しているカーボンナノチューブも微細な繊維状の為、比表面積が大きく多量に樹脂に分散できないことから電気伝導性も不十分である。
また、荷電紡糸で形成されたカーボンナノチューブシートを用いた電磁波遮蔽材料(特許文献3)があるが、強度が弱く、取り扱い難い問題点がある。
【0006】
カーボンナノチューブのシートにヒドロニウムイオンや塩酸などのプロトン化剤を添加し、さらに強磁性材料である鉄やコバルトなどを加えて伝導性を向上させた電磁波シールド材料(特許文献4)が開示されているが、プロトン化剤が強酸性の化合物であり取り扱いが問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2009-144000号公報
特開2012-174833号公報
特開2008-218859号公報
特許第6182176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電磁波遮蔽材料として炭素によって作られるカーボンナノチューブが注目されているが、カーボンナノチューブは微細な繊維状の為、比表面積が大きく多量に樹脂に分散できないなどカーボンナノチューブによる電磁波遮蔽材料はその特性を十分に生かせていない。
【0009】
本発明の目的は、カーボンナノチューブによる電磁波遮蔽材料として特性を十分に発揮することができ、取り扱いも容易な、電子機器の内部に実装した電子部品や配線を覆う電磁波シールドフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、下記の電磁波シールドフィルムが上記目的を達成することを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の電磁波シールドフィルムである。
[1]
比抵抗が0.005Ω・cm以下、厚みが500μm以下、引張強度が最大となる方向を縦方向とし、縦方向と垂直な方向を横方向とした縦方向/横方向の引張強度比が0.5~2.0であるカーボンナノチューブ不織布の表裏面に樹脂フィルムを積層させ総厚みを10~1000μmとした積層フィルムと、
該積層フィルムの一方の面に積層した粘着剤層と、
該粘着剤層の粘着面に積層した離型フィルムとを有する電磁波シールドフィルム。
[2]
比抵抗が0.005Ω・cm以下、厚みが500μm以下、引張強度が最大となる方向を縦方向とし、縦方向と垂直な方向を横方向とした縦方向/横方向の引張強度比が0.5~2.0であるカーボンナノチューブ不織布に樹脂を含浸させ総厚みを10~1000μmとした含浸フィルムと、
該含浸フィルムの一方の面に積層した粘着剤層と、
該粘着剤層の粘着面に積層した離型フィルムとを有する電磁波シールドフィルム。
[3]
前記カーボンナノチューブ不織布におけるカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、又はこれらの混合物である[1]又は[2]に記載の電磁波シールドフィルム。
[4]
前記樹脂フィルムが熱可塑性樹脂フィルムであり、該フィルムにおける熱可塑性樹脂の軟化点が400℃以下である[1]に記載の電磁波シールドフィルム。
[5]
前記熱可塑性樹脂フィルムは、該フィルムにおける熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選ばれる1種以上を含む[4]に記載の電磁波シールドフィルム。
[6]
前記樹脂フィルムが熱硬化性樹脂フィルムであり、該フィルムにおける熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、アリル化ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、シクロペンタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる1種以上を含む[1]に記載の電磁波シールドフィルム。
[7]
前記含浸樹脂が熱可塑性樹脂であり、該熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリイミドから選ばれる1種以上を含む[2]に記載の電磁波シールドフィルム。
[8]
前記含浸樹脂が熱硬化性樹脂であり、該熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アリル化エポキシ樹脂、アリル化ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、シクロペンタジエン・スチレン共重合樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、及びアクリル樹脂から選ばれる1種以上を含む[2]に記載の電磁波シールドフィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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