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公開番号2024158545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023073830
出願日2023-04-27
発明の名称回路埋込基板の製造方法
出願人NISSHA株式会社
代理人
主分類H05B 3/20 20060101AFI20241031BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】回路と電極パッドとの位置合わせ精度を上げることで良品率を向上できる回路埋込基板の製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム準備工程と、フィルム上に第1方向に沿って2つの電極パッドを配置する工程と、1つの金属細線からなり、任意パターンの機能部と、その両端から引き出された2つの配線部と、配線部から機能部とは反対側に延びて、電極パッドに一部が重なり、2つの位置ずれ吸収領域を構成する2つの端部とを有する回路を、超音波溶着機を用いてフィルムに埋め込んで形成する工程と、電極パッドとその上の金属細線とを接続する工程とを備え、超音波溶着機は、超音波振動でフィルムの金属細線との接触面を溶融させて金属細線をフィルムに埋め込むホーンと、その内部を通り引き出される金属細線を有し、位置ずれ吸収領域は、屈曲形状の端部で構成され、電極パッドと回路との第1方向の位置ずれを吸収する幅を有している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
フィルムを準備する準備工程と、
前記フィルムの第1主面上の周縁部に、第1方向に沿って第1電極パッド及び第2電極パッドを間隔を空けて互いに平行に配置する配置工程と、
前記第1主面上に配置された1つの金属細線からなり、任意のパターンを有する機能部と、前記機能部の両端の一方から引き出された第1配線部と、前記機能部の両端の他方から引き出された第2配線部と、前記第1配線部及び前記第2配線部からそれぞれ前記機能部とは反対側に延びて、前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドにそれぞれ一部が重なり、第1位置ずれ吸収領域を構成する第1端部及び第2位置ずれ吸収領域を構成する第2端部とを有する回路を、前記機能部と、前記第1配線部及び前記第2配線部と、前記第1端部及び前記第2端部のうち前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドに重ならない部分とを超音波溶着機を用いて前記フィルムの前記第1主面に埋め込んで形成する回路形成工程と、
前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドと、前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドの上に位置する前記金属細線とをそれぞれ電気的に接続する接続工程とを備え、
前記超音波溶着機は、超音波振動を与えることにより前記フィルムの前記金属細線との接触面を溶融させるとともに前記金属細線を前記フィルムの前記第1主面に埋め込むホーンと、前記ホーンの内部を通り前記ホーンの先端から前記フィルムの前記第1主面上に連続的に引き出される前記金属細線を有しており、
前記第1位置ずれ吸収領域及び前記第2位置ずれ吸収領域は、屈曲形状の前記第1端部及び前記第2端部で構成され、前記第1電極パッド及び前記第2電極パッドと前記回路との前記第1方向の位置ずれを吸収する幅をそれぞれ有している、回路埋込基板の製造方法。
続きを表示(約 63 文字)【請求項2】
前記屈曲形状が平面視でジグザグ形状またはU字状である、請求項1に記載の回路埋込基板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回路埋込基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
1つの金属細線が任意のパターンでフィルムに埋め込まれた、フィルムヒータなどが知られている(例えば、特許文献1参照)。図10を参照して、このようなフィルムヒータ100は、フィルム200と、フィルム200の周縁部に、Y方向に沿って間隔を空けて互いに平行に配置された四角形状の第1電極パッド500及び第2電極パッド600と、フィルム200に埋め込まれた1つの金属細線300からなる回路400とを備えている。
回路400は、任意のパターンを有するヒータ部450と、ヒータ部450の両端からそれぞれ引き出された第1配線部430及び第2配線部440と、第1配線部430及び第2配線部440からそれぞれヒータ部450とは反対側(図の+X方向)に延びて、第1電極パッド500及び第2電極パッド600にそれぞれ重なる第1端部410及び第2端部420とを有している。回路400は、超音波溶着機を用いて超音波振動を与えることにより、フィルム200の金属細線300との接触面を溶融させて埋め込まれている。例えば、第1端部410から、第1配線部430、ヒータ部450、第2配線部440、第2端部420の順で埋め込んでいくことができる。
【0003】
第1端部410及び第2端部420は、それぞれ第1電極パッド500及び第2電極パッド600をX方向に跨いでいる。第1電極パッド500及び第2電極パッド600の上面と、第1端部410及び第2端部420のうち上面に接する金属細線300とを電気的に接続する。第1電極パッド500及び第2電極パッド600に電圧を印加すると、回路400に電流が生じ、ヒータ部450が発熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-066706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のフィルムヒータ100の製造方法では、フィルム200上にまず電極パッド500,600を配置し、そのフィルム200の角を治具(図示せず)に当ててセットする。その後に、第1端部410及び第2端部420が電極パッド500,600に重なるように金属細線300をフィルム200に埋め込む。電極パッド500,600の配置と金属細線300の埋め込みとが別工程であるため、次のような位置ずれが生じる。すなわち、(1)電極パッドの位置ずれ(2)金属細線の埋め込みの位置ずれ(3)電極パッド及び金属細線埋め込みの位置ずれである。この製造方法において、例えば電極パッド500,600の配置箇所が図10(a)の+Y方向にずれてしまうと、相対的に金属細線300の埋め込み位置は図10(a)の-Y方向にずれてしまう。つまり、従来の製造方法では、電極パッド500,600と回路400との位置合わせが難しいため良品率が上がりにくいという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、回路と電極パッドとの位置合わせ精度を上げることにより、良品率の向上を図ることができる回路埋込基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための第1の発明は、
フィルムを準備する準備工程と、
フィルムの第1主面上の周縁部に、第1方向に沿って第1電極パッド及び第2電極パッドを間隔を空けて互いに平行に配置する配置工程と、
第1主面上に配置された1つの金属細線からなり、任意のパターンを有する機能部と、機能部の両端の一方から引き出された第1配線部と、機能部の両端の他方から引き出された第2配線部と、第1配線部及び第2配線部からそれぞれ機能部とは反対側に延びて、第1電極パッド及び第2電極パッドにそれぞれ一部が重なり、第1位置ずれ吸収領域を構成する第1端部及び第2位置ずれ吸収領域を構成する第2端部とを有する回路を、機能部と、第1配線部及び第2配線部と、第1端部及び第2端部のうち第1電極パッド及び第2電極パッドに重ならない部分とを超音波溶着機を用いてフィルムの第1主面に埋め込んで形成する回路形成工程と、
第1電極パッド及び第2電極パッドと、第1電極パッド及び第2電極パッドの上に位置する金属細線とをそれぞれ電気的に接続する接続工程とを備え、
超音波溶着機は、超音波振動を与えることによりフィルムの金属細線との接触面を溶融させるとともに金属細線をフィルムの第1主面に埋め込むホーンと、ホーンの内部を通りホーンの先端からフィルムの第1主面上に連続的に引き出される金属細線を有しており、
第1位置ずれ吸収領域及び第2位置ずれ吸収領域は、屈曲形状の第1端部及び第2端部で構成され、第1電極パッド及び第2電極パッドと回路との第1方向の位置ずれを吸収する幅をそれぞれ有している、回路埋込基板の製造方法である。
【0008】
このような製造方法によれば、第1電極パッド及び第2電極パッドと、第1端部及び第2端部の埋め込み位置とが相対的に第1方向にずれた場合であっても、第1端部及び第2端部が屈曲形状であり、第1電極パッド及び第2電極パッドと回路との第1方向の位置ずれを吸収する幅をそれぞれ有しているため、第1端部及び第2端部はそれぞれ第1電極パッド及び第2電極パッドと重なる部分を有する。したがって、電極パッドと回路との位置合わせ精度が上がるため、良品率の向上を図ることができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、屈曲形状が平面視でジグザグ形状またはU字状である、回路埋込基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の回路埋込基板の製造方法によれば、回路と電極パッドとの位置合わせ精度を上げて、良品率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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