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公開番号2025006261
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023106942
出願日2023-06-29
発明の名称回路基板
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H05K 1/03 20060101AFI20250109BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】絶縁基材と、金属層と、低誘電特性を有する接着層から構成される回路基板において、絶縁基材が難接着であるポリフェニレンスルフィド系樹脂等のエンプラ樹脂からなる基材では、接着層との接着強度が不足し、リフロー時に膨れ・剥がれが生じる課題がある。本発明では、リフロー耐性に優れた伝送ロスの少ない高周波対応回路基板を提供する。
【解決手段】少なくとも、金属層(I)と、主成分のポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)の樹脂組成物からなる片面又は両面に回路形成された絶縁基材(I)と、回路形成面側に特定成分を有する接着層と、絶縁基材(II)もしくは金属層(II)とがこの順で積層させることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、金属層(I)と、片面又は両面に回路形成された絶縁基材(I)と、回路形成面側に接着層と、絶縁基材(II)もしくは金属層(II)とがこの順に積層した構造を含む回路基板であって、
前記絶縁基材(I)が、主成分のポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の樹脂組成物からなり、
前記接着層が、スチレン系エラストマーを含有する熱硬化樹脂層である回路基板。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)が、平均分散径が5μm以下の分散相である請求項1記載の回路基板。
【請求項3】
前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の配合量の割合が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計量100質量%に対して、1~49質量%の範囲である請求項1または2記載の回路基板。
【請求項4】
前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)がポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、含フッ素系樹脂である請求項1または2記載の回路基板。
【請求項5】
前記絶縁基材(I)の誘電率が3.3以下である請求項1または2記載の回路基板。
【請求項6】
更に、絶縁基材(I)の樹脂組成物に反応性基が付与された変性エラストマー(C)が含有した請求項1または2記載の回路基板。
【請求項7】
前記変性エラストマー(C)がエポキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するオレフィン系重合体からなる、請求項6記載の回路基板。
【請求項8】
前記変性エラストマー(C)の配合量の割合が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)、ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)、及び変性エラストマー(C)の合計100質量%に対して、1~15質量%含有した請求項6記載の回路基板。
【請求項9】
前記変性エラストマー(C)のα-オレフィン含有率が、前記変性エラストマーの総質量に対して、50~95質量%である請求項6記載の回路基板。
【請求項10】
更に、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を含有するシランカップリング剤(D)を0.01~5質量%含有することを特徴とする請求項1または2記載の回路基板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、接着性に優れ、低誘電特性を有するポリアリーレンスルフィド系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる絶縁基材と低誘電性の接着層が積層した積層体からなる回路基板に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、パソコン、モバイル端末などの電子機器では、通信の高速化及び大容量化に伴い、電気信号の高周波化が進んでおり、これに対応するプリント配線板が求められている。特に、電気信号の周波数は、高周波になるほど信号電力の損失(減衰)が大きくなり、信号電力の損失(伝送損失)を低減できるプリント配線板が必要である。伝送損失は、導体となる銅箔側の導体損失と基板側の誘電体損失がある。導体損失の低減には、高周波域では表皮効果があり、信号が導体の表面を流れる特性を有するため、導体となる銅箔は表面粗さを小さくするのが好ましい。一方、誘電体損失の低減には、樹脂基材や接着材の低誘電特性が好ましい。これらの特性を満たす材料から構成されるプリント配線板が伝送ロスの少ない回路基板として求められている。
【0003】
引用文献1には、樹脂基材として、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、フッ素樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリフェニレンスルフィド樹脂を用い、その基材面上に導体回路を有し、接着層に低誘電性接着剤を使用した回路基板が開示され、伝送損失の少ない回路基板が開示されている。しかし、樹脂基材に使用されている樹脂は、エンプラ樹脂であり一般に接着性に乏しいが、接着層との接着性に関する記載がなく、リフロー時の膨れ・剥がれが発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-39457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
絶縁基材と、金属層と、低誘電特性を有する接着層から構成される回路基板において、絶縁基材が難接着であるポリフェニレンスルフィド系樹脂等のエンプラ樹脂からなる基材では、接着層との接着強度が不足し、リフロー時に膨れ・剥がれが生じる課題がある。本発明では、リフロー耐性に優れた伝送ロスの少ない高周波対応回路基板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、誠意検討を行った結果、少なくとも、金属層(I)と、主成分のポリアリーレンスルフィド樹脂(A)とガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)以外の熱可塑性樹脂(B)の樹脂組成物からなる片面又は両面に回路形成された絶縁基材(I)と、回路形成面側に特定成分を有する接着層と、絶縁基材(II)もしくは金属層(II)とがこの順で積層させることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)~(11)に関する。
【0007】
(1)少なくとも、金属層(I)と、片面又は両面に回路形成された絶縁基材(I)と、回路形成面側に接着層と、絶縁基材(II)もしくは金属層(II)とがこの順に積層した構造を含む回路基板であり、前記絶縁基材(I)が、主成分のポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)との樹脂組成物からなり、
前記接着層が、スチレン系エラストマーを含有する熱硬化樹脂層である回路基板。
(2)前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)が、平均分散径が5μm以下の分散相である1記載の回路基板。
(3)前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)の配合量の割合が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の合計量100質量%に対して、1~49質量%の範囲である1または2記載の回路基板。
(4)前記ポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)がポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニルサルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリサルホン樹脂、含フッ素系樹脂である1~3いずれか一つに記載の回路基板。
(5)前記絶縁基材(I)の誘電率が3.3以下である1~4いずれか一つに記載の回路基板。
(6)更に、前記絶縁基材(I)の樹脂組成物に反応性基が付与された変性エラストマー(C)が含有した1~5いずれか一つに記載の回路基板。
(7)前記変性エラストマー(C)がエポキシ基、酸無水物基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有するオレフィン系重合体からなる6記載の回路基板。
(8)前記変性エラストマー(C)の配合量の割合が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)、ポリアリーレンスルフィド以外の熱可塑性樹脂(B)及び変性エラストマー(C)の合計100質量%に対して、1~15質量%含有した6または7記載の回路基板。
(9)前記変性エラストマー(C)のα-オレフィン含有率が、前記変性エラストマーの総質量に対して、50~95質量%である6~8いずれか一つに記載の回路基板。
(10)更に、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基から選択される少なくとも1種の官能基を含有するシランカップリング剤(D)が0.01~5質量%を含有することを特徴とする1~9いずれか一つに記載の回路基板。
(11)1~10のいずれか1つに記載の回路基板からなる高速伝送ケーブル。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、少なくとも、金属層(I)と、片面又は両面に回路形成された絶縁基材(I)と、回路形成面側に接着層と、絶縁基材(II)もしくは金属層(II)とがこの順に積層した回路基板であり、前記絶縁基材(I)に、主成分のポリアリーレンスルフィド系樹脂(A)と、ガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)とからなる樹脂組成物を用いることでスチレン系エラストマーを含有する接着層との接着性が向上し、リフロー耐性に優れ、高周波における伝送損失を低減できる回路基板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
【0010】
[絶縁基材(I)]
絶縁基材(I)を構成する樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィド系樹脂(以下、「PAS樹脂」と称することがある)を主成分として、ガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を原料とする。この際、前記樹脂組成物は、連続相および分散相を有し、前記連続相が、ポリアリーレンスルフィド系樹脂を含み、前記分散相が、ガラス転移温度140℃以上、若しくは融点230℃以上のポリアリーレンスルフィド系樹脂以外の熱可塑性樹脂(B)を含む。尚、本発明での主成分とは樹脂組成物全体を100質量%とした場合に、ポリアリーレンスルフィド系樹脂が51質量%以上占めることを言う。
(【0011】以降は省略されています)

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