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公開番号2025001295
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-08
出願番号2023100802
出願日2023-06-20
発明の名称吸着剤再生方法および吸着剤再生システム
出願人株式会社流機エンジニアリング
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類B01D 53/04 20060101AFI20241225BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】汚染空気の浄化処理に用いた吸着剤の吸着性能を短時間で再生する再生方法および再生システムを提供すること。
【解決手段】前記課題を解決する吸着剤再生方法は、再生装置2の内部のフィルタ10に添着した使用済みの吸着剤N1に蒸気を当てて前記吸着剤N1を加熱し、前記吸着剤N1が吸着していた前記汚染物質を放出させる加熱工程と、 前記フィルタ10が格納された再生装置2の内部を真空状態にして、加熱後の前記吸着剤N1が有する前記汚染物質の残部および水分を除去する真空工程と、を有する。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
汚染空気の浄化に用いた使用済みの吸着剤を再生する方法であって、
再生装置の内部のフィルタに添着した使用済みの前記吸着剤に蒸気を当てて前記吸着剤を加熱し、前記吸着剤が吸着していた前記汚染物質を放出させる加熱工程と、
前記フィルタが格納された再生装置の内部を真空状態にして、加熱後の前記吸着剤が有する前記汚染物質の残部および水分を除去する真空工程と、
を有することを特徴とする吸着剤再生方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
複数台の前記再生装置を備えた吸着剤再生システムに用いられる吸着剤再生方法であって、
前記加熱工程の前に、
前記再生装置の内部の前記フィルタに添着した使用済みの前記吸着剤を蒸気で予熱し、前記吸着剤の品温を上げる予熱工程を有し、
前記予熱に用いる蒸気として、同時期に前記加熱工程を行う他の再生装置から排気される使用済みの蒸気を用いる、請求項1記載の吸着剤再生方法。
【請求項3】
前記予熱工程の前に、
使用済みの前記吸着剤を前記再生装置の内部の前記フィルタに添着させる添着工程を有し、
前記真空工程の後に、
前記汚染物質を放出することによって吸着能力を回復した前記吸着剤を前記フィルタから剥離する剥離工程を有し、
複数台の前記再生装置ごとに、前記添着工程、前記予熱工程、前記加熱工程、前記真空工程および前記剥離工程から選ばれる異なる工程が同時期に行われ、
各再生装置においてそれぞれ同時期に次工程に移行する、請求項2記載の吸着剤再生方法。
【請求項4】
前記予熱工程の前に、
使用済みの前記吸着剤を前記再生装置の内部の前記フィルタに添着させる添着工程を有し、
前記真空工程の後に、
前記汚染物質を放出することによって吸着能力を回復した前記吸着剤を前記フィルタから剥離する剥離工程を有し、
前記剥離工程と前記添着工程は一体の剥離・添着工程とされ、
複数台の前記再生装置ごとに、前記予熱工程、前記加熱工程、前記真空工程および前記剥離・添着工程から選ばれる異なる工程が同時期に行われ、
各再生装置においてそれぞれ同時期に次工程に移行する、請求項2記載の吸着剤再生方法。
【請求項5】
使用済みの吸着剤が添着するフィルタを内部に備え、蒸気を用いて前記吸着剤を加熱して前記吸着剤が吸着していた前記汚染物質を放出させ、前記吸着剤の吸着能力を回復させる再生装置と、
前記フィルタが格納された前記再生装置の内部を真空状態にして、加熱後の前記吸着剤が有する前記汚染物質の残部および水分を除去する真空装置と、
を有する吸着剤再生システム。
【請求項6】
前記再生装置を複数台有し、
一部の前記再生装置で前記吸着剤の加熱に用いられた使用済みの蒸気を、別の前記再生装置に送るための蒸気再利用ラインを有し、
前記蒸気再利用ラインを通じて別の前記再生装置に送られた使用済みの蒸気を、別の前記再生装置の内部の前記吸着剤の予熱に用いる構成とした、請求項5記載の吸着剤再生システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は工場や事業場などで発生する汚染空気の浄化に用いた吸着剤の吸着性能を再生する方法およびシステムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
工場や事業場などの事業活動によって発生する汚染空気には、揮発性有機化合物(VOC。Volatile Organic Compoundsの略称)、窒素酸化物(NO

)、硫黄酸化物(SO

)などの汚染物質が含まれている場合がある。これらの物質はPM2.5の原因となる物質であり、大気中への排出規制が行われている。そして、これらの規制は年を追うごとに強化される傾向があり、汚染空気からこれらの物質を除去するシステムの開発が重要性を増している。
【0003】
汚染空気から前記汚染物質を除去する方法として、吸着剤を担持したフィルタに汚染空気を流し、汚染空気に含まれる汚染物質をその吸着剤に吸着させることによって、汚染空気を浄化するというものがある。この方法では、濾過時間が経過するにつれて吸着剤が汚染物質を吸着する能力が低下してしまうため、ある程度の時間が経過した後に吸着剤の吸着能力を回復させる必要がある。
【0004】
例えば、下記の特許文献1に開示されたVOC除去装置では、吸着塔の内部にゼオライト担持VOC除去用メタルフィルタが設置されている。吸着工程では、VOCを含む空気が当該フィルタへ送られ、VOCが当該フィルタに担持されたゼオライトの作用によって吸着除去される。そして、VOCが除去された清浄空気がVOC除去装置から排出される。次に、脱着工程を行い、ゼオライト担持VOC除去用メタルフィルタを加熱し、吸着剤に吸着したVOCを脱着させる。
【0005】
この特許文献1によれば、次のような効果があるとされている。すなわち、従来のVOC除去方法は、脱着時の風量がかなり少ないため、VOCが脱着する温度まで吸着ロータもしくは吸着剤を温めるのに時間がかかってしまう、または、吸着ロータもしくは吸着剤が温まらず、脱着が十分に行われないという課題があったところ、特許文献1のVOC除去装置によれば、吸着したVOCを効率良く脱着回収または/および分解することができるとされている。
【0006】
また、下記特許文献2に開示された排ガス処理装置は、吸着剤が付着した濾過フィルタに排ガスを流して排ガス中の微小粒子状物質をその吸着剤に吸着させ、所定の段階でその吸着剤を剥離し、新たな吸着剤を付着させる装置である。フィルタから剥離された吸着剤を吸着剤再生装置で加熱して再生し、再生し吸着剤を再び濾過フィルタに付着する構成となっている。このような剥離工程、再生工程、付着工程を行うことで、吸着剤の再利用を図ることができるとされている。
【0007】
また、下記特許文献3に開示されたバグフィルタおよびそれを用いたガス除去システムは、プリーツ型フィルタの一面に予めプレコート剤でプレコート層を形成させ、汚染空気中に含まれる特殊ガスなどの除去を行うものである。このプレコート剤はプレコート再生装置によって再利用できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2007-245039号公報
特開2021-084095号公報
特開2011-041934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のように、吸着剤は汚染物質を吸着するにつれて吸着力が低下するため、吸着剤の吸着能力を回復させる必要がある。その方法として、前記特許文献1~3のように、吸着能力が低下した吸着剤を加熱して、吸着剤から汚染物質を放出させ、吸着剤の吸着能力を回復させるというものがある。
【0010】
しかし、フィルタに吸着剤が添着した状態で、当該フィルタに加熱気体を送って前記吸着剤を加熱し、吸着剤が吸着した汚染物質をほぼ完全に放出させ、吸着剤の吸着能力を回復させるまでには長時間を有するという問題があった。例えば、本発明者らの実験によると、トルエン(汚染物質)を吸着した活性炭(吸着剤)を約180℃以下の熱風で加熱した場合、活性炭が吸着していたトルエンをほぼ完全に放出するまでに3時間程度の時間がかかった。
(【0011】以降は省略されています)

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