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公開番号
2024168853
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-05
出願番号
2023085866
出願日
2023-05-25
発明の名称
多孔質膜
出願人
旭化成メディカル株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
B01D
69/02 20060101AFI20241128BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】抗体の疎水性相互作用に対する抗体含有液の濾過処理量が高く、かつ、ウイルス除去性能に優れた多孔質膜の提供。
【解決手段】疎水性高分子と親水性高分子を含有する多孔質膜であって、
前記多孔質膜の外表面近傍の緻密層における空隙率が35%以上45%以下であり、
外表面近傍の緻密層における孔外接矩形の長径/短径が1.00以上1.45以下であり、
緻密層の厚みが1~8μmであり、
抗体濃度が15 mg/mLになるように緩衝溶液で調整した25℃の溶液を前記多孔質膜で196 kPaの有効濾過圧で3時間濾過して、抗体の疎水性相互作用をA、抗体含有溶液の濾過処理量をBとしたとき、B=-62.59A+84.68±2.5(1.01≦A≦1.25)の関係を満たす多孔質膜。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
疎水性高分子と親水性高分子を含有する多孔質膜であって、
外表面近傍の緻密層における空隙率が35%以上45%以下であり、
外表面近傍の緻密層における孔外接矩形の長径/短径が1.00以上1.45以下であり、
緻密層の厚みが1~8μmであり、
抗体濃度が15 mg/mLになるように緩衝溶液で調整した25℃の溶液を前記多孔質膜で196 kPaの有効濾過圧で3時間濾過して、抗体の疎水性相互作用をA、抗体含有溶液の濾過処理量をBとしたとき、B=-62.59A+84.68±2.5(1.01≦A≦1.25)の関係を満たす多孔質膜。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記親水性高分子が電気的に中性な非水溶性の親水性高分子である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項3】
前記疎水性高分子がポリスルホン系ポリマーである、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項4】
前記非水溶性の親水性高分子がビニル系ポリマーである、請求項2に記載の多孔質膜。
【請求項5】
前記多孔質膜が、前記多孔質膜の外表面から接液表面に向かって連続的に孔径が変化する傾斜構造を有する、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項6】
前記緻密層から粗大層への平均孔径の傾斜指数が0.5~12.0である、請求項1又は5に記載の多孔質膜。
【請求項7】
前記多孔質膜が、限外濾過膜である、請求項1又は5に記載の多孔質膜。
【請求項8】
前記多孔質膜が、ウイルス除去膜である、請求項1又は5に記載の多孔質膜。
【請求項9】
前記多孔質膜が、中空糸状膜又はチューブラー状膜である、請求項1又は5に記載の多孔質膜。
【請求項10】
請求項1又は5に記載の多孔質膜を含むフィルター。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質膜に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、副作用が少ないこと及び治療効果が高いことにより、医薬品として、血漿分画製剤及びバイオ医薬品を用いた治療が広まってきている。しかし、血漿分画製剤はヒト血液由来であること、バイオ医薬品は動物細胞由来であることから、ウイルス等の病原性物質が医薬品に混入するリスクが存在する。
【0003】
医薬品へのウイルス混入を防ぐため、ウイルスの除去又は不活化が必ず行われている。ウイルスの除去又は不活化法として、加熱処理、光学的処理及び化学薬品処理等が挙げられる。タンパク質の変性、ウイルスの不活化効率及び化学薬品の混入等の問題から、ウイルスの熱的及び化学的な性質に拘わらず、すべてのウイルスに有効な膜濾過方法が注目されている。
【0004】
除去又は不活化すべきウイルスとしては、直径25~30nmのポリオウイルスや、最も小さいウイルスとして直径18~24nmのパルボウイルスが挙げられ、比較的大きいウイルスでは直径80~100nmのHIVウイルスが挙げられる。近年、特にパルボウイルス等の小さいウイルスの除去に対するニーズが高まっている。
【0005】
ウイルス除去膜に求められる第一の性能は、安全性である。安全性として、血漿分画製剤及びバイオ医薬品にウイルス等の病原性物質を混入させない安全性と、ウイルス除去膜からの溶出物等の異物を混入させない安全性が挙げられる。
ウイルス等の病原性物質を混入させない安全性として、ウイルス除去膜によりウイルスを十分に除去することが重要となる。非特許文献1には、マウス微小ウイルスやブタパルボウイルスの目標とすべきクリアランス(LRV)は、4とされている。
また、溶出物等の異物を混入させない安全性として、ウイルス除去膜から溶出物を出さないことが重要となる。
【0006】
ウイルス除去膜に求められる第二の性能は、生産性である。生産性とは、5nmサイズのアルブミン及び10nmサイズのグロブリン等のタンパク質を効率的に回収することである。孔径が数nm程度の限外濾過膜及び血液透析膜、並びにさらに小孔径の逆浸透膜は、濾過時にタンパク質が孔を閉塞させるために、ウイルス除去膜として適していない。特にパルボウイルス等の小さいウイルス除去を目的とした場合、ウイルスのサイズとタンパク質のサイズが近いため、上記の安全性と生産性を両立させることは困難であった。
【0007】
特許文献1には、再生セルロースからなる膜を用いたウイルス除去方法が開示されている。
特許文献2には、熱誘起相分離法により製膜されたポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる膜にグラフト重合法により表面が親水化されたウイルス除去膜が開示されている。これらの膜は、抗体の疎水性相互作用に対する抗体含有液の濾過処理量が圧倒的に低い傾向にある。
【0008】
また、特許文献3には、PhiX174に対する少なくとも4.0の初期のウイルス対数除去率(LRV)を有し、表面がヒドロキシアルキルセルロースでコーティングされたウイルス除去膜が開示されている。ヒドロキシアルキルセルロースで親水性にされた表面を有し、約1000L/m
2
を超えるスループットを有する本質的に疎水性の高分子膜基材である。
【0009】
特許文献4には、ポリスルホン系高分子とポリビニルピロリドン(PVP)のブレンド状態から製膜されたウイルス除去膜が開示されている。
特許文献5には、ポリスルホン系高分子とビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体のブレンド状態から製膜された膜に多糖類又は多糖類誘導体がコーティングされたウイルス除去膜が開示されている。これらの膜は、溶液に含まれるウイルスを効率よく分離除去することができ、同時に、タンパク質などの有用回収物質が効率よく透過可能である。
【0010】
特許文献6には、基材としてのポリエーテルスルホンとコート層としての親水性高分子とからなる中空糸膜が開示されている。タンパク質溶液に含まれるウイルスを高効率に除去し、高いFluxと濾過中の目詰まりによるFlux低下を抑制して、ウイルスを含むタンパク質溶液からタンパク質を高効率に回収可能である。
特許文献7には、ポリスルホン系高分子と親水性高分子を含み、膜の外表面部位から内表面部位に向かって孔径が大きくなる傾斜構造を有する中空糸濾過膜が開示されている。タンパク質会合体等の、透過有効成分に近いサイズを有する比較的小さな夾雑物が存在する場合においても、濾過中の経時的なFlux低下を抑制し、効率的に有用成分を回収可能である。
特許文献8には、ポリスルホン系高分子と親水性高分子を含み、細孔の平均孔径が外表面から内表面に向かって大きくなる傾斜型非対称構造を有する中空糸濾過膜が開示されている。タンパク質溶液濾過中の緻密層の細孔表面へのタンパク質の吸着を抑制し、タンパク質透過性に優れた性能を有する。
特許文献9には、疎水性高分子と非水溶性の親水性高分子を含有する細孔の平均孔径が濾過下流部位から濾過上流部位に向かって大きくなる傾斜構造の多孔質膜が開示されている。タンパク質溶液濾過中の目詰まりを抑制しつつ、高効率に有用成分を回収することが可能である。
特許文献10には、ポリスルホン系高分子と親水性高分子を含み、膜厚の中心領域に緻密層を有する多孔質中空糸膜が開示されている。タンパク質溶液濾過中の経時的なFlux低下を抑制しながらウイルス除去が可能である。
特許文献11には、TOF-SIMSにより膜の表面を規定した疎水性高分子に親水性高分子がコーティンされている多孔質膜が開示されている。多孔質膜の製造時に膜同士が固着する現象を減少することが可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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