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公開番号2024178359
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-24
出願番号2024165284,2022550734
出願日2024-09-24,2022-02-07
発明の名称アルデヒドによるニトリルヒドラターゼの反応性向上
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12P 13/02 20060101AFI20241217BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】ニトリル化合物からアミド化合物を製造する方法において、より簡便にアミド化合物の生産性を改善する方法を提供する。
【解決手段】ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の存在下において、ニトリル化合物からアミド化合物を製造する方法であって、前記ニトリル化合物を含む反応液中にアルデヒド化合物を添加する工程を含み、前記ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒が、ロドコッカス属、またはシュードノカルディア属由来のニトリルヒドラターゼを含む細胞または微生物菌体である、前記方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の存在下において、ニトリル化合物からアミド化合物を製造する方法であって、
前記ニトリル化合物を含む反応液中にアルデヒド化合物を添加する工程を含み、
前記ニトリル化合物が、アクリロニトリル、アセトニトリル、メタクリロニトリル、シアノピリジン、グリコロニトリル及びアラニンニトリルから選ばれる少なくとも一種であり、
前記アルデヒド化合物は、アルデヒド基を有する化合物か、水中又は溶液中でアルデヒド基を有する化合物を生じる化合物であって、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、シュウ酸ジアルデヒド、マロンジアルデヒド、ペンタナール、イソバレルアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリコールアルデヒド、フルフラール、ブタンジアール、グルタルアルデヒド、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、パラアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、ペリルアルデヒド、バニリン、1-ナフトアルデヒド、フタルアルデヒド、メチオナール、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドアンモニア及びヘキサメチレンテトラミンから選ばれる少なくとも一種であり、
前記ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒が、ロドコッカス属、またはシュードノカルディア属由来のニトリルヒドラターゼを含む細胞または微生物菌体である、前記方法。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の存在下における、ニトリル化合物からのアミド化合物の製造において、前記ニトリル化合物をアミド化合物に変換する反応速度を向上させる方法であって、
前記ニトリル化合物を含む反応液中にアルデヒド化合物を添加する工程を含み、
前記ニトリル化合物が、アクリロニトリル、アセトニトリル、メタクリロニトリル、シアノピリジン、グリコロニトリル及びアラニンニトリルから選ばれる少なくとも一種であり、
前記アルデヒド化合物は、アルデヒド基を有する化合物か、水中又は溶液中でアルデヒド基を有する化合物を生じる化合物であって、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、シュウ酸ジアルデヒド、マロンジアルデヒド、ペンタナール、イソバレルアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリコールアルデヒド、フルフラール、ブタンジアール、グルタルアルデヒド、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、パラアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、ペリルアルデヒド、バニリン、1-ナフトアルデヒド、フタルアルデヒド、メチオナール、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドアンモニア及びヘキサメチレンテトラミンから選ばれる少なくとも一種であり、
前記ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒が、ロドコッカス属、またはシュードノカルディア属由来のニトリルヒドラターゼを含む細胞または微生物菌体である、前記方法。
【請求項3】
ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の存在下における、ニトリル化合物からのアミド化合物の製造において、前記ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒の活性低下を抑制する方法であって、
前記ニトリル化合物を含む反応液中にアルデヒド化合物を添加する工程を含み、
前記ニトリル化合物が、アクリロニトリル、アセトニトリル、メタクリロニトリル、シアノピリジン、グリコロニトリル及びアラニンニトリルから選ばれる少なくとも一種であり、
前記アルデヒド化合物は、アルデヒド基を有する化合物か、水中又は溶液中でアルデヒド基を有する化合物を生じる化合物であって、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、シュウ酸ジアルデヒド、マロンジアルデヒド、ペンタナール、イソバレルアルデヒド、グリセルアルデヒド、グリコールアルデヒド、フルフラール、ブタンジアール、グルタルアルデヒド、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、パラアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、ペリルアルデヒド、バニリン、1-ナフトアルデヒド、フタルアルデヒド、メチオナール、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドアンモニア及びヘキサメチレンテトラミンから選ばれる少なくとも一種であり、
前記ニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒が、ロドコッカス属、またはシュードノカルディア属由来のニトリルヒドラターゼを含む細胞または微生物菌体である、前記方法。
【請求項4】
ニトリル化合物中のシアン化合物濃度に対するアルデヒド化合物濃度が、モル比で0.9~15である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
アルデヒド化合物と、
アクリロニトリル、アセトニトリル、メタクリロニトリル、シアノピリジン、グリコロニトリル及びアラニンニトリルから選ばれる少なくとも一種のニトリル化合物とを含む、アミド化合物製造用組成物を使用して行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
アルデヒド化合物及びニトリルヒドラターゼ活性を有する生体触媒を含む、アミド化合物製造用触媒組成物を使用して行われる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記細胞または微生物菌体が、薬剤処理により増殖能を失わせた細胞または微生物菌体である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本明細書は、本願の優先権の基礎である特願2021-19409(2021年2月10日出願)の明細書に記載された内容を包含する。
[技術分野]
本発明はニトリルヒドラターゼによるアミド化合物の製造方法に関する。より詳細には、本発明はニトリルヒドラターゼの反応速度を向上させる方法、ニトリルヒドラターゼの活性低下を抑制する方法、反応速度を増加させた状態でアミド化合物を製造する方法等に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
アミド化合物については、産業上重要な物質として広範囲に使用されている。その用途としては、アクリルアミドでは排水処理用凝集剤、紙力増強剤、石油回収剤、メタアクリルアミドでは、塗料、接着剤等、幅広く用いられている。
【0003】
アミド化合物の製造方法としては、従来還元状態の銅を触媒として用い、ニトリル化合物を水和することにより、対応するアミド化合物を製造する工業的手法が用いられてきた。
【0004】
近年、微生物の持つ酵素の中にニトリル基を水和してアミド基に変換するニトリル水和活性を有するニトリルヒドラターゼが発見され、該酵素又は該酵素を有する微生物菌体等を用いてニトリル化合物より対応するアミド化合物を製造する方法が用いられている。
【0005】
この製造方法は従来の金属触媒を利用する手法より、反応条件が温和であり、ニトリル化合物からの対応するアミド化合物への高い転化率、高い選択性を持つことから、よりシンプルなプロセスが組みやすく、工業的にも優れた手法であると言える。
【0006】
ニトリルヒドラターゼを利用してアミド化合物を工業的に製造する際には、ニトリル化合物から対応するアミド化合物を効率よく製造できることが重要である。よって、ニトリルヒドラターゼの酵素活性の向上(特許文献1)、温度による活性低下の抑制、アミド化合物耐性の向上(特許文献2)によるアミド化合物の製造効率の改善が報告されている。
【0007】
他の手法として、ニトリルヒドラターゼの活性に影響を与えるニトリル化合物中の有機性不純物を同定し、ニトリルヒドラターゼの活性低下を抑制することにより製造効率を改善する方法が報告されている(特許文献3~5)。例えば、ニトリル化合物中に存在するベンゼンの濃度を低減させることにより、アミド化合物を効率的に製造する方法(特許文献3)が報告されている。また、ニトリル化合物中の青酸濃度を低減させる手法(特許文献4,5)も報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2005-295815号公報
特開2010-172295号公報
国際公開2007-043466号パンフレット
特開平11-123098号公報
特開2001-288156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献4の方法では、金属化合物を添加した場合、酵素反応や得られるアミド化合物の品質に影響を及ぼす可能性があり、また、反応終了後に金属化合物等を除去する工程を要するためコストの上昇につながる。一方で、イオン交換樹脂を用いてニトリル化合物を精製する場合は、工程の増加によりコストの増加につながる。
【0010】
また、特許文献5の方法では、原料のニトリル化合物にアルカリ化合物を添加するが、酵素反応の前にニトリル化合物のpHを調整する手間が増えたり、得られるアミド化合物の品質に影響を及ぼしたりする可能性がある。
(【0011】以降は省略されています)

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