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公開番号2024176587
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023095272
出願日2023-06-09
発明の名称ウエーハの製造方法及び加工装置
出願人株式会社ディスコ
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01L 21/304 20060101AFI20241212BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】複数のインゴットを同時並行で処理しながら各インゴットから上限枚数のウエーハを製造する際の所要時間を低減することが可能なウエーハの製造方法を提供する。
【解決手段】インゴットからウエーハを製造するための一連のステップに含まれる平坦化ステップにおいて、一連のステップを開始する時点におけるインゴットの厚みと比較して、ウエーハの仕上げ厚みと、分離層の想定厚みと、インゴットから製造可能なウエーハの上限枚数から1を減算して得られる数でインゴットの余剰厚みを除算して得られる分配厚みと、を加算して得られる厚み分薄い厚みになるまでインゴットを研削する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
インゴットの内部に分離層を形成する分離層形成ステップと、該分離層形成ステップの後に該分離層において該インゴットを分離することによってウエーハを製造する分離ステップと、該分離ステップの後に該インゴットに残存するインゴット側残存分離層及び該ウエーハに残存するウエーハ側残存分離層をそれぞれ除去して該インゴット及び該ウエーハのそれぞれを平坦化する平坦化ステップと、を備える一連のステップを繰り返すことによって、該インゴットから3枚以上の該ウエーハを製造するウエーハの製造方法であって、
該インゴットからの3枚以上の該ウエーハの製造に先立って、該インゴットの初期厚みと、該ウエーハの仕上げ厚みと、該分離層の想定厚みと、を参照して、該インゴットから製造可能な該ウエーハの上限枚数と、該インゴットの余剰厚みと、を算出する算出ステップを備え、
該分離層形成ステップにおいては、該インゴットの素材を透過する波長のレーザービームが集光される集光点が該インゴットの表面から所定の深さに位置付けられるように該レーザービームを該インゴットに照射しながら該集光点と該インゴットとを相対的に移動させることによって該分離層が形成され、
該平坦化ステップにおいては、
該一連のステップを開始する時点における該インゴットの厚みと比較して、該仕上げ厚みと、該想定厚みと、該上限枚数から1を減算して得られる数で該余剰厚みを除算して得られる分配厚みと、を加算して得られる厚み分薄い厚みになるまで該インゴットが研削され、かつ、
該仕上げ厚みになるまで該ウエーハが研削される、ウエーハの製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
該所定の深さは、該仕上げ厚みと該ウエーハ側残存分離層の厚みとを加算して得られる第1厚みに対応する深さである、請求項1に記載のウエーハの製造方法。
【請求項3】
該所定の深さは、該仕上げ厚みと該ウエーハ側残存分離層の厚みと該分配厚みとを加算して得られる第2厚みに対応する深さである、請求項1に記載のウエーハの製造方法。
【請求項4】
該所定の深さは、該仕上げ厚みと該ウエーハ側残存分離層の厚みとを加算して得られる第1厚みよりも長く、かつ、該第1厚みと該分配厚みとを加算して得られる第2厚みよりも短い深さである、請求項1に記載のウエーハの製造方法。
【請求項5】
インゴットから3枚以上のウエーハを製造するための加工装置であって、
該インゴットの内部に分離層を形成するためのレーザー加工部と、
該分離層において該インゴットを分離することによって該ウエーハを製造するための分離部と、
該インゴットに残存するインゴット側残存分離層を除去して該インゴットを平坦化するための平坦化部と、
該分離層の形成と該インゴットの分離と該インゴットの平坦化とを備える一連のステップを該インゴットから製造可能な該ウエーハの上限枚数から1を減算して得られる数だけ繰り返すように、該レーザー加工部、該分離部及び該平坦化部を制御するためのコントローラと、を備え、
該コントローラは、
該インゴットの初期厚みと該ウエーハの仕上げ厚みと該分離層の想定厚みとを記憶するためのメモリと、
該初期厚みと該仕上げ厚みと該想定厚みとを参照して、該上限枚数と該インゴットの余剰厚みとを算出するためのプロセッサと、を有し、
該プロセッサは、
該インゴットの素材を透過する波長のレーザービームが集光される集光点が該インゴットの表面から所定の深さに位置付けられるように該レーザービームを該インゴットに照射しながら該集光点と該インゴットとを相対的に移動させることによって該分離層が形成されるように該レーザー加工部を制御し、かつ、
該一連のステップを開始する時点における該インゴットの厚みと比較して、該仕上げ厚みと、該想定厚みと、該上限枚数から1を減算して得られる数で該余剰厚みを除算して得られる分配厚みと、を加算して得られる厚み分薄い厚みになるまで該インゴットが研削されるように該平坦化部を制御する、加工装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、インゴットから3枚以上のウエーハを製造するウエーハの製造方法及びそのための加工装置に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのチップは、一般的に、シリコン(Si)、炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、タンタル酸リチウム(LiTaO

:LT)又はニオブ酸リチウム(LiNbO

:LN)等の単結晶からなるウエーハを利用して製造される。このウエーハは、例えば、ワイヤソーを使用してインゴットから切り出されることによって製造される。
【0003】
ただし、インゴットからワイヤソーを使用してウエーハを切り出す際の切り代は、300μm前後であり、比較的大きい。また、このように切り出されたウエーハの表面には微細な凹凸が形成され、また、このウエーハは全体的に湾曲する(ウエーハに反りが生じる)。そのため、このウエーハを利用してチップを製造する際には、ウエーハの表面にラッピング、エッチング及び/又はポリッシングを施して表面を平坦化する必要がある。
【0004】
この場合、最終的にウエーハとして利用される素材の量は、インゴットの総量の2/3程度である。すなわち、インゴットの総量の1/3程度は、インゴットからのウエーハの切り出し及びウエーハの表面の平坦化の際に廃棄される。そのため、このようにワイヤソーを使用してウエーハを製造する場合には生産性が低くなる。
【0005】
この点に鑑み、インゴットの素材を透過する波長のレーザービームを利用してインゴットからウエーハを製造するウエーハの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、この方法においては、まず、このレーザービームが集光される集光点がインゴットの内部に位置付けられるようにレーザービームをインゴットに照射しながら集光点とインゴットとを相対的に移動させる。
【0006】
これにより、インゴットの内部に改質部と改質部から伸展するクラックとを含む分離層が形成される。そして、この方法においては、このクラックをさらに伸展させるようにインゴットに外力が付与される。その結果、インゴットが分離層において分離されてウエーハが製造される。
【0007】
また、このようにインゴットからウエーハが製造されると、インゴット及びウエーハのそれぞれに分離層(インゴット側残存分離層及びウエーハ側残存分離層)が残存する。そのため、上述したウエーハの製造方法においては、インゴット及びウエーハのそれぞれを研削することによってインゴット側残存分離層及びウエーハ側残存分離層をそれぞれ除去してインゴット及びウエーハのそれぞれが平坦化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2019-12765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したウエーハの製造方法が繰り返されると、2枚のウエーハを製造するために必要な厚みを僅かに下回る厚みを有するインゴットが残されることがある。この場合、ウエーハの仕上げ厚みになるまでインゴットを長期間に渡って研削することによって最後のウエーハが製造される。
【0010】
ただし、複数のインゴットを同時並行で処理しながら各インゴットから上限枚数のウエーハを製造する場合には、各インゴットから最後のウエーハを製造するための長期間に渡る研削がボトルネックになるおそれがある。すなわち、この場合には、特定のインゴットを研削して最後のウエーハを製造する際に、その他のインゴットの処理が長期間に渡って停止されるおそれがある。
(【0011】以降は省略されています)

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