TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024175929
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-19
出願番号2023094034
出願日2023-06-07
発明の名称電動アクチュエータ
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人
主分類F16H 25/24 20060101AFI20241212BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】動作精度や耐久寿命に優れた電動アクチュエータを低コストに提供する。
【解決手段】電動アクチュエータ1は、電動モータ2とねじ機構3とを備え、ねじ機構3は、転がり軸受5,6を介してハウジング5に対して回転自在に支持されたナット31と、ナット31の回転に伴って直線運動するねじ軸32とを備える。転がり軸受6,7の構成部材とは異なる部材に、転がり軸受6(7)の内外輪間の一端開口部64(74)及び他端開口部65(75)のそれぞれを開口面積比で80%以上100%未満覆う第1カバー面8A及び第2カバー面8Bを設ける。第1カバー面8Aは一端開口部64(74)の内径端64a(74a)を開口させるように、また、第2カバー面8Bは他端開口部65(75)の外径端65a(75a)を開口させるように設けられる。一端開口部64,74の内径端側開口の開口幅Aは、他端開口部65,75の外径端側開口の開口幅Bよりも大きい。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
電動モータと、該電動モータの回転運動を直線運動に変換するねじ機構と、前記電動モータ及び前記ねじ機構を保持したハウジングとを備え、
前記ねじ機構が、グリース潤滑される転がり軸受を介して前記ハウジングに対して回転自在に支持されたナットと、該ナットの回転に伴って直線運動するねじ軸とを備えた電動アクチュエータにおいて、
前記転がり軸受の構成部材とは異なる第1異部材に、前記転がり軸受の内輪と外輪の間の一端開口部の内径端を開口させた状態で、前記一端開口部を開口面積比で80%以上100%未満覆う第1カバー面が設けられ、
前記転がり軸受の構成部材とは異なる第2異部材に、前記転がり軸受の内輪と外輪の間の他端開口部の外径端を開口させた状態で、前記他端開口部を開口面積比で80%以上100%未満覆う第2カバー面が設けられ、
前記一端開口部の内径端側開口の開口幅Aを、前記他端開口部の外径端側開口の開口幅Bよりも大きくしたことを特徴とする電動アクチュエータ。
続きを表示(約 510 文字)【請求項2】
前記他端開口部の外径端側開口を形成すると共に、この外径端側開口を軸受外部空間に連通させる環状凹部が前記第2異部材に設けられ、
前記環状凹部の前記転がり軸受の外径側での開口幅Cを、前記開口幅Aよりも大きくした請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記環状凹部の内周壁面を、軸方向に対して傾斜した傾斜面に形成した請求項2に記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1カバー面を前記ハウジングに設けた請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記第2カバー面を前記ナットに設けた請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記電動モータの回転運動を前記ナットに伝達する動力伝達機構をさらに備え、
前記第2カバー面を、前記ナットと一体回転する前記動力伝達機構の回転部材に設けた請求項1に記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
前記動力伝達機構が、前記電動モータの回転を減速して前記ナットに伝達する減速機構であり、前記回転部材が歯車である請求項6に記載の電動アクチュエータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
例えば、特開2014-37870号公報(特許文献1)には、自動車の変速機構やブレーキ機構などに使用される電動アクチュエータであって、電動モータと、動力伝達機構を介して伝達される電動モータの回転運動を当該アクチュエータの出力軸の軸方向の直線運動に変換するねじ機構(ボールねじ機構)と、ねじ機構を収容したハウジングと、を備えた電動アクチュエータが開示されている。この電動アクチュエータにおいて、動力伝達機構は、電動モータの回転軸と一体回転する入力歯車と、入力歯車に噛合すると共に、ナットと一体回転する出力歯車とを有する減速機構(歯車減速機構)で構成される。
【0003】
上記の電動アクチュエータにおいて、ナットは、出力歯車の軸方向両側に配設された一対の転がり軸受(例えば、深溝玉軸受)によってハウジングに対して回転自在に支持されている。上記の転がり軸受としては、転動体の軸方向両側に内外輪間の開口部をシールするためのシール部材が配置された、いわゆる密封型が採用される。これにより、転がり軸受の内部潤滑を行うグリースの外部漏洩、及び軸受内部(グリース)への異物侵入が防止される。なお、シール部材は、内輪又は外輪と摺接するシールリップを有する接触タイプと、内輪又は外輪との間に微小なシール隙間を形成する非接触タイプとに大別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-37870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
密封型の転がり軸受において、何れのタイプのシール部材を採用する場合でも所望のシール性能を適切に発揮可能とするためには厳密な寸法管理(接触代管理、あるいは隙間幅管理)が必要である。そのため、密封型の転がり軸受を採用した場合、シール部材を具備しない、いわゆる開放型の転がり軸受を採用する場合よりもコストが嵩む。従って、ナットの支持軸受として採用されている密封型の転がり軸受を開放型の転がり軸受に置き換えれば、電動アクチュエータを低コスト化することができる。しかしながら、密封型の転がり軸受を単に開放型の転がり軸受に置き換えるだけでは、グリースの外部漏洩や軸受内部への異物侵入を防止することができず、支持軸受の軸受性能や耐久寿命、ひいては電動アクチュエータの出力軸の動作精度や耐久寿命に悪影響が及ぶ。
【0006】
そこで、本発明は、出力軸の動作精度や耐久寿命に優れた電動アクチュエータを低コストに提供可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために創案された本発明は、電動モータと、電動モータの回転運動を直線運動に変換するねじ機構と、ねじ機構を収容したハウジングとを備え、ねじ機構が、グリース潤滑される転がり軸受を介してハウジングに対して回転自在に支持されたナットと、ナットの回転に伴って直線運動するねじ軸とを備えた電動アクチュエータにおいて、
上記転がり軸受の構成部材とは異なる第1異部材に、上記転がり軸受の内輪と外輪の間の一端開口部の内径端を開口させた状態で、上記一端開口部を開口面積比で80%以上100%未満覆う第1カバー面が設けられ、
上記転がり軸受の構成部材(及び上記第1異部材)とは異なる第2異部材に、上記転がり軸受の内輪と外輪の間の他端開口部の外径端を開口させた状態で、上記他端開口部を開口面積比で80%以上100%未満覆う第2カバー面が設けられ、
上記一端開口部の内径端側開口の開口幅Aを、上記他端開口部の外径端側開口の開口幅Bよりも大きくしたことを特徴とする。
【0008】
上記の構成によれば、転がり軸受の構成部材とは異なる第1及び第2異部材のそれぞれに設けた第1及び第2カバー面により、転がり軸受の内部空間(に介在するグリース)への異物侵入や、グリースの外部漏洩が抑制又は防止される。また、上記第1及び第2カバー面が設けられていることにより、転がり軸受としては、内外輪間の開口部を封口するためのシール部材を具備しない開放型の転がり軸受を採用することが可能となる。これにより、電動アクチュエータのコスト低減を図ることができる。
【0009】
但し、第1及び第2カバー面が内輪及び外輪の端面全域を覆うように形成されていると、転がり軸受、ひいては電動アクチュエータの作動性に悪影響が及ぶ懸念がある。そのため、第1カバー面は、内外輪間の一端開口部の内径端を開口させた状態で一端開口部を開口面積比で80%以上100%未満覆うように、転がり軸受の外径側から内径側に延びるように設け、第2カバー面は、内外輪間の他端開口部の外径端を開口させた状態で他端開口部を面積比で80%以上100%未満覆うように、転がり軸受の内径側から外径側に延びるように設けるのが好ましい。さらに、転がり軸受の運転中は、遠心力の影響により、内部空間の外径側領域にグリースが偏在し易いため、内外輪間の開口部がその外径側で大きく開口しているとグリース漏れが生じるおそれがある。特に、転がり軸受の高速回転に対応するような低粘度のグリースを用いた場合には、グリース漏れが生じ易くなる。従って、内外輪間の一端開口部の内径端側開口の開口幅Aを、内外輪間の他端開口部の外径端側開口の開口幅Bよりも大きくすれば、内外輪間の開口部を介してのグリース漏れや異物侵入を効果的に防止することができる。
ここで、上記の開口幅(開口幅A及び開口幅B)とは、軸受回転軸に対して直交する方向(半径方向)の開口寸法、を意味する。後述する開口幅Cについても同様である。
【0010】
上記構成において、第2異部材には、内外輪間の他端開口部の外径端側開口を形成すると共に、軸受内部空間と軸受外部空間とを連通させる環状凹部を設けることができる。この環状凹部の転がり軸受の外径側での開口幅Cは、上記一端開口部の内径端側開口の開口幅A(及び上記他端開口部の外径端側開口部の開口幅B)よりも大きくする。このようにすれば、電動アクチュエータが駆動されるのに伴って軸受内部で摩耗粉等が生じた場合でも、上記摩耗粉等を上記環状凹部を介して軸受外部に排出し易くなる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

NTN株式会社
電源装置
3日前
NTN株式会社
深溝玉軸受
7日前
NTN株式会社
電動オイルポンプ、および電動オイルポンプの制御方法
3日前
個人
流路体
7日前
個人
保持機
2か月前
個人
クラッチ装置
11日前
個人
免震留具
2か月前
個人
振り子式免震装置
3か月前
藤井電工株式会社
フック
2か月前
個人
ネジの緩み防止装置
3か月前
個人
固着具と成形品部材
4日前
個人
緩み防止ナット
3か月前
株式会社アイシン
駆動装置
7日前
カヤバ株式会社
緩衝器
18日前
カヤバ株式会社
緩衝器
18日前
カヤバ株式会社
緩衝器
2か月前
株式会社テイエルブイ
自動弁
3か月前
株式会社テイエルブイ
排気弁
4か月前
株式会社不二工機
電磁弁
3か月前
個人
配管用エルボカバー
3か月前
株式会社フジキン
バルブ
3か月前
日動電工株式会社
保持具
2か月前
矢崎化工株式会社
連結具
18日前
株式会社不二工機
電動弁
2か月前
株式会社不二工機
電動弁
10日前
未来工業株式会社
固定体
1か月前
株式会社不二工機
逆止弁
3日前
株式会社ナベル
直動機構
1か月前
株式会社キッツ
逆止め弁
3か月前
株式会社トヨックス
可撓管
1か月前
株式会社テイエルブイ
自動弁装置
20日前
株式会社PILLAR
継手
1か月前
井関農機株式会社
作業車両
1か月前
日本精工株式会社
転がり軸受
1か月前
日本精工株式会社
密封型転がり軸受
2か月前
カヤバ株式会社
シリンダ装置
4か月前
続きを見る