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公開番号2024128184
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-24
出願番号2023037033
出願日2023-03-10
発明の名称シリンダ装置
出願人カヤバ株式会社
代理人個人
主分類F16F 9/32 20060101AFI20240913BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】本発明は、ピストン本体とストッパ部との間にピストンリングが噛み込む恐れがなく、ピストンリングの劣化やピストンのシリンダへの固着を防止するシリンダ装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、シリンダ1内に軸方向で移動可能に挿入されるロッド2に連結されてシリンダ1内に軸方向移動可能に挿入されるピストン本体30とピストン本体30の外周に装着されるピストンリング31とを有するピストン3を備え、シリンダ1は、外周側から加締められて形成されるとともに、ピストン3がシリンダ1内をストロークエンドまで移動したときにピストン本体30の一端側の外周端に当接する環状のストッパ部10を有し、ストッパ部10の軸方向のピストン側端とピストン本体30が当接する部分との間の軸方向距離Wが、ピストンリング31の摺動面31aのストッパ部側の端部とピストン本体30の外周端との間の軸方向距離Lよりも短い。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
シリンダと、
前記シリンダ内に軸方向で移動可能に挿入されるロッドと、
前記シリンダ内に軸方向で移動可能に挿入されるとともに前記ロッドに連結されるピストン本体と前記ピストン本体の外周に装着されて前記シリンダの内周に摺接するピストンリングとを有するピストンとを備え、
前記シリンダは、外周側から加締められることによって形成されて前記シリンダの内周側へ突出するとともに、前記ピストンが前記シリンダ内を一方向にストロークエンドまで移動したときに前記ピストン本体の一端側の外周端に当接するストッパ部を有し、
前記ストッパ部の軸方向の前記ピストン側端と前記ストッパ部の前記ピストン本体が当接する部分との間の軸方向距離が、前記ピストンリングの前記シリンダの内周に摺接する摺動面の前記ストッパ部側の端部と前記ピストン本体の前記外周端との間の軸方向距離よりも短い
ことを特徴とするシリンダ装置。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記ピストン本体の外周には周方向に沿う環状溝を複数有するピストンリング装着部が設けられ、
前記ピストンリングは、合成樹脂製の円盤状の母材を前記ピストンリング装着部の一端側に配置される前記環状溝に嵌合した状態で、前記ピストン本体を一端側から筒状のダイ内に押し込むことで、前記ピストン本体の外周に装着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
【請求項3】
前記ピストンリングは、前記摺動面の前記ストッパ部側の端部から内側に向けて傾斜する傾斜部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ装置に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来シリンダ装置としては、例えば、車両における車体と車軸との間に介装されて、伸縮時に発揮する減衰力で車体および車輪の振動を抑制する緩衝器がある。
【0003】
このような緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に軸方向で移動可能に挿入されるロッドと、シリンダ内に軸方向で移動可能に挿入されるとともにロッドに連結されるピストン本体とピストン本体の外周に装着されてシリンダの内周に摺接するピストンリングとを有してシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、ピストン本体に設けられて伸側室と圧側室とを連通するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える減衰通路とを備えている。
【0004】
このような緩衝器では、ロッドは車両に搭載される緩衝器に要求されるストローク量を確保できるだけの長さがあればよいので、緩衝器を軽量化するために、ロッドの長さをシリンダの長さよりも短くする場合がある。
【0005】
このような緩衝器では、例えば、緩衝器の運搬時に作業者がロッドをシリンダ内に押し込んでおき、緩衝器の全長を短くしておく場合がある。ところが、作業者がロッドをシリンダ内に押し込む際に誤ってロッド全体をシリンダ内に押し込んでしまった場合、ロッドがシリンダ内に潜り込んで、シリンダ内の液体が外部に流出する恐れがある。
【0006】
また、ロッドの端側に潜り込みを防止するためのストッパを設ける場合では、ストッパがロッドの外周をシールするシールリングに干渉して、やはり、液体の外部への流出を招く可能性がある。
【0007】
そこで、特許文献1の緩衝器では、作業者がロッドをシリンダ内に押し込む際にロッドがシリンダ内に潜り込む前にピストンが当接してロッドの移動を規制するストッパ部をシリンダの内周に設けることで、ロッドがシリンダ内に潜り込むのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開平9-53677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このストッパ部はシリンダを外周から加締めることで断面円弧状に形成されている。そして、ストッパ部の先端から中央の頂部までの何れかの部位にピストンの端部が当接することで、ロッドのシリンダ内への潜り込みを防止している。
【0010】
ところが、ストッパ部が断面円弧状に形成されていると、ピストンのピストン本体がストッパ部に当接するより前に、ピストンリングのストッパ側を向く端部がストッパ部のピストンに当接する部位に接触する場合がある。すると、ピストンリングがストッパ部の先端側に乗り上げて、ピストン本体とストッパ部との間にピストンリングが噛み込んで、ピストンリングの劣化を招いたり、ピストンがシリンダに対して固着して動けなくなるなどの問題が生じる恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)

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