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公開番号2024173602
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023198786
出願日2023-11-24
発明の名称転がり軸受
出願人日本精工株式会社
代理人個人
主分類F16C 33/78 20060101AFI20241205BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】エチレンプロピレンゴムの主原料であるエタノールの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに置き換えた環境にやさしいゴム組成物によるゴムシール装置を形成した転がり軸受を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも内輪1、外輪2、転動体(玉)3、保持器4及びゴムシール装置5を備える転がり軸受において、ゴムシール装置5が、原料のエチレン・プロピレンの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに起因するバイオエチレン・バイオプロピレンとしたバイオマスEPDMを含有するゴム組成物6と、前記ゴム組成物6を補強する補強部材7との一体成形物で構成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受において、
前記ゴムシール装置は、
原料のエチレン・プロピレンの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに起因するバイオエチレン・バイオプロピレンとしたバイオマスEPDMを含有するゴム組成物と、
前記ゴム組成物を補強する補強部材との一体成形物で構成されていることを特徴とする転がり軸受。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
少なくとも内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受において、
前記ゴムシール装置は、
シールが、弾性部材であるゴム組成物と、
前記ゴム組成物を補強する補強部材が、植物由来のバイオマスプラスチックからなる樹脂組成物との一体成形物で構成されているあることを特徴とする転がり軸受。
【請求項3】
少なくとも内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受において、
前記ゴムシール装置は、
原料のエチレン・プロピレンの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに起因するバイオエチレン・バイオプロピレンとしたバイオマスEPDMを含有するゴム組成物と、
前記ゴム組成物を補強する補強部材が、植物由来のバイオマスプラスチックからなる樹脂組成物との一体成形物で構成されていることを特徴とする転がり軸受。
【請求項4】
前記バイオマスEPDMのバイオ度は、20%以上であることを特徴とする請求項1または3に記載の転がり軸受。
【請求項5】
前記樹脂組成物は、ポリアミド410が用いられていることを特徴とする請求項2または3に記載の転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ周りで使用する転がり軸受を形成するシールの材料及びそのシールを補強する芯材の改良に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ブレーキ周りで使用する転がり軸受では、ブレーキオイルに対する耐薬品性を考慮して、ゴムシール装置を形成する弾性材には、エチレンプロピレンゴム(EPDMともいう。)を原料ゴムとするゴム組成物が用いられてきた。
【0003】
例えば、特許文献1は、ブレーキオイル用ギヤポンプの発明で、ドライブシャフトとしてマウンティングフランジの外方に突出させた軸をシールするシール部材がエチレンプロピレンゴム製としている。これにより、シール部材が植物性油であるブレーキオイルに浸されても、それが膨潤したりせず、シール部材のシール機能が十分に発揮され、油漏れも少なくなるとともに、ローディング力もバランスすることが開示されている。
【0004】
また、一般的に知られるゴム内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受の発明では、そのゴムシール装置にシールを補強するための金属板の芯金を有しており、その芯金では、例えば、亜鉛メッキ鋼板(SECC)等の金属板を環状に加工し、接着性を向上させるために、その表面を更にリン酸亜鉛等の化成処理を施したものが好適に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平08-270572号公報
特開2002-357227公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このエチレンプロピレンゴムは、主原料のエチレン・プロピレンを含めて、全て石油由来のものであり、環境に考慮したものではなかった。
【0007】
また、シールを補強する芯材についても、亜鉛メッキ鋼板(SECC)等の金属板を環状に加工し、接着性を向上させるために、その表面を更にリン酸亜鉛等の化成処理を施したものが用いられ環境に考慮したものでなかった。
【0008】
そこで、本発明はこのような状況に着目してなされたものであり、エチレンプロピレンゴムの主原料であるエタノールの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに置き換えた環境にやさしいゴム組成物(弾性部材)によるゴムシール装置を形成した転がり軸受を提供することを目的とする。
また、本発明は、従来、芯材として使用されてきた金属材料を植物由来のバイオマスプラスチックに置き換えて、環境にやさしいゴムシール装置を形成した転がり軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明の転がり軸受は、上記の目的を達成するために、少なくとも内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受において、
前記ゴムシール装置が、原料のエチレン・プロピレンの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに起因するバイオエチレン・バイオプロピレンとしたバイオマスエチレンプロピレンゴムを含有するゴム組成物と、
前記ゴム組成物を補強する補強部材との一体成形物で構成されていることを特徴とする。
第2の発明の転がり軸受は、少なくとも内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受において、前記ゴムシール装置は、シールが、弾性部材であるゴム組成物と、前記ゴム組成物を補強する補強部材が、植物由来のバイオマスプラスチックからなる樹脂組成物との一体成形物で構成されているあることを特徴とする。
第3の発明の転がり軸受は、少なくとも内輪、外輪、転動体、保持器及びゴムシール装置を備える転がり軸受において、前記ゴムシール装置は、原料のエチレン・プロピレンの少なくとも一部を植物由来のバイオエタノールに起因するバイオエチレン・バイオプロピレンとしたバイオマスEPDMを含有するゴム組成物と、前記ゴム組成物を補強する補強部材が、植物由来のバイオマスプラスチックからなる樹脂組成物との一体成形物で構成されていることを特徴とする。
第4の発明の転がり軸受は、第1の発明または第3の発明において、前記バイオマスEPDMのバイオ度は、20%以上であることを特徴とする。
第5の発明の転がり軸受は、第2の発明または第3の発明において、前記樹脂組成物は、ポリアミド410が用いられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、本発明の転がり軸受のゴムシール装置で用いているバイオマスエチレンプロピレンゴムには、原料にバイオポリエチレン・バイオポリプロピレンが用いられていることで、従来の石油由来成分のみでバイオ度が0%であったエチレンプロピレンゴムに比べて、環境にやさしく、カーボンニュートラルに貢献した転がり軸受とすることができる。
また、本願のバイオ度が高いバイオマスエチレンプロピレンゴムは、化学的組成は変わらないことから、従来の石油由来のみ原料からのみから製造されたエチレンプロピレンゴムと比べて、ブレーキオイルに対する耐薬品性、機械的物性や耐熱性等の特性に差異はない。
さらに、本発明の転がり軸受のゴムシール装置の芯材で用いているバイオマスポリアミド410は、原料にトウゴマから抽出したひまし油由来の成分(セパシン酸)が用いられていることで、従来の金属材料に比べて、ライフサイクル全体を通したCO2排出量が少ないことから、環境にやさしく、カーボンニュートラルに貢献した転がり軸受とすることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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