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公開番号2025049974
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-04
出願番号2023158521
出願日2023-09-22
発明の名称玉軸受、及び、玉軸受におけるグリースの塗布方法
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類F16C 33/66 20060101AFI20250327BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】慣らし運転をしなくても慣らし運転後と同様に、低トルクを実現できる玉軸受、及び、玉軸受におけるグリースの塗布方法を提供すること。
【解決手段】玉軸受は、いずれか一方が回転輪である内輪1及び非回転輪である外輪2と、内輪1と外輪2との間に転動自在に配置された複数の玉3と、複数の玉3をそれぞれ保持する各ポケット41の軸方向一端に開口部を有する保持器4と、内輪1と外輪2との間を軸方向両端で塞ぐシールド板50と、内輪1、外輪2、玉3、およびシールド板50で囲まれた空間8に封入されたグリース6と、を備える。グリース6は、初期封入時において、空間8における保持器4の開口部側にて、玉3と接触し且つ保持器4と離間している。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
いずれか一方が回転輪となり他方が非回転輪となる内輪及び外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配置された複数の玉と、
前記複数の玉をそれぞれ保持する各ポケットの軸方向一端に開口部を有する保持器と、
前記内輪と前記外輪との間を軸方向両端で塞ぐシールド板と、
前記内輪、前記外輪、前記玉、および前記シールド板で囲まれた空間に封入されたグリースと、
を備えた玉軸受であって、
前記グリースは、
前記玉と接触するように配置され、且つ、前記空間を構成する非回転輪の周面における前記保持器の前記開口部側に前記周面の周方向全域に亘って配置され、且つ、前記保持器と離間して配置される、
玉軸受。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
請求項1に記載の玉軸受であって、
前記保持器は、
前記玉の一部を前記開口部側に露出させた状態で前記ポケットに保持する、
玉軸受。
【請求項3】
請求項1に記載の玉軸受であって、
前記内輪と前記外輪との間には、前記複数の玉が転動可能な軌道が画成され、
前記保持器の開口端は、前記軌道内に位置し、
前記グリースは、前記軌道外に位置する、
玉軸受。
【請求項4】
請求項1に記載の玉軸受であって、
前記グリースは、前記回転輪と離間して配置される、
玉軸受。
【請求項5】
いずれか一方が回転輪となり他方が非回転輪となる内輪及び外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配置された複数の玉と、
前記複数の玉をそれぞれ保持する各ポケットの軸方向一端に開口部を有する保持器と、
前記内輪と前記外輪との間を軸方向両端で塞ぐシールド板と、
前記内輪、前記外輪、前記玉、および前記シールド板で囲まれた空間に封入されるグリースと、
を備えた玉軸受におけるグリースの塗布方法であって、
前記空間を構成する非回転輪の周面における前記保持器の前記開口部側において、前記グリースを前記玉と接触させ且つ前記保持器と離間させて、前記周面の周方向全域に亘って塗布する工程を含む、
玉軸受におけるグリースの塗布方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、玉軸受、及び、玉軸受におけるグリースの塗布方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、いずれか一方が回転輪となり他方が非回転輪となる内輪および外輪と、内輪と外輪の間に転動自在に配置された複数の玉とを有する玉軸受が提案されている。従来の玉軸受の一つとして、グリースが封入されて使用される玉軸受(いわゆるグリース封入玉軸受)があり、例えば内輪と外輪との間を軸方向両端で塞ぐシールド板を有するものがある。
【0003】
特許文献1には、内輪、外輪、玉、およびシールド板で囲まれた空間にグリースが封入された玉軸受が記載されており、グリースが非回転輪の周面(外輪の溝肩内周面)に周方向全域に亘って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-129872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、グリースが初期封入された従来の玉軸受は、直接運転すると、グリースの攪拌抵抗の影響により回転トルクが大きくなることもあるため、通常、慣らし運転等を実施することで回転トルクを低減させている。一方、玉軸受には、慣らし運転時間を短縮あるいは慣らし運転なしで回転トルクを低減させることが要求されており、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点に着目してなされたものであり、慣らし運転をしなくても慣らし運転後と同様に、低トルクを実現できる玉軸受、及び、玉軸受におけるグリースの塗布方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の上記目的は、玉軸受に係る下記(1)~(5)の構成により達成される。
(1)
いずれか一方が回転輪となり他方が非回転輪となる内輪及び外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配置された複数の玉と、
前記複数の玉をそれぞれ保持する各ポケットの軸方向一端に開口部を有する保持器と、
前記内輪と前記外輪との間を軸方向両端で塞ぐシールド板と、
前記内輪、前記外輪、前記玉、および前記シールド板で囲まれた空間に封入されたグリースと、
を備えた玉軸受であって、
前記グリースは、
前記玉と接触するように配置され、且つ、前記空間を構成する非回転輪の周面における前記保持器の前記開口部側に前記周面の周方向全域に亘って配置され、且つ、前記保持器と離間して配置される、
玉軸受。
(2)
上記(1)に記載の玉軸受であって、
前記保持器は、
前記玉の一部を前記開口部側に露出させた状態で前記ポケットに保持する、
玉軸受。
(3)
上記(1)又は上記(2)に記載の玉軸受であって、
前記内輪と前記外輪との間には、前記複数の玉が転動可能な軌道が画成され、
前記保持器の開口端は、前記軌道内に位置し、
前記グリースは、前記軌道外に位置する、
玉軸受。
(4)
上記(1)から上記(3)の何れか一つに記載の玉軸受であって、
前記グリースは、前記回転輪と離間して配置される、
玉軸受。
(5)
いずれか一方が回転輪となり他方が非回転輪となる内輪及び外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に転動自在に配置された複数の玉と、
前記複数の玉をそれぞれ保持する各ポケットの軸方向一端に開口部を有する保持器と、
前記内輪と前記外輪との間を軸方向両端で塞ぐシールド板と、
前記内輪、前記外輪、前記玉、および前記シールド板で囲まれた空間に封入されるグリースと、
を備えた玉軸受におけるグリースの塗布方法であって、
前記空間を構成する非回転輪の周面における前記保持器の前記開口部側において、前記グリースを前記玉と接触させ且つ前記保持器と離間させて、前記周面の周方向全域に亘って塗布する工程を含む、
玉軸受におけるグリースの塗布方法。
【発明の効果】
【0008】
上記(1)及び上記(5)の構成によれば、例えば初期封入状態において、グリースが、玉と接触するように配置され、且つ、上記空間を構成する非回転輪の周面における保持器の開口部側に周方向全域に亘って配置され、且つ、保持器と離間して配置される。これにより、上記構成は、グリースが玉と接触していない場合と比べて、玉の転動が円滑になるとともに、グリースが保持器と離間していない(接触している)場合と比べて、グリースが潰されにくい。これにより、グリースに含まれる増ちょう剤が内輪と外輪との間に画成される軌道内に入る量が低減されるため、回転トルクの上昇が抑制される。
即ち、上記構成によれば、グリースが保持器と離間しつつ玉と接触することで、グリースの基油が排出され、増ちょう剤の影響が低減された状態で玉の転動を円滑にできる。
このように、上記構成によれば、回転トルクが上昇する要因が解消されているため、慣らし運転をしなくても慣らし運転後と同様に、低トルクを実現できる。
【0009】
上記(2)の構成によれば、保持器が、玉の一部を軸方向一端側に露出させた状態でポケットに保持することで、グリースと玉との接触状態、及び、グリースと保持器との離間状態が、適正に維持される。
【0010】
上記(3)の構成によれば、保持器の開口端が軌道内に位置するとともに、グリースが軌道外に位置することで、グリースと保持器との離間状態がより適正に維持される。
(【0011】以降は省略されています)

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