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公開番号2025098383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-02
出願番号2023214479
出願日2023-12-20
発明の名称差動装置
出願人日本精工株式会社
代理人弁理士法人貴和特許事務所
主分類F16H 57/04 20100101AFI20250625BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】入力部材の回転が停止した場合にも、入力部材に対してケース部材を回転可能に支持する転がり軸受、および、ワンウェイクラッチの潤滑状態を全周にわたって良好に維持しやすい差動装置を提供する。
【解決手段】差動装置1は、入力部材8と、ケース部材9と、入力部材8がケース部材9に対して正転方向に相対回転しようとする場合にのみ、入力部材8とケース部材9との間でトルクを伝達するワンウェイクラッチ10と、少なくとも1個の転がり軸受33a、33b、38a、38bと、少なくとも1個のピニオンギヤ11と、1対のサイドギヤ12とを備える。ワンウェイクラッチ10を構成する内輪部材48は、軸方向に関して転がり軸受33a、33b、38a、38bに近い側の側面の周方向の少なくとも1箇所に、掻き上げ溝52を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
トルク入力部を有する入力部材と、
前記入力部材の径方向内側において、該入力部材と同軸に、かつ、該入力部材に対する相対回転を可能に配置されたケース部材と、
前記入力部材の内周面に直接または他の部材を介して形成された外径側係合面と、前記ケース部材に結合固定された内輪部材の外周面に形成された内径側係合面と、前記外径側係合面と前記内径側係合面との間に配置された係合子とを有し、前記入力部材が前記ケース部材に対して正転方向に相対回転しようとする場合にのみ、前記係合子が前記外径側係合面および前記内径側係合面に噛み合うことに基づいて、前記入力部材と前記ケース部材との間でトルクを伝達するワンウェイクラッチと、
前記入力部材と前記ケース部材との間部分のうち、前記内輪部材から軸方向に外れた部分に配置され、かつ、前記内輪部材の内径よりも小さい外径を有する少なくとも1個の転がり軸受と、
前記ケース部材の中心軸に直交する軸を中心とする回転を可能に、前記ケース部材に対し支持された少なくとも1個のピニオンギヤと、
前記入力部材の中心軸と同軸に、前記入力部材および前記ケース部材に対する相対回転を可能に支持され、かつ、前記ピニオンギヤと噛合する1対のサイドギヤと、
を備え、
前記内輪部材は、軸方向に関して前記転がり軸受に近い側の側面の周方向の少なくとも1箇所に、掻き上げ溝を有する、
差動装置。
続きを表示(約 410 文字)【請求項2】
前記少なくとも1個の転がり軸受は、スラスト転がり軸受と、軸方向に関して前記スラスト転がり軸受よりも前記内輪部材から遠い側で、かつ、前記スラスト転がり軸受よりも径方向内側に配置されたラジアル転がり軸受とを備え、
前記スラスト転がり軸受は、少なくとも1個のスラストレースと、複数個の転動体とを有し、
前記少なくとも1個のスラストレースは、外周面の周方向複数箇所に備えられた切り欠きと、軸方向両側の側面のうちの一方の側面に備えられ、かつ、前記複数個の転動体の転動面と転がり接触するスラスト軌道面と、軸方向両側の側面のうちの他方の側面であって、前記入力部材または前記ケース部材の内面に対向する側面のうち、周方向に関して前記切り欠きと同位相となる複数箇所に、該側面を径方向に横切り、かつ、径方向外側の端部が前記切り欠きに開口するように備えられた油溝とを有する、
請求項1に記載の差動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動源の動力を、1対の車輪に分配するための差動装置に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
自動車用駆動装置では、エンジンや駆動モータなどの駆動源のトルクは、トランスミッションを含む減速機構やプロペラシャフトなどの動力伝達機構を介して差動装置(デファレンシャルギヤ)に伝達され、前記差動装置によって、1対の車輪に分配される。
【0003】
上述のような自動車用駆動装置は、燃費性能または電費性能を向上させる面からは、改良の余地がある。すなわち、前記自動車用駆動装置を搭載する車両の走行中にアクセルをオフし、惰性走行しようとすると、減速機構の噛み合い部や駆動源などで損失が生じるため、惰性走行による走行距離が短くなってしまう可能性がある。
【0004】
国際公開第2022/215449号には、動力伝達機構からのトルクが入力されるトルク入力部を有する入力部材と、互いに噛合するピニオンギヤおよび1対のサイドギヤを回転可能に支持するケース部材と、入力部材とケース部材との間に配置され、入力部材がケース部材に対して正転方向に相対回転しようとする場合にのみ、入力部材とケース部材との間でトルクを伝達するワンウェイクラッチとを備える、差動装置が記載されている。なお、正転方向とは、車両を前進させるべく、駆動源から車輪にトルクを伝達する場合の、前記ケース部材に対する前記入力部材の回転方向をいう。
【0005】
国際公開第2022/215449号に記載の差動装置によれば、前進走行中の車両が非惰性走行状態から惰性走行状態に切り換わる、すなわち、入力部材の正転方向への回転速度が低下し、ケース部材の正転方向への回転速度よりも遅くなることで、入力部材がケース部材に対して逆転方向に相対回転すると、ワンウェイクラッチが接続状態から切断状態に切り換わって、ケース部材が入力部材に対して空転可能になる。要するに、車輪が動力伝達機構および駆動源から切り離される。この結果、惰性走行による走行距離を長くすることができ、車両の燃費性能または電費性能を向上させることができる。
【0006】
また、国際公開第2022/215449号には、差動装置に組み込まれるワンウェイクラッチの構造として、入力部材側の外径側係合面と、ケース部材側の内径側係合面と、外径側係合面と内径側係合面との間に配置された係合子とを備えた構造が記載されている。このようなワンウェイクラッチでは、入力部材(外径側係合面)がケース部材(内径側係合面)に対して正転方向に相対回転しようとすると、係合子が外径側係合面および内径側係合面のそれぞれに対して噛み合うことで接続状態となるのに対し、入力部材(外径側係合面)がケース部材(内径側係合面)に対して逆転方向に相対回転しようとすると、外径側係合面および内径側係合面のそれぞれに対する係合子の噛み合いが外れることで切断状態となる。
【0007】
また、国際公開第2022/215449号には、上記構造のワンウェイクラッチに関して、外周面に内径側係合面を有する内輪部材をさらに備え、該内輪部材がケース部材に外嵌固定された構造が記載されている。
【0008】
さらに、国際公開第2022/215449号には、入力部材の径方向内側にケース部材を回転可能に支持するための軸受として、2個のスラストニードル軸受および2個のラジアルニードル軸受を備えた構造が記載されている。
【0009】
2個のスラストニードル軸受は、入力部材とケース部材との間部分のうち、軸方向に関して内輪部材の両側に位置する部分に配置され、かつ、それぞれの外径が内輪部材の内径よりも小さい。
【0010】
2個のラジアルニードル軸受のうちの一方のラジアルニードル軸受は、入力部材とケース部材との間部分のうち、2個のスラストニードル軸受のうちの軸方向一方側のスラストニードル軸受よりも軸方向一方側に配置され、かつ、軸方向一方側のスラストニードル軸受の外径よりも小さい外径を有する。
(【0011】以降は省略されています)

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