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公開番号2024158000
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072746
出願日2023-04-26
発明の名称密封型転がり軸受
出願人日本精工株式会社
代理人
主分類F16C 33/78 20060101AFI20241031BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】シール部材の組付容易性と密封性を維持しながら、シール部材の連れ回りを防止する。
【解決手段】内輪1および外輪2と、これら内輪1と外輪2の間に転動自在に配置された複数の転動体3と、外輪2に形成されたシール嵌合溝5に外周部7aが嵌め込まれることで固定され、内輪1に形成されたシール溝6の内壁に、内周部に形成されたシールリップ7bを摺接させることで、内輪1と外輪2の間をシールするシール部材7と、を備える密封型転がり軸受において、シール部材7のシール部材嵌合部7aに、周方向みぞが設けられている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内輪および外輪と、これら内輪と外輪の間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記外輪または内輪に形成されたシール嵌合溝にシール部材嵌合部が嵌め込まれて前記内輪と外輪の間をシールするシール部材と、を備える密封型転がり軸受において、
前記シール部材の前記シール部材嵌合部に、少なくとも一つの周方向みぞが設けられていることを特徴とする密封型転がり軸受。
続きを表示(約 160 文字)【請求項2】
前記周方向みぞが前記シール部材の前記シール部材嵌合部の軸受内側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密封型転がり軸受。
【請求項3】
前記周方向みぞが前記シール部材の前記シール部材嵌合部の軸受外側面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密封型転がり軸受。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のエンジン補機用、例えばアイドラプーリ用あるいはコンプレッサ
プーリ用などに使用され、軸受内部から外部への潤滑剤の漏れ防止と軸受外部から内部へ
の水・泥・塵埃の侵入防止を図った密封型転がり軸受に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
図5(a)は従来の密封型転がり軸受のシール部材の断面図、図5(b)は従来の密封型転がり軸受のシール部材を取り付けた部分の部分断面図、図8、9は特許文献1に記載された従来の密封型転がり軸受におけるシール部材を取り付けた部分の部分断面図である。
【0003】
図5(b)に示すように、密封型転がり軸受は、外輪2のシール嵌合溝5の内壁におけるシール部材7との当たり面5aが円周方向にフラットな面で構成されており、外輪2のシール嵌合溝5の内部に、シール部材7の嵌合部7aを、その部分のゴム9を弾性変形させつつ嵌め込むことで、シール部材7のゴム9と外輪2の間の摩擦により、シール部材7を離脱しないように、また、連れ回りしないように、外輪2に固定している。
ところで、外輪のシール嵌合溝5の当たり面5aや、部材7の嵌合部である嵌合部7aの寸法のばらつきに対して嵌合力のロバスト性が低く、図6(a)に示すように外輪のシール嵌合溝5との締め代が小さい場合には、図7に示すように嵌合力が低下し、嵌合部が連れ回ってしまう可能性がある。図6(b)に示すようにシール嵌合溝5との締め代が大きい場合には、組み込み時に過大な力が発生し、図6(c)に示す変形模式図ようにシール部材7が変形してしまい、シールリップ7bの密封性が低下する可能性がある。
【0004】
上述の連れ回りの問題を解決するため、特許文献1に記載の密封型転がり軸受は、図8に示すように前記シール嵌合溝5の内壁の円周方向の少なくとも1箇所に凹部5bを設け、外輪2に形成したシール嵌合溝5にシール部材7の嵌合部7aを弾性変形させつつ嵌め込んだ際に、シール部材7の嵌合部7aが凹部5bに弾性変形して係合部を形成することや、図9に示すように凹部5bに嵌まる凸部9aがシール部材側に設けられて、凹部5bと凸部9aの係合することにより、更なるシール部材7の連れ回り抑制効果を得ることができることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-281547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、外輪2に設けた凹部5bにシール部材7の嵌合部7aが噛み合うことで連れ周りを防止する構造であるため、外輪2に凹部5bを加工するには、旋盤で加工できる軌道面2aなどと違う工程が必要であり、コストが上昇する可能性がある。また、外輪2の凹部5bとシール部材7の凸部9aの位置を合わせる必要が生じ、設備の追加やサイクルタイムの増加などコストが上昇する可能性がある。加えて、外輪2のシール嵌合溝5や、シール部材7の嵌合部である嵌合部7aの寸法のばらつきに対して嵌合力のロバスト性が低く、シール嵌合溝5との締め代が大きい場合には、組み込み時に過大な力が発生しシール部材7が変形してしまう可能性がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、シール部材7の組付容易性と密封性を維持しつつ、コストの上昇を抑えながら、シール部材7の連れ回り防止を図れるようにした密封型転がり軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る密封型転がり軸受は、下記を特徴としている。
内輪および外輪と、これら内輪と外輪の間に転動自在に配置された複数の転動体と、前記外輪に形成されたシール嵌合溝に嵌合部が嵌め込まれて前記内輪と外輪の間をシールするシール部材と、を備える密封型転がり軸受において、
前記シール部材のシール溝と嵌合するシール嵌合部の周方向にみぞ(凹凸)を設けている。
【0009】
上記の構成の密封型転がり軸受によれば、シール溝と嵌合するシールの嵌合部の周方向にみぞ(凹凸)を設けているため、外輪に形成したシール嵌合溝にシール部材の嵌合部を弾性変形させつつ嵌め込んだ際に、シールの嵌合部のコンプライアンスが高く、図7に示すように外輪シール溝やシールの寸法ばらつきに対して嵌合力のロバスト性が高く、従来よりも締め代を大きく設定することが可能であり、シールの連れ周り防止と、シールの変形防止を両立できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明考案は、シール溝と嵌合するシールの嵌合部に周方向にみぞ(凹凸)を設けているためシールの嵌合部のコンプライアンスが高く、外輪シール溝やシールの寸法ばらつきに対して嵌合力のロバスト性が高く、従来よりも締め代を大きく設定することが可能であり、シールの連れ周り防止と、シールの変形防止を両立できる。
また、外輪に新たな加工を施すことなく、シール部材の周方向にみぞ(凹凸)を設ける構造を採用しており、外輪への追加の加工やシール部材の位置合わせが不要であることから、コストも抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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