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公開番号2024152142
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066139
出願日2023-04-14
発明の名称バタフライバルブ
出願人株式会社キッツ
代理人個人
主分類F16K 1/22 20060101AFI20241018BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】特に、微少流量時において流体が弁体を通過するときに効率的に流体を滞留させることで流速を低減し、耐キャビテーション性能を飛躍的に向上しつつ、微少流量の調整を容易におこなうことができるバタフライバルブを提供する。
【解決手段】流体の流路となる筒状ボデー2のシートリング5内に円板状の弁体4をステム軸3を通して回転させて流路を開閉する。弁体は一対の弁翼シール部20からなり、オリフィス側の弁翼シール部には流れ方向の二次側の面に沿って弁翼整流部23が設けられる。弁翼シール部と弁翼整流部との間にスリット状の圧力室Rを設け、オリフィス側の弁翼整流部には圧力室内と弁翼整流部の二次側との連通部24を貫通させると共に、圧力室内の弁翼シール部と弁翼整流部との対向面20a、23aを平行状態に形成して圧力室内を平行滞留領域とし、この平行滞留領域に流体を滞留させ連通部より流出させて流速を抑制するようにした。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
流体の流路となる筒状ボデーのシートリング内に円板状の弁体をステム軸を通して回転させて前記流路を開閉するバタフライバルブであって、前記弁体は、前記ステム軸を中心に設けた一対の弁翼シール部からなり、オリフィス側の前記弁翼シール部には、当該シール部の流れ方向の二次側の面に沿って弁翼整流部が設けられ、前記弁翼シール部と前記弁翼整流部との間にスリット状の圧力室を設け、オリフィス側の前記弁翼整流部には、前記圧力室内と前記弁翼整流部の二次側とを連通させる連通部を貫通させると共に、前記圧力室内の前記弁翼シール部と前記弁翼整流部との対向面を平行状態に形成して当該圧力室内を平行滞留領域とし、この平行滞留領域に流体を滞留させ前記連通部より流出させることにより流速を抑制するようにしたことを特徴とするバタフライバルブ。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記弁翼シール部の外径よりも前記弁翼整流部の外径を小径とした請求項1に記載のバタフライバルブ。
【請求項3】
前記弁翼シール部の弁開直後の超微開状態では、前記弁体の二次側から前記連通部を通った流体が、前記圧力室内に引き込まれ、前記圧力室内の低圧状態を回復させるように構成した請求項1又は2に記載のバタフライバルブ。
【請求項4】
オリフィス側の前記弁翼整流部の外端から下流側に向けて球面状の翼状片を形成し、ノズル側の前記弁翼シール部の外端から上流側に向けて球面状の翼状片を形成した請求項1又は2に記載のバタフライバルブ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タイトシャット機能を有し、特に、大口径化した場合にも、微少流量の調整を可能としながら耐キャビテーション性能を発揮し、かつエロージョンの発生を防止しつつ、高レンジアビリティに顕著な効果を有するバタフライバルブに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
この種のバタフライバルブは、特に、微少流量時において、弁体外周側のシール部である弁翼端部を通った流体を整流化し、二次側への急激な流速の増大を防いでキャビテーションの発生を防止し、振動や騒音も抑制することが要求されている。
これに加えて、弁体の閉止時には、タイトシャットにより流体漏れを確実に防ぎつつ、弁閉時から開度制御をおこなうときには、微少流量を中心として、全開時に至るまで正確に流量制御できる高レンジアビリティの流量制御が求められる。
【0003】
このようなバタフライバルブとして、本出願人は、例えば、特許文献1のバタフライバルブを提案している。このバタフライバルブでは、弁体のオリフィス側とノズル側の外周縁にタイトシャット用の弁閉止部を形成し、オリフィス側の弁閉止部の下流側、ノズル側の弁閉止部の上流側に向けて、押圧弁部をそれぞれ形成している。そして、これらのうち、オリフィス側の弁閉止部を、ノズル側の弁閉止部に対して一次側に傾斜させつつ、オリフィス側の押圧弁部と弁閉止部の間に空隙部を形成し、この空隙部内から下流側に向けて連通する貫通部を押圧弁部に形成している。これにより、弁体を微小開度に回転したときに、オリフィス側において、空隙部から貫通部を通して流体が流れるようにすることで、流速を低減させてキャビテーションを抑制しつつ、高レンジアビリティを発揮できるようになっている。
【0004】
一方、特許文献2のバタフライバルブの弁体(ディスク)には、このディスク上に配置された密閉表面を有する第1のベーンと、この第1のベーンに対して配置された無孔の第2のベーンとを備え、これら第1のベーンと第2のベーンとは、ディスク周囲に沿って形成された溝により、互いにオフセットされた状態で設けられている。この場合、第1のベーンと第2のベーンとは、互いに平行に設けられ、これにより、ディスク外周の溝の対向面も平行に設けられている。このような構造により、このバタフライバルブは、ベーン間の溝に流体を案内し、これにより急激な噴射によるキャビテーションを抑えようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
WO2002-68846号公報
特表2005-515375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前者の特許文献1のバタフライバルブの場合、オリフィス側の弁閉止部をノズル側の弁閉止部に対して一次側に傾斜させていることから、オリフィス側において、弁閉止部が下流側の弁圧押部に対しても傾斜し、これら弁閉止部と弁圧押部との対向面が、互いに傾斜した状態で、これらの間に空隙部が設けられている。そのため、空隙部が、奥部側に徐々に狭まったテーパ形状となり、その奥細形状により空隙部の容積が小さく抑えられることになる。これに対して、特に、バルブを大口径化した場合にも、空隙部の容積を大きく確保し、より多くの流体を空隙部に滞留させることで、微開時に貫通部を通して流体が流れるときに、流速を低減する性能をさらに向上することが要望されている。これに加えて、微開時には、上流側からの流体が空隙部の奥部側に対して傾斜方向から流れ込むために、垂直方向から流れ込む場合に比較して、流速の低減効果が低下しやすくなる。これらに対し、空隙部の形状の改善を図り、これにより貫通部を通して流速を低減し、耐キャビテーション性能を一層向上できるバタフライバルブが求められている。
【0007】
一方、後者の特許文献2の場合には、第1のベーンと第2のベーンとが互いに平行に設けられ、これらの間の溝の対向面が平行に設けられている。しかし、第2のベーンには、下流側と連通する貫通部等が設けられておらず、弁開時に溝に流れ込んだ流体は、この溝から再度あふれるようにして下流側に流れ出るようになっている。このように、特許文献2のバタフライバルブの弁体は、特許文献1の構造とは異なり、溝(空隙部)に流れ込んだ流体を、この空隙部から貫通部を通して第2のベーン(押圧弁部)より流すことで、効果的にキャビテーションを抑制するようにしたものではない。
【0008】
上記のことから、本出願人は、大口径化する場合にも、微少流量時における流速の低減性能を向上して流体の勢いを減じるようにし、耐キャビテーション性能を高めつつ、微少流量の調整を可能としたバタフライバルブを開発するに至った。
【0009】
本発明は、従来の課題を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、特に、微少流量時において流体が弁体を通過するときに効率的に流体を滞留させることで流速を低減し、耐キャビテーション性能を飛躍的に向上しつつ、微少流量の調整を容易におこなうことができるバタフライバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、流体の流路となる筒状ボデーのシートリング内に円板状の弁体をステム軸を通して回転させて流路を開閉するバタフライバルブであって、弁体は、ステム軸を中心に設けた一対の弁翼シール部からなり、オリフィス側の弁翼シール部には、当該シール部の流れ方向の二次側の面に沿って弁翼整流部が設けられ、弁翼シール部と弁翼整流部との間にスリット状の圧力室を設け、オリフィス側の弁翼整流部には、圧力室内と弁翼整流部の二次側とを連通させる連通部を貫通させると共に、圧力室内の弁翼シール部と弁翼整流部との対向面を平行状態に形成して当該圧力室内を平行滞留領域とし、この平行滞留領域に流体を滞留させ連通部より流出させることにより流速を抑制するようにしたバタフライバルブである。
(【0011】以降は省略されています)

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