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公開番号2024175264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-18
出願番号2023092907
出願日2023-06-06
発明の名称回転負荷装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B62D 1/16 20060101AFI20241211BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】回転軸が中立位置に復帰する動作の信頼性に優れた回転負荷装置を提供する。
【解決手段】カム溝29は、鋼球17が弾性部材19の付勢力でカム溝29の内面と軸方向溝28の内面とに押し付けられた状態でのカム溝29の内面と鋼球17との接点における接線方向と、軸方向溝28の延在方向とのなすくさび角θが50°以上90°以下となる断面形状を有する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項1】
外周にカム溝(29)をもつ回転軸(15)と、
内周に軸方向溝(28)をもつ外輪(16)と、
前記カム溝(29)と前記軸方向溝(28)の両方に転がり接触するように前記回転軸(15)と前記外輪(16)の間に組み込まれた鋼球(17)と、
前記鋼球(17)を保持する保持器(18)と、
前記保持器(18)を軸方向に付勢する弾性部材(19)と、を有し、
前記カム溝(29)は、カム溝(29)の周方向中央から周方向の両側のいずれに向かっても軸方向の一方側に変位するように傾斜して延びるV字状に設けられ、
前記弾性部材(19)は、前記保持器(18)を軸方向の他方側に付勢するように設けられ、
前記カム溝(29)の周方向に対して軸方向に傾斜して延びる部分は、カム溝(29)の延在方向に直交する断面で見て、前記鋼球(17)が前記弾性部材(19)の付勢力で前記カム溝(29)の内面と前記軸方向溝(28)の内面とに押し付けられた状態での前記カム溝(29)の内面と前記鋼球(17)との接点における接線方向と、前記軸方向溝(28)の延在方向とのなすくさび角(θ)が50°以上90°以下となる断面形状を有し、
前記回転軸(15)を中立位置から回転させたときに、前記鋼球(17)が前記カム溝(29)の内面を軸方向に押圧する力の周方向分力で前記回転軸(15)を前記中立位置に復帰させる方向の回転反力を発生する回転負荷装置。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記カム溝(29)の周方向に対して軸方向に傾斜して延びる部分の周方向に対する傾斜角度が、25°未満に設定されている請求項1に記載の回転負荷装置。
【請求項3】
前記鋼球(17)は、周方向位置を互いに異ならせて複数設けられ、
前記カム溝(29)は、前記複数の鋼球(17)に対応して複数設けられ、
前記軸方向溝(28)も、前記複数の鋼球(17)に対応して複数設けられている請求項1または2に記載の回転負荷装置。
【請求項4】
前記保持器(18)は、前記回転軸(15)の外周と前記外輪(16)の内周との間に軸方向に移動可能に挿入された筒状の部材であり、
前記保持器(18)に径方向に貫通して形成された保持穴(30)に前記鋼球(17)が収容されている請求項1または2に記載の回転負荷装置。
【請求項5】
前記カム溝(29)の周方向に対して軸方向に傾斜して延びる部分は、カム溝(29)の延在方向に直交する断面で見て、カム溝(29)の溝底から前記軸方向の他方側に50°以上90°以下の立ち上がり角度で立ち上がる断面直線状の内側面(42)を有する請求項1または2に記載の回転負荷装置。
【請求項6】
前記カム溝(29)の断面形状は、三角形状、台形状、矩形状のいずれかである請求項5に記載の回転負荷装置。
【請求項7】
前記外輪(16)を回り止めして収容するハウジング(14)を更に有し、
前記ハウジング(14)に、360°未満の角度範囲で周方向に延びるストッパ溝(31)が設けられ、前記回転軸(15)に、前記ストッパ溝(31)内に位置するストッパ突起(32)が設けられ、
前記回転軸(15)が回転したときに、前記鋼球(17)が前記カム溝(29)の周方向端部に当接するよりも前に、前記ストッパ突起(32)が前記ストッパ溝(31)の周方向端部に当接することで、前記回転軸(15)の回転可能範囲を規制する請求項1または2に記載の回転負荷装置。
【請求項8】
前記回転軸(15)の回転角度を検知する回転角センサ(12)が設けられている請求項1または2に記載の回転負荷装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、回転反力を発生する回転負荷装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールに操舵反力を付与する用途に使用される回転負荷装置として、特許文献1のものが知られている。特許文献1の回転負荷装置は、ステアリングホイールに接続するステアリングシャフトと一体に回転する円筒状のドラムと、そのドラムの外周に摩擦接触する帯状部材と、その帯状部材の張力を調整するコイルばねとを有し、運転者がステアリングホイールを回転操作すると、ドラムと帯状部材の間の摩擦抵抗によって回転反力を発生するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4853412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように、ドラムと帯状部材の間の摩擦抵抗によって回転反力を発生するようにした場合、常にステアリングホイールの回転方向と逆向きの一定の大きさの回転反力(回転抵抗)が発生するので、ステアリングホイールを中立位置(車両が直進するときのステアリングホイールの位置)から回転させる操作をするときも、その後、ステアリングホイールを中立位置に戻す操作をするときも、ステアリングホイールの回転方向とは逆向きの同じ大きさの回転反力が発生することとなる。
【0005】
しかしながら、ステアリングホイールを中立位置に戻す操作をするときに、ステアリングホイールを中立位置から回転させる操作をするときと同じ大きさの回転反力が発生するのでは、運転者によるステアリングホイールの操舵フィーリングが重たいものとなってしまう。
【0006】
そこで、本願の発明者らは、運転者によるステアリングホイールの操舵フィーリングを向上させるため、以下の構成の回転負荷装置を社内において発案した。
外周にカム溝をもつ回転軸と、
内周に軸方向溝をもつ外輪と、
前記カム溝と前記軸方向溝の両方に転がり接触するように前記回転軸と前記外輪の間に組み込まれた鋼球と、
前記鋼球を保持する保持器と、
前記保持器を軸方向に付勢する弾性部材と、を有し、
前記カム溝は、カム溝の周方向中央から周方向の両側のいずれに向かっても軸方向の一方側に変位するように傾斜して延びるV字状に設けられ、
前記弾性部材は、前記保持器を軸方向の他方側に付勢するように設けられ、
前記回転軸を中立位置から回転させたときに、前記鋼球が前記カム溝の内面を軸方向に押圧する力の周方向分力で前記回転軸を前記中立位置に復帰させる方向の回転反力を発生する回転負荷装置。
【0007】
この構成の回転負荷装置は、回転軸を中立位置から回転させたときに、弾性部材の付勢力によって回転軸を中立位置に復帰させる方向の回転反力が発生する。そのため、この回転負荷装置をステアリングホイールに使用すると、ステアリングホイールを中立位置に戻す操作をするときの操舵フィーリングが軽いものとなり、ステアリングホイールの操舵フィーリングを向上させることが可能となる。
【0008】
さらに、発明者は、上記構成の回転負荷装置の試作評価を行なった。その結果、回転軸を中立位置から回転させた後、その回転軸を自由に回転可能なフリー状態とし、回転負荷装置が発生する回転反力で回転軸を中立位置に復帰させようとしたときに、鋼球の噛み込みによって回転軸の回転が阻害されるおそれがあることが分かった。
【0009】
すなわち、上記構成の回転負荷装置において、回転軸を中立位置から回転させた後、その回転軸を自由に回転可能なフリー状態としたとき、弾性部材が保持器を介して鋼球を軸方向に付勢し、その鋼球がカム溝の内面を軸方向に押圧し、カム溝の内面が鋼球から受ける力の周方向分力で回転軸を中立位置に復帰させる方向の回転反力が発生する。そして、その回転反力によって回転軸が回転し始めると、鋼球はカム溝に沿って転がり始める。この動作において、鋼球は、まず最初に、弾性部材の付勢力で軸方向に押し動かされるが、鋼球が押し動かされる方向(軸方向)とカム溝の延在方向とが異なるので、カム溝の延在方向に直交する断面で見て、カム溝と軸方向溝とで形成されるくさび角に鋼球が噛み込み、その鋼球の噛み込みによって回転軸の回転が阻害されるおそれがあることが分かった。
【0010】
この発明が解決しようとする課題は、回転軸が中立位置に復帰する動作の信頼性に優れ、ステアリングホイールに操舵反力を付与する用途に好適な回転負荷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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