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公開番号2024172335
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089988
出願日2023-05-31
発明の名称チップソー
出願人株式会社津根ワグナー・カーバイト
代理人個人
主分類B23D 61/06 20060101AFI20241205BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】正回転と逆回転の両方でワークを切断することができ、切削用チップで成る刃先のメンテナンスも容易なチップソーを提供する。
【解決手段】回転中心Pkを軸に正回転及び逆回転させて使用される鋸板12と、鋸板12の外周縁部に間隔を空けて着脱可能に取り付けられた複数の歯部材14(1)とを備える。歯部材14(1)は、本体部16(1)と、本体部16(1)の先端側の両角部に一対に配設された第一及び第二の刃先18(1),20(1)とを有する。第一及び第二の刃先18(1),20(1)は、切削用チップにより形成される。歯部材14(1)は、鋸板26に取り付けられた状態で、第一及び第二の刃先18(1),20(1)が鋸板12の外側に突出し、第一の刃先18(1)が鋸板12の正回転方向側に配され、第二の刃先20(1)が鋸板12の逆回転方向側に配される。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
一定の形状安定性を有した硬質部材の切断に使用されるチップソーにおいて、
回転中心を軸に正回転及び逆回転させて使用される鋸板と、前記鋸板の外周縁部に間隔を空けて着脱可能に取り付けられた複数の歯部材とを備え、
前記歯部材は、本体部と、前記本体部の先端側の両角部に一対に配設された第一及び第二の刃先とを有し、前記第一及び第二の刃先は切削用チップにより形成されており、前記鋸板に取り付けられた状態で、前記第一及び第二の刃先が前記鋸板の外側に突出するとともに、前記第一の刃先が前記鋸板の正回転方向側に配され、前記第二の刃先が前記鋸板の逆回転方向側に配されることを特徴とするチップソー。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
複数の前記歯部材は、前記鋸板の表面側に取り付けられたもの、及び裏面側に取り付けられたものが、前記外周縁部の周方向に交互に配置される請求項1記載のチップソー。
【請求項3】
複数の前記歯部材は、前記本体部の、前記第一及び第二の刃先から離れた部位を前記鋸板にネジ締結することによって前記鋸板に取り付けられる請求項1又は2記載のチップソー。
【請求項4】
複数の前記歯部材は、前記鋸板に取り付けられた状態で、所定の支持機構によって各々支持されており、
前記支持機構は、前記本体部を前記鋸板の回転方向に揺動可能に軸支し、前記本体部を、逆回転方向側に傾いた一定の位置である第一の位置と、正回転方向側に傾いた一定の位置である第二の位置との間を移動可能にするものであり、
前記鋸板を正回転させてワークを切断している時、前記歯部材は、切削抵抗が作用することによって前記第一の位置に配置され、前記回転中心から最も離間する部位が前記第一の刃先となり、前記鋸板が逆回転させてワークを切断している時、前記歯部材は、切削抵抗が作用することによって前記第二の位置に配置され、前記回転中心から最も離間する部位が前記第二の刃先となる請求項1又は2記載のチップソー。
【請求項5】
前記支持機構は、前記鋸板の外周縁部を厚み方向に貫通する軸孔と、前記軸孔内に配置可能な太さで、前記軸孔内に配置された時に自己の両端部が外向きに突出する長さに形成された軸部材と、前記歯部材の前記本体部の一側面に形成された第一の凹部と、前記本体部を、前記第一凹部の凹み方向に貫通する第一のネジ穴と、補助固定板と、ネジ部材とで構成され、
前記補助固定板は、前記補助固定板の一側面に形成された第二の凹部と、前記補助固定板を、前記第二の凹部の凹み方向に貫通する第二のネジ穴とを有し、
組み立てた状態で、前記鋸板の2つの側面に前記本体部及び前記補助固定板が各々重なるように配置され、前記本体部及び補助固定板は、前記鋸板が重ならない位置で前記第一及び第二のネジ穴が連通し、中に前記ネジ部材を通すことによって相互に固定され、前記軸部材は、前記鋸板の前記軸孔内に配置され、前記軸孔の外に突出する両端部が前記第一の凹部と第二の凹部の内側に各々入り、前記本体部及び前記補助固定板によって回転可能に保持されて前記本体部の揺動中心となる請求項4記載のチップソー。
【請求項6】
前記第一の位置は、前記本体部が逆回転方向側に傾いた時に、前記本体部に又は補助固定板に又はその両方に跨るように形成された第一の係止面が前記鋸板の端面に係止される位置であり、
前記第二の位置は、前記本体部が正回転方向側に傾いた時に、前記本体部に又は補助固定板に又はその両方に跨るように形成された第二の係止面が前記鋸板の端面に係止される位置である請求項5記載のチップソー。
【請求項7】
前記歯部材及びこれを支持する前記支持機構は、前記鋸板に対して着脱可能な1つの構造体となり、前記支持機構の特定部位を前記鋸板にネジ締結することによって前記鋸板に取り付けられる請求項4記載のチップソー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属、硬質樹脂、硬質ゴム、木材等の一定の形状安定性を有した硬質部材の切断に使用されるチップソーに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、金属や木材等を切断するチップソーは、一方向の回転により切断対象物を切断するもので、鋸刃のチップは決められた回転方向で鋸板に固定されている。
【0003】
また、丸鋸であるチップソーの切削用チップは、一般的に鋸板の歯部にろう付けや溶接によって固定されている。しかし、切削用チップをろう付けしたり溶接したりすると、特定の切削用チップが摩耗又は欠損した時、その切削用チップを鋸板から取り外して交換したり研削したりすることが難しいという問題がある。そのため、従来、切削用チップを着脱可能にしたチップソーが提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されているチップソーは、切削用チップに所定の嵌合溝を形成し、この嵌合溝を鋸板(鋸歯板)の歯形部に差込嵌合する構造にして着脱可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-90180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されたチップソーやその他従来のチップソーは、回転方向が決められているため、切断作業においては、切断後の戻り工程が必要であり、加工のサイクルタイム短縮の妨げとなっていた。
【0007】
本発明は、上記背景技術に基づいて成されたものであり、正回転と逆回転の両方でワークを切断することができ、切削用チップで成る刃先のメンテナンスも容易なチップソーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一定の形状安定性を有した硬質部材の切断に使用されるチップソーであって、回転中心を軸に正回転及び逆回転させて使用される鋸板と、前記鋸板の外周縁部に間隔を空けて着脱可能に取り付けられた複数の歯部材とを備え、前記歯部材は、本体部と、前記本体部の先端側の両角部に一対に配設された第一及び第二の刃先とを有し、前記第一及び第二の刃先は切削用チップにより形成されており、前記鋸板に取り付けられた状態で、前記第一及び第二の刃先が前記鋸板の外側に突出するとともに、前記第一の刃先が前記鋸板の正回転方向側に配され、前記第二の刃先が前記鋸板の逆回転方向側に配されるチップソーである。複数の前記歯部材は、前記鋸板の表面側に取り付けられたもの、及び裏面側に取り付けられたものが、前記外周縁部の周方向に交互に配置される構成にすることが好ましい。
【0009】
複数の前記歯部材は、前記本体部の、前記第一及び第二の刃先から離れた部位を前記鋸板にネジ締結することによって前記鋸板に取り付けられる構成にすることが好ましい。
【0010】
また、複数の前記歯部材は、前記鋸板に取り付けられた状態で、所定の支持機構によって各々支持されており、前記支持機構は、前記本体部を前記鋸板の回転方向に揺動可能に軸支し、前記本体部を、逆回転方向側に傾いた一定の位置である第一の位置と、正回転方向側に傾いた一定の位置である第二の位置との間を移動可能にするものであり、前記鋸板を正回転させてワークを切断している時、前記歯部材は、切削抵抗が作用することによって前記第一の位置に配置され、前記回転中心から最も離間する部位が前記第一の刃先となり、前記鋸板が逆回転させてワークを切断している時、前記歯部材は、切削抵抗が作用することによって前記第二の位置に配置され、前記回転中心から最も離間する部位が前記第二の刃先となる構成にすることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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