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公開番号2024168598
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023085419
出願日2023-05-24
発明の名称車体の衝撃緩和構造
出願人豊田鉄工株式会社,トヨタ自動車株式会社
代理人弁理士法人岡田国際特許事務所
主分類B62D 25/20 20060101AFI20241128BHJP(鉄道以外の路面車両)
要約【課題】衝突時に車両の前輪を介して車体に伝達される衝撃を緩和する構造において、前輪を介して衝突荷重を受けて変形することにより前輪を車幅方向外側へ誘導する誘導面を形成する。それにより、衝突荷重を受けた前輪の移動方向が車幅方向にばらついても、衝突荷重を受けて変形して形成される誘導面により前輪を車幅方向外側へ誘導して、衝突時に必要な衝撃緩和性能を確保する。
【解決手段】車体側部の下端部に車両前後方向を長手方向として配置され、前輪の車両後方側に配置されたロッカ31と、ロッカ31の車両前方側に配置され、車両前方から入力される衝突荷重を受けて車両後方へ移動される前輪に押圧されて変形し、前輪の移動方向を車幅方向外側へ誘導する誘導面14aを形成される誘導装置10と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
四輪車の車体の衝撃緩和構造であって、
車体側部の下端部に車両前後方向を長手方向として配置され、前輪の車両後方側に配置されたロッカと、
該ロッカの車両前方側に配置され、車両前方から入力される衝突荷重を受けて車両後方へ移動される前輪に押圧されて変形し、前輪の移動方向を車幅方向外側へ誘導する誘導面を形成される誘導装置と、
を備える車体の衝撃緩和構造。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記誘導装置は、
衝突荷重を受けて車両前後方向に圧壊されることにより衝突エネルギを吸収するクラッシュボックスを備え、
該クラッシュボックスは、車幅方向内側部分に対して車幅方向外側部分の車両前後方向の圧壊強度が小さくされており、
前記クラッシュボックスの車両前側端面が前記誘導面とされている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記クラッシュボックスは、車幅方向内側と車幅方向外側にそれぞれ独立したエネルギ吸収部材を備え、車幅方向内側のエネルギ吸収部材に対して車幅方向外側のエネルギ吸収部材の車両前後方向の圧壊強度が小さくされている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項4】
請求項3において、
前記クラッシュボックスの車両前側端部を車体に支持する前側支持部材と、
前記クラッシュボックスの車両後側端部を車体に支持する後側支持部材と、
を備え、
前記前側支持部材及び前記後側支持部材は、車幅方向内側に向けて延長された延長部をそれぞれ備え、
前記前側支持部材の前記延長部は、車幅方向内側に向かうに従って前記後側支持部材の前記延長部に漸次接近するように直線的に傾斜されており、前記前側支持部材の前記延長部の車幅方向内側端部は前記後側支持部材の前記延長部に結合され、前記前側支持部材の前記延長部は、前記クラッシュボックスが車幅方向内側へ倒れないように支える構成を成しており、
前記前側支持部材の車両前側面が前記誘導面とされている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項5】
請求項3において、
前記車幅方向内側のエネルギ吸収部材に対して前記車幅方向外側のエネルギ吸収部材の車両前後方向の圧壊に伴う最大変形量が大きくされている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項6】
請求項3~5のいずれかにおいて、
各エネルギ吸収部材は、車幅方向の断面形状がU字形状の部材により形成され、各U字形状の開放側が互いに向かい合わせに組み合わされて接合されている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項7】
請求項1において、
前記誘導装置は、
車幅方向の大きさに対して車両前後方向の大きさを大きくされ、車両衝突時に前輪を介して車両前後方向に入力される衝突荷重に相当する所定の大きさの衝突荷重を受けても圧壊されない強度を備えた柱体と、
該柱体の車両前側端部を車体に支持する前側支持部材と、
前記柱体の車両後側端部を車体に支持する後側支持部材と、
を備え、
前記前側支持部材及び前記後側支持部材は、車幅方向内側に向けて延長された延長部をそれぞれ備え、
前記前側支持部材の前記延長部は、車幅方向内側に向かうに従って前記後側支持部材の前記延長部に漸次接近するように直線的に傾斜されており、前記前側支持部材の前記延長部の車幅方向内側端部は前記後側支持部材の前記延長部に結合され、前記前側支持部材の前記延長部は、前記柱体が車幅方向内側へ倒れないように支える構成を成しており、
前記前側支持部材の車両前側面が前記誘導面とされている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項8】
請求項7において、
前記柱体の車両後側端部及び前記後側支持部材は、車幅方向内側に対して車幅方向外側が車両後方側へ傾斜して形成されている
車体の衝撃緩和構造。
【請求項9】
請求項4又は7において、
前記誘導装置は、車体に対して前記前側支持部材及び前記後側支持部材の前記延長部で片持ち支持されており、
前記後側支持部材は、前記ロッカとの間に車両前後方向で隙間を持って前記ロッカの車両前方に配置されている
車体の衝撃緩和構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、四輪車の車体の衝撃緩和構造に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
四輪車の車体両側部のロッカ(サイドシルともいう)の前方にクラッシュボックスを設けて、衝突により前輪を介して車体に入力される荷重をクラッシュボックスにより吸収する衝撃緩和構造が知られている(特許文献1参照)。図9は、かかる衝撃緩和構造の作動説明図である。図9において(A)は、衝突により前輪Wが車両後方へ押されてロッカR前方のクラッシュボックスCに当接した状態を示す。その後、時間経過と共に、(B)~(D)のように、クラッシュボックスCは漸次圧壊が進行して衝突エネルギを吸収する。
【0003】
しかし、前輪Wの外径が大きい車両の場合、前輪WとロッカRとの隙間が小さくなり、ロッカRの前方に従来と同様のクラッシュボックスCを設置することができない。小さな隙間に設置可能なクラッシュボックスCでは、衝突時に必要なエネルギ吸収量を確保することができない。
【0004】
一方、衝突時の前輪による車体の衝撃を緩和するため、ロッカの前方に板状部材を設けた車体側部構造が知られている(特許文献2参照)。その場合の板状部材は、車幅方向内側から外側に向けて漸次車両後方側に傾斜した傾斜部を備えて形成されている。衝突荷重を受けて前輪が板状部材の傾斜部に当接すると、前輪を傾斜部により車幅方向外側へ移動させ、車幅方向内側へ侵入しないようにされている。
【0005】
また、衝突時の前輪による車体の衝撃を緩和するため、ロッカの前方に車両前方に突出した突出部材を設けた車体側部構造が知られている(特許文献3参照)。突出部材は、車幅方向外側に偏倚して突出されている。衝突荷重を受けて前輪が突出部材に当接すると、前輪に突出部材からの反力が作用して前輪を車幅方向外側へ誘導し、車幅方向内側へ侵入しないようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第3912422号公報
特開2014-118009号公報
特開2019-199134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2及び3の発明の場合、衝突荷重を受けて車両後方へ移動される前輪が、予定どおり板状部材及び突出部材に当接すれば、初期の目的を達成することができる。しかし、前輪が板状部材及び突出部材に対して予定位置より車幅方向内側に当接した場合は、初期の目的を達成することができない。
【0008】
本発明の課題は、車両衝突時に前輪を介して車体に伝達される衝撃を緩和する構造において、前輪を介して衝突荷重を受けて変形することにより前輪を車幅方向外側へ誘導する誘導面を形成することにある。それにより、衝突荷重を受けた前輪の移動方向が車幅方向にばらついても、衝突荷重を受けて変形して形成される誘導面により前輪を車幅方向外側へ誘導して、車両衝突時に必要な衝撃緩和性能を確保することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1発明は、四輪車の車体の衝撃緩和構造であって、車体側部の下端部に車両前後方向を長手方向として配置され、前輪の車両後方側に配置されたロッカと、該ロッカの車両前方側に配置され、車両前方から入力される衝突荷重を受けて車両後方へ移動される前輪に押圧されて変形し、前輪の移動方向を車幅方向外側へ誘導する誘導面を形成される誘導装置と、を備える。
【0010】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記誘導装置は、衝突荷重を受けて車両前後方向に圧壊されることにより衝突エネルギを吸収するクラッシュボックスを備え、該クラッシュボックスは、車幅方向内側部分に対して車幅方向外側部分の車両前後方向の圧壊強度が小さくされており、前記クラッシュボックスの車両前側端面が前記誘導面とされている。
(【0011】以降は省略されています)

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