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公開番号
2024166778
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-29
出願番号
2023083114
出願日
2023-05-19
発明の名称
シール装置
出願人
三菱重工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F16J
15/447 20060101AFI20241122BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約
【課題】回転軸線に対してシール軸線が傾くことによる、シール性の悪化を抑える。
【解決手段】シール装置は、シール軸線を中心として環状のシールリングと、前記シールリングを保持するシール保持環と、を備える。前記シール保持環は、径方向内側に凹む環状の保持溝を有する。前記リールリングは、前記保持溝を画定する面のうちで、低圧側溝側面に軸線方向で接触可能な接触面を有する。前記シールリングは、前記シール軸線に対する周方向に4以上に分割されている。スラスト荷重中心半径は、前記接触面の径方向外側の端と前記シールリング中で最も前記径方向内側の位置との間の中間位置であるスラスト荷重中心と前記シール軸線と間の前記径方向の距離である。内側端半径は、前記接触面のうちで最も前記径方向内側の端と前記シール軸線との間の前記径方向の距離である。スラスト荷重中心半径に対する内側端半径の割合は1.20以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
シール軸線を中心として環状のシールリングと、
前記シール軸線を中心として環状を成し、前記シールリングの外周側から前記シールリングを保持するシール保持環と、
を備え、
前記シール保持環は、前記シール軸線に対する径方向における径方向内側と径方向外側とのうち、前記径方向外側に向かって凹む環状の保持溝を有し、
前記シールリングは、前記シール軸線を中心として環状で、前記シール保持環の前記保持溝に一部が挿入されているシール胴と、前記シール軸線を中心として環状で、前記シール胴の内周側に配置されて前記シール胴に固定されている複数のシール片と、を有し、
前記シール胴は、前記シール軸線が延びる軸線方向における軸線高圧側と軸線低圧側とのうち、前記軸線高圧側を向く高圧側面と、前記軸線低圧側を向く低圧側面と、を有し、
前記保持溝は、前記径方向内側を向く保持溝底面と、前記シール胴の高圧側面と前記軸線方向で対向している高圧側保持溝側面と、前記シール胴の低圧側面と前記軸線方向で対向している低圧側保持溝側面とで、画定され、
前記シール胴の前記低圧側面のうちの少なくとも一部が、前記シール保持環の前記低圧側保持溝側面と前記軸線方向で接触可能な前記シールリングの接触面を成し、
前記シールリングは、前記シール軸線に対する周方向に4以上に分割されており、
スラスト荷重中心半径に対する内側端半径の割合が1.20以下であり、
前記スラスト荷重中心半径は、前記シールリングが前記シール保持環と接触している部分のうちで最も前記径方向外側の位置と前記シールリング中で最も前記径方向内側の位置との間の前記径方向における中間位置であるスラスト荷重中心と前記シール軸線と間の前記径方向の距離であり、
前記内側端半径は、前記接触面のうちで最も前記径方向内側の端の位置と前記シール軸線との間の前記径方向の距離である、
シール装置。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
請求項1に記載のシール装置において、
前記シールリングは、前記周方向に6分割されており、
前記スラスト荷重中心半径に対する前記内側端半径の割合が1.10以下である、
シール装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシール装置において、
前記シールリングは、前記周方向に8分割されており、
前記スラスト荷重中心半径に対する前記内側端半径の割合が1.06以下である、
シール装置。
【請求項4】
請求項1に記載のシール装置において、
前記スラスト荷重中心半径に対する前記内側端半径の割合が1.0以下である、
シール装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のシール装置において、
前記シール胴は、内周側を向いて、前記複数のシール片が前記径方向内側に突出している胴内周面と、前記胴内周面の前記軸線低圧側から前記径方向内側に突出する突出部を有し、
前記突出部で前記軸線低圧側を向く面の少なくとも一部が前記接触面の一部を成す、
シール装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載のシール装置において、
前記シール保持環は、前記シール軸線を中心として環状を成し、前記径方向外側に向かって凹む環状の溝を有する保持環本体と、前記溝に一部が入り込むスペーサと、を有し、
前記スペーサと前記溝とで、前記保持溝を形成し、
前記スペーサは、前記溝を画定する面のうちで、前記軸線高圧側を向く低圧側溝側面の少なくとも一部に接触すると共に、前記シール胴の前記低圧側面の少なくとも一部に接触し、
前記接触面のうちで最も前記径方向内側の前記端は、前記シール胴の前記低圧側面が前記スペーサに接触している面のうちで最も前記径方向内側の端である、
シール装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載のシール装置において、
前記シール胴は、胴本体と、前記保持溝内に挿入されている被保持部と、を有し、
前記胴本体は、前記径方向内側を向き、前記複数のシール片が前記径方向内側に突出している胴内周面と、前記径方向外側を向く本体外周面と、を有し、
前記被保持部は、前記胴本体の前記本体外周面から前記径方向外側に突出している被保持脚部と、前記被保持脚部の前記径方向外側の端に設けられ、前記被保持脚部から前記軸線高圧側に突出しているフック部と、を有し、
前記保持溝は、脚挿入溝部と、フック挿入溝部と、を有し、
前記脚挿入溝部は、前記被保持脚部が挿入可能で、前記脚挿入溝部の前記軸線方向の幅が、前記被保持脚部の前記軸線方向の幅より広く且つ前記フック部の前記軸線方向の幅より狭く、
前記フック挿入溝部は、前記脚挿入溝部の前記径方向外側に位置して、前記脚挿入溝部と連通して、前記フック部が挿入可能で、前記フック挿入溝部の前記軸線方向の幅が、前記フック部の前記軸線方向の幅より広い、
シール装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸の周りに取り付けられるシール装置に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
軸の周りに取り付けられるシール装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載のシール装置がある。
【0003】
このシール装置は、軸の外周面と対向するシールリングと、このシールリングを保持するシール保持環(シールリング受け)と、を有する。シールリングは、軸の回転軸線上のシール軸線中心として環状である。このシールリングは、環状の胴と、この胴の内周面からシール軸線に対する径方向内側に突出した複数の環状のシールフィンと、を有する。
【0004】
特許文献1に記載の技術では、シールリングの軸線に対する径方向の移動を案内するガイドピンを設けることで、シールリングの軸線に対する径方向の片寄りを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-097350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載のシール装置では、シールリングを基準にして高圧側からシールリングがスラスト荷重を受けて、軸の回転軸線に対してシールリングのシール軸線を傾けようとするモーメントが発生する場合がある。この場合、このモーメントにより、回転軸線に対してシール軸線が傾くと、シール性の悪化やシールフィン等のシール片の損傷等を招くことがある。
【0007】
そこで、本開示は、シール性の悪化やシール片の損傷を抑制することができるシール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としてのシール装置は、
シール軸線を中心として環状のシールリングと、前記シール軸線を中心として環状を成し、前記シールリングの外周側から前記シールリングを保持するシール保持環と、を備える。前記シール保持環は、前記シール軸線に対する径方向における径方向内側と径方向外側とのうち、前記径方向外側に向かって凹む環状の保持溝を有する。前記シールリングは、前記シール軸線を中心として環状で、前記シール保持環の前記保持溝に一部が挿入されているシール胴と、前記シール軸線を中心として環状で、前記シール胴の内周側に配置されて前記シール胴に固定されている複数のシール片と、を有する。前記シール胴は、前記シール軸線が延びる軸線方向における軸線高圧側と軸線低圧側とのうち、前記軸線高圧側を向く高圧側面と、前記軸線低圧側を向く低圧側面と、を有する。前記保持溝は、前記径方向内側を向く保持溝底面と、前記シール胴の高圧側面と前記軸線方向で対向している高圧側保持溝側面と、前記シール胴の低圧側面と前記軸線方向で対向している低圧側保持溝側面とで、画定されている。前記シール胴の前記低圧側面のうちの少なくとも一部が、前記シール保持環の前記低圧側保持溝側面と前記軸線方向で接触可能な前記シールリングの接触面を成す。前記シールリングは、前記シール軸線に対する周方向に4以上に分割されている。スラスト荷重中心半径に対する内側端半径の割合が1.20以下である。前記スラスト荷重中心半径は、前記シールリングが前記シール保持環と接触している部分のうちで最も前記径方向外側の位置と前記シールリング中で最も前記径方向内側の位置との間の前記径方向における中間位置であるスラスト荷重中心と前記シール軸線と間の前記径方向の距離である。前記内側端半径は、前記接触面のうちで最も前記径方向内側の端の位置と前記シール軸線との間の前記径方向の距離である。
【0009】
シールリングには、シールリングを基準にして軸線高圧側に存在する高圧流体からスラスト荷重を受ける。シールリングには、このスラスト荷重により、軸の回転軸線に対してシール軸線を傾けようとするモーメントが作用する場合がある。シールリングが、周方向に4分割以上されていると、このようなモーメントが作用した場合、軸の回転軸線に対してシール軸線が傾き、シール性の悪化やシールフィン等のシール片の損傷等を招くことがある。本態様では、シールリングに作用するモーメントの発生を抑えることができ、軸の回転軸線に対してシールリングのシール軸線が傾くことを抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様によれば、軸の回転軸線に対してシールリングのシール軸線が傾くことによる、シール性の悪化やシール片の損傷を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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