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公開番号2024166636
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-29
出願番号2023082852
出願日2023-05-19
発明の名称オリフィス内蔵バルブおよび流量制御装置
出願人株式会社フジキン
代理人弁理士法人KEN知財総合事務所
主分類F16K 47/08 20060101AFI20241122BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】メンテナンス性及びシール性が向上したオリフィス内蔵バルブを提供する。
【解決手段】バルブ要素が内蔵され一次側流路11と二次側流路12とが接続された収容凹部13を画定するボディ10を有し、バルブ要素は、下段一次側貫通孔及び下段二次側貫通孔を有する略円板状のガスケット15と、ガスケットの上に配置され、中段一次側貫通孔を有するオリフィスベース20と、オリフィスベースの上に配置されたオリフィスプレート30と、 オリフィスプレートの上に配置され、上段一次側貫通孔及び上段二次側貫通孔を有するインナー部材40と、インナー部材の上段一次側貫通孔の開口部周囲に設けられたバルブシート50と、収容凹部13の内周面に螺合して上記各要素を固定する固定リング60と、バルブシートに当接・離間して一次側貫通孔と二次側貫通孔の間を遮断・連通するダイヤフラム70と、を含む。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
一次側流路と二次側流路と、上面に開口してバルブ要素が内蔵されかつ前記一次側流路及び前記二次側流路が底面に開口する収容凹部と、を画定するボディを有し、
前記バルブ要素は、
軟質の材料で形成されて前記収容凹部の底部に配置され、前記一次側流路に連通する下段一次側貫通孔及び前記二次側流路に連通する下段二次側貫通孔を有する略円板状のガスケットと、
前記ガスケットの上に配置され、前記下段一次側貫通孔に連通する中段一次側貫通孔を有するオリフィスベースと、
前記オリフィスベースの上に配置され、前記下段一次側貫通孔に連通するオリフィスが形成されたオリフィスプレートと、
前記オリフィスプレートの上に配置され、前記オリフィスに連通して上面に開口する上段一次側貫通孔及び前記下段二次側貫通孔に連通して上面に開口する上段二次側貫通孔を有するインナー部材と、
前記インナー部材の上面にて前記上段一次側貫通孔の開口部周囲に設けられたバルブシートと、
前記収容凹部の内周面に形成されたネジ部に螺合して前記インナー部材を前記底部に向けて押圧することにより、当該インナー部材及び前記オリフィスプレート及び前記オリフィスベース及び前記ガスケットを前記ボディに対して固定する固定リングと、
前記インナー部材の上に配置され、前記バルブシートから離間または当接して、前記上段一次側貫通孔と前記上段二次側貫通孔との間を連通または遮断するダイヤフラムと、を含むオリフィス内蔵バルブ。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記ダイヤフラムを押圧するダイヤフラム押えを駆動して、前記ダイヤフラムと前記バルブシートとの間を開閉させるアクチュエータをさらに有し、
前記ダイヤフラムは、前記ネジ部と共通のネジ部に螺合する前記アクチュエータのケーシングにより前記インナー部材に向けて押圧されて当該インナー部材に固定されている、請求項1に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項3】
前記収容凹部の底面には、前記一次側流路の開口部及び前記二次側流路の開口部のうち前記一次側流路の開口部のみを包囲する第1の環状突起部及び当該第1の環状突起部を包囲するとともに前記二次側流路の開口部を包囲する第2の環状突起部が形成され、
前記オリフィスベースの下面には、全周が前記第1の環状突起部に対向し前記中段一次側貫通孔の開口部を包囲する第3の環状突起部が形成され、
前記インナー部材の下面には、全周が前記第2の環状突起部に対向し前記上段二次側貫通孔の開口部を包囲する第4の環状突起部が形成され、
前記インナー部材の前記第4の環状突起部の外周側には、環状下端面が形成され、
前記固定リングにより前記インナー部材を前記環状下端面が前記収容凹部に形成された段差面に当接するまで押圧すると、前記第1の環状突起部及び前記第2の環状突起部が前記ガスケットの下面に所定量が食い込むともに、前記第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部が前記ガスケットの上面に所定量が食い込んで、前記一次側流路及び前記下段一次側貫通孔と前記中段一次側貫通孔との接続部及び、前記二次側流路及び前記下段二次側貫通孔と前記上段二次側貫通孔との接続部がシールされるように構成された、請求項1に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項4】
前記オリフィスベースと前記インナー部材は、同じ硬度を有する部材で形成された、請求項3に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項5】
前記第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部は、断面視で少なくとも頂部が丸められた形状を有し、前記第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部の前記頂部の曲率半径が等しい、請求項4に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項6】
前記オリフィスベースは、上面側に前記オリフィスプレートの外周部下面が配置される環状の支持面を有し、当該環状の支持面及び前記第3の環状突起部及び前記第1の環状突起部のそれぞれの幅方向中心円は、上面視で一致するように形成された、請求項3に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項7】
前記バルブシートは、樹脂からなり、前記インナー部材に対してカシメにより固定されている、請求項1に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項8】
前記インナー部材は、外周面の一部が前記収容凹部の内周面に嵌合して位置決めされ、前記オリフィスベースは、外周面の一部が前記インナー部材の内周面に嵌合して位置決めされている、請求項1に記載のオリフィス内蔵バルブ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載のオリフィス内蔵バルブを備える、流量制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、オリフィス内蔵バルブおよびこのオリフィス内蔵バルブを流量制御バルブとして用いた流量制御装置に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおいては、特に、ALD(Atomic Layer Deposition)やALE(Atomic Layer Ethching)等の微細プロセスにおいては、処理チャンバに短時間で正確に計量した処理ガスを供給するために、圧力式流量制御装置及びその構成要素としてのオリフィス内蔵バルブが用いられている。このようなオリフィス内蔵バルブでは、オリフィスプレートを、ボディ(又は、ボディに載せたホルダ)と弁座体との間に挟み、上からインナーディスク、ダイヤフラム等を載せて、アクチュエータハウジングをボディに螺合して押圧することにより一括して固定していた(例えば、特許文献1の図1,図4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4137267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなオリフィス内蔵バルブでは、アクチュエータハウジングの螺合を緩めると全ての構成要素が緩むので、メンテナンス性の点で改善の余地があった。例えば、アクチュエータやダイヤフラムのメンテナンスのためにアクチュエータハウジングの螺合を緩めると、その下側にあるオリフィスプレートを保持する構成要素の間のシール性に影響を与える懸念があった。
また、上記構成では、アクチュエータハウジングの締め付け力を各要素に伝搬させて、要素間の各シール箇所をシールしているが、シール箇所によって必要な締め付け力(軸力)が異なると、必要とする最大の締め付け力を各所に加える必要がある。例えば、収容凹部底部における一次側と二次側との間のシール部及び二次側と外部との間のシール部では、大きな円周状接触部の全域に所定の面圧を加えてシールするため、大きな軸力を必要とするが、この軸力は、それほどシールのための軸力を要しないオリフィス保持部にも加わる。このため、シール箇所によっては過大な締め付け力(軸力)が加わり、部材の変形や破損を生ずる懸念があった。
【0005】
本発明の目的の一つは、上記問題を解決し、メンテナンス性およびシール性が向上し、かつ締め付け力による部材の変形や破損のリスクを低減できるオリフィス内蔵バルブ及びこのオリフィス内蔵バルブを用いた流量制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のオリフィス内蔵バルブは、
一次側流路と二次側流路と、上面に開口してバルブ要素が内蔵されかつ前記一次側流路及び前記二次側流路が底面に開口する収容凹部と、を画定するボディを有し、
前記バルブ要素は、
軟質の材料で形成されて前記収容凹部の底部に配置され、前記一次側流路に連通する下段一次側貫通孔及び前記二次側流路に連通する下段二次側貫通孔を有する略円板状のガスケットと、
前記ガスケットの上に配置され、前記下段一次側貫通孔に連通する中段一次側貫通孔を有するオリフィスベースと、
前記オリフィスベースの上に配置され、前記下段一次側貫通孔に連通するオリフィスが形成されたオリフィスプレートと、
前記オリフィスプレートの上に配置され、前記オリフィスに連通して上面に開口する上段一次側貫通孔及び前記下段二次側貫通孔に連通して上面に開口する上段二次側貫通孔を有するインナー部材と、
前記インナー部材の上面にて前記上段一次側貫通孔の開口部周囲に設けられたバルブシートと、
前記収容凹部の内周面に形成されたネジ部に螺合して前記インナー部材を前記底部に向けて押圧することにより、当該インナー部材及び前記オリフィスプレート及び前記オリフィスベース及び前記ガスケットを前記ボディに対して固定する固定リングと、
前記インナー部材の上に配置され、前記バルブシートから離間または当接して、前記上段一次側貫通孔と前記上段二次側貫通孔との間を連通または遮断するダイヤフラムと、を含む。
この構成により、収容凹部の内周ネジ部に螺合してインナー部材及びオリフィスプレート及び前記オリフィスベースを固定する固定リングを用いたので、アクチュエータやダイヤフラムのメンテナンスのためにアクチュエータハウジングの螺合を緩めても、オリフィスプレートを保持する構成要素の間のシール性に影響を与えることがなく、メンテナンス性およびシール性の向上が可能となる。
また、収容凹部の底部に軟質の部材からなるガスケットを配置したので、比較的小さい締め付け力(軸力)で、一次側の各流路と二次側の各流路と外部との間のシールを行うことができ、締め付け時の部材の変形や破損のリスクを低減できる。
【0007】
上記オリフィス内蔵バルブは、前記ダイヤフラムを押圧するダイヤフラム押えを駆動して、前記ダイヤフラムと前記バルブシートとの間を開閉させるアクチュエータをさらに有し、
前記ダイヤフラムは、前記ネジ部と共通のネジ部に螺合する前記アクチュエータのケーシングにより前記インナー部材に向けて押圧されて当該インナー部材に固定されている、構成を好ましく採用できる。
この構成により、アクチュエータやダイヤフラムのメンテナンスのためにアクチュエータハウジングの螺合を緩めても、オリフィスプレートを保持する構成要素の間のシール性に影響を与えることがない。
【0008】
前記収容凹部の底面には、前記一次側流路の開口部及び前記二次側流路の開口部のうち前記一次側流路の開口部のみを包囲する第1の環状突起部及び当該第1の環状突起部を包囲するとともに前記二次側流路の開口部を包囲する第2の環状突起部が形成され、
前記オリフィスベースの下面には、全周が前記第1の環状突起部に対向し前記中段一次側貫通孔の開口部を包囲する第3の環状突起部が形成され、
前記インナー部材の下面には、全周が前記第2の環状突起部に対向し前記上段二次側貫通孔の開口部を包囲する第4の環状突起部が形成され、
前記インナー部材の前記第4の環状突起部の外周側には、環状下端面が形成され、
前記固定リングにより前記インナー部材を前記環状下端面が前記収容凹部に形成された段差面に当接するまで押圧すると、前記第1の環状突起部及び前記第2の環状突起部が前記ガスケットの下面に所定量が食い込むともに、前記第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部が前記ガスケットの上面に所定量が食い込んで、前記一次側流路及び前記下段一次側貫通孔と前記中段一次側貫通孔との接続部及び、前記二次側流路及び前記下段二次側貫通孔と前記上段二次側貫通孔との接続部がシールされる構成が好ましく採用できる。
この構成により、第1~第4の環状突起部が所定量ガスケットに食い込むことにより、比較的小さい締め付け力で、一次側の流路と二次側の流路と外部との間のシールを実現できる。また、シールに必要な面圧から上記所定量を計算して、第1~第4の環状突起部がガスケットにその所定量が食い込むように、関係する各部材の寸法を設定することにより、シールに必要な面圧を得ることができる。
【0009】
前記オリフィスベースと前記インナー部材は、同じ硬度を有する部材で形成された、構成が好ましく採用できる。
また、前記第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部は、断面視で少なくとも頂部が丸められた形状を有し、前記第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部の頂部の曲率半径が等しい、構成が好ましく採用できる。
この構成により、第3の環状突起部及び前記第4の環状突起部のそれぞれの頂部は、同程度の面圧で前記ガスケットに所定量食い込むので、シールに必要な締め付け力が同程度になり、過大な締め付け力を加える必要がなくなる。
【0010】
前記オリフィスベースは、上面側に前記オリフィスプレートの外周部下面が配置される環状の支持面を有し、当該環状の支持面及び前記第3の環状突起部及び前記第1の環状突起部のそれぞれの幅方向中心円は、上面視で一致するように形成された、構成を好ましく採用できる。
この構成により、締め付けた際の軸方向締め付け力は上面視で同一箇所に加わるため、曲げモーメントが生ずることなく、インナー部材やオリフィスベースの変形を最小化できる。
(【0011】以降は省略されています)

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