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公開番号2024166353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024160824,2020061756
出願日2024-09-18,2020-03-31
発明の名称セメント組成物及びセメント組成物の製造方法
出願人UBE三菱セメント株式会社
代理人個人
主分類C04B 7/00 20060101AFI20241121BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】セメントクリンカ粉末、石膏粉末、石灰石粉末及びフライアッシュを含む混合物からなるセメント組成物であって、石膏粉末及びフライアッシュによって強度発現性が高まるセメント組成物を提供する。
【解決手段】セメントクリンカ粉末、石膏粉末、石灰石粉末L及びフライアッシュAを含む混合物Mからなるセメント組成物である。石灰石粉末L及びフライアッシュAは、混合物Mにおいて合計で10.0質量%以下の割合で含まれている。前記石膏粉末は、混合物MにおいてSO3換算で0.6質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれている。好ましくは、前記セメントクリンカ粉末のSO3含有率が0.80質量%以上であり、前記石膏粉末が混合物MにおいてSO3換算で1.0質量%以上の割合で含まれている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
セメントクリンカ粉末、石膏粉末、石灰石粉末及びフライアッシュを含む混合物からなるセメント組成物であって、
前記石灰石粉末及び前記フライアッシュは、前記混合物において合計で10.0質量%以下の割合で含まれており、
前記石膏粉末は、前記混合物においてSO
3
換算で0.6質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれていることを特徴とするセメント組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記セメントクリンカ粉末のSO
3
含有率は0.80質量%以上であり、
前記石膏粉末は、前記混合物においてSO
3
換算で1.0質量%以上の割合で含まれていることを特徴とする請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項3】
前記混合物において、SO
3
含有率が0.56質量%以下であるセメントクリンカ粉末が含まれていないことを特徴とする請求項2に記載のセメント組成物。
【請求項4】
前記セメントクリンカ粉末に含まれるSO
3
をクリンカSO
3
と定義し、前記石膏粉末に含まれるSO
3
を石膏SO
3
と定義し、前記混合物に対する前記クリンカSO
3
の割合をS1質量%と定義し、前記混合物に対する前記石膏SO
3
の割合をS2質量%と定義した場合において、
前記S1質量%と前記S2質量%との合計値が1.90質量%以上であり、かつ、前記S1質量%に対する前記S2質量%の割合が0.90以上3.00以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のセメント組成物。
【請求項5】
前記セメントクリンカ粉末のTiO
2
含有率、MnO含有率、P
2
O
5
含有率、Na
2
O含有率及びK
2
O含有率をそれぞれT質量%、M質量%、P質量%、N質量%及びK質量%と定義した場合における前記セメントクリンカ粉末の物性値「(T+M+P)/(N+0.658×K)」が0.80以上1.40以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のセメント組成物。
【請求項6】
セメント組成物の製造方法であって、
仕上工程及び混合工程を備えており、
前記仕上工程において、セメントクリンカを石膏と共に粉砕して混合粉末を製造し、
前記混合工程において、前記混合粉末、石灰石粉末及びフライアッシュを混合してセメント組成物を製造し、
前記石灰石粉末及び前記フライアッシュは、前記セメント組成物において合計で10.0質量%以下の割合で含まれており、
前記石膏の粉末は、前記セメント組成物においてSO
3
換算で0.6質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれていることを特徴とするセメント組成物の製造方法。
【請求項7】
焼成工程をさらに備え、
当該焼成工程において、廃石膏ボードをセメント原料として前記セメントクリンカを製造することを特徴とする請求項6に記載のセメント組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントクリンカ粉末、石膏粉末、石灰石粉末及びフライアッシュを含む混合物からなるセメント組成物、並びに、このセメント組成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
セメント組成物は、一般的には、「セメントクリンカ粉末、石膏粉末及び混合材粉末」を含む混合物からなる。下記特許文献1(実施例14)には、この混合材粉末として石灰石粉末及びフライアッシュを用いたセメント組成物が開示されている。
【0003】
ところで、近年では、セメント焼成装置からの二酸化炭素排出量を少なく抑えるため、セメント焼成装置におけるセメントクリンカ製造量を低減し、セメント組成物においてセメントクリンカ粉末の含有量を低減して石膏粉末含有量又はフライアッシュ含有量を増加させることが検討されている。しかし、このようにセメント組成物において石膏粉末含有量又はフライアッシュ含有量が増加すると、セメント組成物の組成によってはセメント組成物の強度発現性が充分に高くならないおそれがある。
【0004】
そこで、セメント組成物の強度発現性を充分に高くするために、セメント焼成工程においてセメントクリンカの品質(例えば、セメントクリンカにおける複数の鉱物それぞれの組成)を調整することが考えられる。しかし、このような調整を行う場合には、セメントキルンにさらに多くの燃料を投入する必要が生じるため、セメント焼成装置におけるセメントクリンカ製造量を低減しても、セメント焼成装置からの二酸化炭素排出量が増加するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-172497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、セメントクリンカ粉末、石膏粉末、石灰石粉末及びフライアッシュを含む混合物からなるセメント組成物であって、石膏粉末及びフライアッシュによって強度発現性が高まるセメント組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一項目は、次のようなセメント組成物に係るものである。このセメント組成物は、セメントクリンカ粉末、石膏粉末、石灰石粉末及びフライアッシュを含む混合物からなる。前記石灰石粉末及び前記フライアッシュは、前記混合物において合計で10.0質量%以下の割合で含まれている。前記石膏粉末は、前記混合物においてSO
3
換算で0.6質量%以上2.4質量%以下の割合で含まれている。
【0008】
上記第一項目によれば、石灰石粉末及びフライアッシュが混合物において合計で10.0質量%以下の割合で含まれており、かつ、混合物において石膏粉末がSO
3
換算で2.4質量%以下の割合で含まれているため、混合物において石膏粉末並びに混合材粉末(石灰石粉末及びフライアッシュ)が少量含まれていることになる。その上で、混合物において石膏粉末がSO
3
換算で0.6質量%以上の割合で含まれている。このため、この混合物を水と混練すると、石膏粉末に含まれるSO
3
によりフライアッシュの水和反応が効果的に促進され、高強度のセメント混練物を製造することができる。つまり、上記第一項目に係るセメント組成物は、混合物に含まれる石膏粉末及びフライアッシュにより混合物の強度発現性が高まるものである。
【0009】
本発明の第二項目は、上記第一項目において次の内容を含むものである。すなわち、前記セメントクリンカ粉末のSO
3
含有率は0.80質量%以上(好ましくは0.94質量%以上)である。前記石膏粉末は、前記混合物においてSO
3
換算で1.0質量%以上の割合で含まれている。
【0010】
上記第二項目によれば、混合物を水と混練すると、石膏粉末に含まれる多くのSO
3
によりセメントクリンカ粉末中のアルミネートの急激な水和(瞬結)が抑制されるため、セメントクリンカ粉末に含まれるアルミネートは石灰石粉末と反応する。これにより、セメントクリンカ粉末から多くのSO
3
が溶出されるため、セメントクリンカ粉末から排出された多くのSO
3
によりフライアッシュの水和が促進し、高強度のセメント混練物が製造される。つまり、上記第二項目に係るセメント組成物は、混合物に含まれる石膏粉末及びフライアッシュにより混合物の強度発現性がさらに高まるものである。
(【0011】以降は省略されています)

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