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公開番号
2024117920
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-30
出願番号
2023024015
出願日
2023-02-20
発明の名称
半水石膏を主材とする充填材
出願人
戸田建設株式会社
代理人
個人
主分類
C04B
28/14 20060101AFI20240823BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約
【課題】周囲の土質や水質に及ぼす影響が低減でき、流動性を制御できるように充填材が添加されている。
【解決手段】半水石膏を主材とし、これに水と遅延剤が添加られている。中性域で硬化する半水石膏を主材としているため、周囲の土質や水質に及ぼす影響が低減できる。また、半水石膏に所定量の水と遅延剤を添加することにより、充填材の使用状況に合わせて注水後の経過時間における流動性を任意に制御することができるようになる。特に、水に対する半水石膏の比率を54~64%にすること、遅延剤としてアルキルアミノスルホン酸を使用した際、その添加率を3.0%以上にすること、粘土鉱物としてベントナイトを使用した際、その添加量を23kg/m
3
以下とすることが有効である。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
空洞に充填される半水石膏を主材とする充填材であって、
半水石膏を主材とし、これに水と遅延剤が添加されていることを特徴とする半水石膏を主材とする充填材。
続きを表示(約 280 文字)
【請求項2】
前記水に対する前記半水石膏の比率が54~64%である請求項1記載の半水石膏を主材とする充填材。
【請求項3】
前記遅延剤がアルキルアミノスルホン酸であり、その添加率(前記半水石膏に対する重量比)が3.0%以上である請求項1記載の半水石膏を主材とする充填材。
【請求項4】
更に粘土鉱物が添加されている請求項1記載の半水石膏を主材とする充填材。
【請求項5】
前記粘土鉱物がベントナイトであり、その添加量が23kg/m
3
以下である請求項4記載の半水石膏を主材とする充填材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル覆工背面と地山との空洞などに充填される半水石膏を主材とする充填材に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1~2や非特許文献1~2などに示されるように、トンネル覆工背面と地山との間に形成された空洞や、河川・海の流れや湧水などに伴う洗掘により擁壁や護岸の背面に生じた空洞などに充填される裏込注入材として、セメントを主材としたセメント系の充填材が多く用いられている。
【0003】
このようなセメント系の充填材では、セメントスラリーの性質を作業条件に適したものとするため、各種の添加剤が添加される。例えば、発泡剤を添加して流動性を向上させ、充填部分の隅々にまで充填できるようにしたもの(特許文献1)、吸水性樹脂を配合することにより、吸水性樹脂が吸水膨張して空洞の所要箇所を緻密に充填できるようにしたもの(特許文献2)などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2015-59070号公報
特開平10-237446号公報
【非特許文献】
【0005】
農林水産省農村振興局整備部設計課、農業水利施設の補修・補強工事に関するマニュアル[水路トンネル編]、令和3年6月
東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、矢板工法トンネルの背面空洞注入工設計・施工要領、平成18年10月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来より用いられているセメントを主材としたセメント系の充填材は、セメントの水和反応により生じた水酸化カルシウムを含んでいるため、強いアルカリ性を示すことが指摘されていた。このため、コンクリートから溶出する成分によって周囲の土質や水質などがアルカリ性に変化し、周辺環境の生物や植物などへ影響を及ぼす懸念がある。この対策として、充填材に化学混和剤を添加して水中不分離性を向上させることや、発泡ウレタンなどの非水溶性材料を用いた非セメント系の充填材を適用することがあるが、これら化学混和剤や発泡ウレタンは高価なため、極力使用量を抑えたいという実情があった。
【0007】
また、特許文献1に記載の発泡剤を添加したエアモルタルは軽量で流動性が大きいため、空洞部に限定して注入するのが難しいとともに、地盤内の地下水や湧水の影響を受けやすいという問題があった。更に、特許文献2に記載のように吸水性樹脂を配合したものは、高吸水性樹脂が吸水して流動性が低下するという問題があった。
【0008】
そこで本発明の主たる課題は、周囲の土質や水質に及ぼす影響を低減するとともに、流動性を制御できるようにした半水石膏を主材とする充填材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、空洞に充填される半水石膏を主材とする充填材であって、
半水石膏を主材とし、これに水と遅延剤が添加されていることを特徴とする半水石膏を主材とする充填材が提供される。
【0010】
上記請求項1記載の発明では、中性域(pH6.5~8.5)で硬化する半水石膏を主材とした充填材であるため、セメントを用いたセメント系の充填材と比較して、周囲の土質や水質に及ぼす影響が低減できる。
(【0011】以降は省略されています)
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