TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025103233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-09
出願番号2023220464
出願日2023-12-27
発明の名称転倒防止部材および支保工組立方法
出願人株式会社進富,構法開発株式会社,戸田建設株式会社
代理人個人
主分類E21D 11/40 20060101AFI20250702BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】支保工施工時の作業性の向上と安全性の向上を図ることを可能とした、転倒防止部材とこの転倒防止部材を利用した支保工組立方法を提案する。
【解決手段】鋼製支保工3に転倒防止部材4を固定する転倒防止部材固定工程と、重機を利用して鋼製支保工3をアーチ状に建て込む建込工程と、吹付けコンクリート2を地山面に吹き付ける吹付工程とを備える支保工組立方法。転倒防止部材4は、鋼製支保工3に設けられたさや管5に挿入させる挿入部61と、挿入部61の一端からトンネル軸方向に延びて吹付けコンクリート2に埋設される埋込部62とを有するL字状のアンカー材6と、挿入部61と埋込部62との角部に固定されて挿入部61のさや管5からの抜け出しを防止するとともに挿入部61を軸としたアンカー材6の回転を抑制する固定手段7とを備えている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
鋼製支保工に取り付けられて前記鋼製支保工の転倒を防止する転倒防止部材であって、
前記鋼製支保工に設けられたさや管に挿入させる挿入部と、前記挿入部の一端からトンネル軸方向に延びて吹付けコンクリートに埋設される埋込部と、を有するL字状のアンカー材と、
前記挿入部と前記埋込部との角部に固定されて、前記挿入部の前記さや管からの抜け出しを防止するとともに、前記挿入部を軸とした前記アンカー材の回転を抑制する固定手段と、を備えていることを特徴とする、転倒防止部材。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
前記固定手段は、前記さや管が固定された前記鋼製支保工のフランジに当接する基部と、前記基部に固定された雌ネジ部と、先端が前記フランジの端面に当接可能となるように前記雌ネジ部に進退可能に螺合された固定ボルトと、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の転倒防止部材。
【請求項3】
前記固定手段は、前記さや管が固定された前記鋼製支保工のウェブに当接する基部と、前記基部に固定された雌ネジ部と、先端が前記鋼製支保工のフランジに当接可能となるように前記雌ネジ部に進退可能に螺合された固定ボルトと、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の転倒防止部材。
【請求項4】
前記埋込部に固定された網状の定着部材をさらに備えていることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の転倒防止部材。
【請求項5】
鋼製支保工に請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の転倒防止部材を固定する転倒防止部材固定工程と、
重機を利用して前記鋼製支保工をアーチ状に建て込む建込工程と、
吹付けコンクリートを地山面に吹き付ける吹付工程と、を備える支保工組立方法であって、
前記吹付工程は、前記重機により前記鋼製支保工を保持した状態で、前記埋込部を巻き込むように吹付けコンクリートを吹き付ける先行吹付け作業と、
前記先行吹付け作業後に、前記重機による鋼製支保工の保持を解除した状態で、吹付けコンクリートを吹き付ける本吹付け作業と、を備えていることを特徴とする、支保工組立方法。
【請求項6】
鋼製支保工に請求項4に記載の転倒防止部材を固定する転倒防止部材固定工程と、
重機を利用して前記鋼製支保工をアーチ状に建て込む建込工程と、
吹付けコンクリートを地山面に吹き付ける吹付工程と、を備える支保工組立方法であって、
前記吹付工程は、前記重機により前記鋼製支保工を保持した状態で、前記定着部材を巻き込むように吹付けコンクリートを吹き付ける先行吹付け作業と、
前記先行吹付け作業後に、前記重機による鋼製支保工の保持を解除した状態で、吹付けコンクリートを吹き付ける本吹付け作業と、を備えていることを特徴とする、支保工組立方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼製支保工の転倒防止部材およびこの転倒防止部材を利用した支保工組立方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
NATMによるトンネル施工では、トンネルの掘削により露出した地山面を、支保工により早期に閉塞する。トンネルの支保工には、地山面に吹き付けられた吹付けコンクリートと、地山面に沿って組み立てられた鋼製支保工と、トンネル内側から法線方向に地山内に打設するロックボルト等により構成されているのが一般的である。
【0003】
鋼製支保工は、既設の鋼製支保工(坑口側に隣接する支保工)と転倒防止用の繋ぎ材を介して連結する。このような繋ぎ材には、さや管方式とタイロッド方式を採用するのが一般的である。さや管方式は、鋼製支保工に固定されたさや管に、鋼棒からなる繋ぎ材の先端に形成されたフックを挿入することで、前後の鋼製支保工を連結するものである(例えば特許文献1参照)。またタイロッドは、鋼製支保工同士の間に繋ぎ材としてのタイロッドを横架させた状態で、鋼製支保工のウェブを貫通させたタイロッドの端部にナットを締着するものである。
【0004】
また、特許文献2には、H形鋼によって形成される前後の鋼製支保工のフランジから対向する様に延設された一対の定着部材を吹付コンクリートで埋設させることで、前後の支保工の一体化が向上されていることが開示されている。特許文献2の支保工は、定着部材が吹付けコンクリートに埋設されることで、鋼製支保工と吹付けコンクリートとの一体化が向上されている。特許文献2の定着部材は、フランジに基端部が溶接された棒状のロッド部と、ロッド部の先端に板面が固定された定着板材とにより構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-67136号公報
実用新案登録第3241438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
繋ぎ材の設置作業は、新設の鋼製支保工と、既設の鋼製支保工との間において、人力により行うのが一般的である。そのため、繋ぎ材の設置作業では、作業員等が、支保工が完成する前の露出した地山、または、一次吹付けコンクリートの直下に入って作業を行う必要がある。さらに、手作業による繋ぎ材の設置作業には手間がかかる。
【0007】
特許文献2の鋼製支保工は、前後の支保工に取り付けられた定着部材が吹付コンクリートに埋設されて前後の鋼製支保工が一体化されるため、支保工が完成する前の露出した地山、または、一次吹付けコンクリートの直下に入って人力により行う作業を必要としない。一方、フランジへの定着部材を固定する手間を要する。また、前後の定着板材を埋設するために必要な厚さに吹付けコンクリートを吹き付ける必要があるため、作業に手間がかかるとともに、コンクリート量が増加するおそれがある。
【0008】
本発明は、支保工施工時の作業性の向上と安全性の向上を図ることを可能とした、転倒防止部材を提案するとともに、この転倒防止部材を用いた支保工組立方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決する本発明の転倒防止部材は、鋼製支保工の切羽側に取り付けた1本の転倒防止部材を吹付けコンクリートで地山に固定することで、前記鋼製支保工の転倒を防止するものであって、鋼製支保工に設けられたさや管に挿入される挿入部と、前記挿入部の一端からトンネル軸方向に延びて前記吹付けコンクリートに埋設されるアンカー部と、前記挿入部と前記アンカー部との角部に設けられた固定部とを備えている。前記固定部は、前記挿入部の前記さや管からの抜け出しを防止するとともに、前記挿入部の軸心を中心とした回転を抑制する。
【0010】
この転倒防止部材を利用した支保工組立方法は、転倒防止部材を固定する転倒防止部材固定工程と、重機を利用して前記鋼製支保工をアーチ状に建て込む建込工程と、吹付けコンクリートを地山面に吹き付ける吹付工程とを備え、前記吹付工程では前記重機により前記鋼製支保工を保持した状態で前記アンカー部を巻き込むように吹付けコンクリートを吹き付ける先行吹付け作業と、前記先行吹付け作業後に前記重機による鋼製支保工の保持を解除した状態で吹付けコンクリートを吹き付ける本吹付け作業とを行う。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

構法開発株式会社
埋込継手構造
3か月前
株式会社進富
転倒防止部材および支保工組立方法
14日前
株式会社進富
支保工ユニットおよび支保工組立方法
2か月前
株式会社進富
支保工ユニットおよび支保工組立方法
2か月前
株式会社進富
鋼管矢板、鋼管矢板連結構造およびヤットコ
3か月前
株式会社進富
金網ユニット、支保工ユニットおよび支保工組立方法
14日前
構法開発株式会社
支柱配設用治具及びこれを用いた施工方法
2か月前
株式会社進富
支保工建込方法、支保工ユニットおよび支保工脚部位置修正装置
2か月前
個人
掘削機
1か月前
個人
高速道路トンネルの強靭化法
7か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
9か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
9か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
1か月前
株式会社笠原建設
横孔形成方法
2か月前
戸田建設株式会社
ロックボルト
8か月前
株式会社神島組
破砕工法
8か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
4か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
9か月前
株式会社奥村組
シールド掘進機
9か月前
日特建設株式会社
ボーリング装置
3か月前
花王株式会社
岩盤の掘削方法
27日前
株式会社奥村組
インバートの打設方法
9か月前
株式会社奥村組
テールシール試験装置
4か月前
個人
掘削機、及び、資源回収システム
2か月前
株式会社奥村組
インバート用打設設備
9か月前
株式会社熊谷組
天井板撤去装置
2か月前
株式会社奥村組
泥土圧シールド掘進機
2か月前
株式会社奥村組
テールシールの交換構造
9か月前
日特建設株式会社
削孔方法及び削孔装置
4か月前
株式会社ケー・エフ・シー
剥落防止構造
3か月前
大阪瓦斯株式会社
牽引装置
2か月前
株式会社エステック
掘削機及び掘削装置
6か月前
日本車輌製造株式会社
油圧ユニット
7か月前
株式会社大林組
インバート更新工法
4か月前
株式会社金澤製作所
発進坑口のエントランス装置
1か月前
大成建設株式会社
トンネルの褄部構造
3か月前
続きを見る