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公開番号2024156242
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-06
出願番号2023070541
出願日2023-04-24
発明の名称破砕工法
出願人株式会社神島組
代理人個人,個人
主分類E21C 37/00 20060101AFI20241029BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】環境破壊を防止しつつ、河川、湖沼、海などの水面から露出して存在する岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕することができる破砕工法および当該破砕工法に好適な割岩装置を提供する。
【解決手段】この発明は、被破砕物の中央領域に所定深さのピットを形成するピット形成工程と、ピットのうち水際隣接領域に対向する対向領域に第1盛り土を形成する盛り土形成工程と、水際隣接領域の一部を破砕予定領域とし、第1盛り土を挟んでピットと対向するように破砕予定領域に削孔を形成する削孔形成動作、削孔が形成された破砕予定領域を破砕する破砕動作、および破砕動作により破砕された破砕物を破砕予定領域から除去するとともに第2盛り土を形成して埋め戻す埋戻動作を含む破砕埋戻工程とを、備え、破砕予定領域を水際に沿って移動させながら破砕埋戻工程を水際隣接領域全体にわたって実行する。
【選択図】図4

特許請求の範囲【請求項1】
水面から露出して存在する被破砕物を破砕する破砕工法であって、
前記被破砕物のうち前記水面と接している水際に沿って水際隣接領域を残して前記被破砕物の中央領域に所定深さのピットを形成するピット形成工程と、
前記ピットのうち前記水際隣接領域に対向する対向領域に第1盛り土を形成する盛り土形成工程と、
前記水際隣接領域の一部を破砕予定領域とし、前記第1盛り土を挟んで前記ピットと対向するように前記破砕予定領域に削孔を形成する削孔形成動作、前記削孔が形成された前記破砕予定領域を破砕する破砕動作、および前記破砕動作により破砕された破砕物を前記破砕予定領域から除去するとともに第2盛り土を形成して埋め戻す埋戻動作を含む破砕埋戻工程とを、備え、
前記破砕予定領域を前記水際に沿って移動させながら前記破砕埋戻工程を前記水際隣接領域全体にわたって実行する
ことを特徴とする破砕工法。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
請求項1に記載の破砕工法であって、
前記ピット形成工程は、前記破砕埋戻工程に使用される建設機械が前記水際隣接領域上を前記水際に沿って走行可能となるように、前記水際隣接領域を残す、破砕工法。
【請求項3】
請求項2に記載の破砕工法であって、
前記盛り土形成工程は、前記建設機械が前記第1盛り土上を前記水際隣接領域に沿って走行可能となるように、前記第1盛り土を形成する、破砕工法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の破砕工法のうち前記破砕動作を実行するために前記削孔の周囲を割岩する割岩装置であって、
前記削孔を形成された削孔形成方向に対して傾斜した第1楔側傾斜面と前記第1楔側傾斜面の傾斜方向と反対の方向に傾斜した第2楔側傾斜面とが先端部に設けられることで前記先端部が先細り形状を有し、前記第1楔側傾斜面を前記削孔の内壁面のうち前記水際側の第1壁面部位に向けた姿勢で、前記削孔に対して前記先端部を挿脱可能な楔部材と、
前記第1楔側傾斜面に対して摺動可能な第1羽根側傾斜面と、前記第1壁面部位に当接可能な第1当接面とが前記ピットの深さと同じまたは長くなるように延設された延設された水際側羽根部材と、
前記第2楔側傾斜面に対して摺動可能な第2羽根側傾斜面と、前記内壁面のうち反水際側の第2壁面部位に当接可能な第2当接面と前記ピットの深さと同じまたは長くなるように延設された延設された反水際側羽根部材と、を有し、
前記削孔形成方向に沿った前記楔部材の移動に伴って前記第2羽根側傾斜面および前記第2羽根側傾斜面がそれぞれ前記第1楔側傾斜面に対して相対的に摺動することで、
前記第2当接面が前記第2壁面部位に当接しつつ前記第1当接面が前記第1壁面部位を前記水際側に押圧し、前記ピットと同じ深さにわたって前記削孔から前記水際に向けて亀裂を発生させる
ことを特徴とする割岩装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、河川、湖沼、海などの水面から露出して存在する岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕する破砕工法および当該破砕工法に好適な割岩装置に関するものである。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
本願出願人は、陸上に存在する岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕する破砕技術およびそれに好適な割岩装置を数多く提案してきた(例えば特許文献1~特許文献7)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第4636294号公報
特許第4961574号公報
特許第5034001号公報
特許第5145503号公報
特許第5145504号公報
特許第5352807号公報
特許第5352807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、河川、湖沼、海などの水面から露出して存在する岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物の破砕に、上記破砕技術をそのまま適用するのは困難であった。例えば図1(a)に示すように、岩盤2が広範囲にわたって隆起して河川1の幅を狭くしているケースでは、当該岩盤2を取り除いて洪水が流れる面積を広くすることが望まれる。また、岩盤2の一部を破砕して調整池などの整備する計画もある。このような場合、岩盤のうち河川1に面している領域(以下「水際隣接領域」という)を従来の破砕技術を用いて破砕すると、その際に発生する土砂などが大量に河川に流れ込み、川の水を濁らせてしまうなどの環境破壊につながる。特に、当該河川1の水が水道料用水や農業用水として利用されるとき、大量の土砂流入を回避する必要があるが、従来の破砕技術では、これを回避するのが難しかった。
【0005】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、環境破壊を防止しつつ、河川、湖沼、海などの水面から露出して存在する岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕することができる破砕工法および当該破砕工法に好適な割岩装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、水面から露出して存在する被破砕物を破砕する破砕工法であって、被破砕物のうち水面と接している水際に沿って水際隣接領域を残して被破砕物の中央領域に所定深さのピットを形成するピット形成工程と、 ピットのうち水際隣接領域に対向する対向領域に第1盛り土を形成する盛り土形成工程と、水際隣接領域の一部を破砕予定領域とし、第1盛り土を挟んでピットと対向するように破砕予定領域に削孔を形成する削孔形成動作、削孔が形成された破砕予定領域を破砕する破砕動作、および破砕動作により破砕された破砕物を破砕予定領域から除去するとともに第2盛り土を形成して埋め戻す埋戻動作を含む破砕埋戻工程とを、備え、破砕予定領域を水際に沿って移動させながら破砕埋戻工程を水際隣接領域全体にわたって実行することを特徴としている。
【0007】
また、本発明の第2態様は、破砕工法のうち破砕動作を実行するために削孔の周囲を割岩する割岩装置であって、削孔を形成された削孔形成方向に対して傾斜した第1楔側傾斜面と第1楔側傾斜面の傾斜方向と反対の方向に傾斜した第2楔側傾斜面とが先端部に設けられることで先端部が先細り形状を有し、第1楔側傾斜面を削孔の内壁面のうち水際側の第1壁面部位に向けた姿勢で、削孔に対して先端部を挿脱可能な楔部材と、第1楔側傾斜面に対して摺動可能な第1羽根側傾斜面と、第1壁面部位に当接可能な第1当接面とがピットの深さと同じまたは長くなるように延設された延設された水際側羽根部材と、第2楔側傾斜面に対して摺動可能な第2羽根側傾斜面と、内壁面のうち反水際側の第2壁面部位に当接可能な第2当接面とピットの深さと同じまたは長くなるように延設された延設された反水際側羽根部材と、を有し、削孔形成方向に沿った楔部材の移動に伴って第2羽根側傾斜面および第2羽根側傾斜面がそれぞれ第1楔側傾斜面に対して相対的に摺動することで、第2当接面が第2壁面部位に当接しつつ第1当接面が第1壁面部位を水際側に押圧し、ピットと同じ深さにわたって削孔から水際に向けて亀裂を発生させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
上記発明によれば、環境破壊を防止しつつ、河川、湖沼、海などの水面から露出して存在する岩盤、岩石、コンクリート構造物などの被破砕物を破砕することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明に係る破砕工法を施工した現場の施工前と施工後とを模式的に示す図である。
本発明に係る破砕工法の一実施形態における工程の一部を模式的に示す図である。
本発明に係る破砕工法の一実施形態における工程の一部を模式的に示す図である。
本発明に係る破砕工法の一実施形態における工程の一部を模式的に示す図である。
本発明に係る破砕工法の一実施形態における工程の一部を模式的に示す図である。
本発明に係る破砕工法の一実施形態における工程の一部を模式的に示す図である。
本発明に係る破砕工法の一実施形態における工程の一部を模式的に示す図である。
本発明に係る割岩装置で使用される割岩工具の一例を示す図である。
図3に示す構造の割岩工具を用いた破砕予定領域の破砕動作を示す図である。
楔部材と羽根部材とに設けられた溝部の対向関係を示す模式図である。
本発明に係る割岩装置で使用される割岩工具の他の例を示す図である。
本発明に係る割岩装置で使用される割岩工具の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明に係る破砕工法を施工した現場の施工前と施工後とを模式的に示す図であり、同図(a)が施工前を示し、同図(b)が施工後を示している。同図では、破砕工法の施工対象の一例として、河川1の流域において広範囲にわたって隆起している岩盤2が示されている。この岩盤2の存在により、河川1の幅が局所的に狭くなっており、洪水の脅威にさらされている。そこで、岩盤2の一部を利用して治水設備などを設置する、あるいは岩盤2の撤去により河川1の水位を下げるなどが計画されることがある。このような計画を円滑に進めるために、例えば同図(b)に示すように岩盤2の中央領域2aを除去する一方で、岩盤2のうち河川1に面している領域を、つまり水際隣接領域2bについては岩盤2を破砕し、埋め戻すことが提案されている。なお、水際隣接領域2bについては、建設機械や運搬車両などが走行するとともに各種作業できる程度の幅を確保するのが望ましい。そこで、本実施形態では、次に詳述するように、本発明の「被破砕物」の一例である岩盤2に対し、ピット形成工程と、盛り土形成工程と、破砕埋戻工程とを実行している。以下、図面を参照しつつ本発明に係る破砕工法の一実施形態について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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