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公開番号2025037007
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-17
出願番号2023143710
出願日2023-09-05
発明の名称シールド掘進機
出願人株式会社奥村組
代理人個人
主分類E21D 9/06 20060101AFI20250310BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】後胴内筒部と後胴外筒部との間に土砂が噛み込まれずに後胴プレートを短くできるシールド掘進機を得る。
【解決手段】全長が長い第1の状態と短い第2の状態とに伸縮可能な後胴プレート5bと、後胴外筒部5bbと後胴内筒部5baの間をシールするシールリング30a,30bと、後胴内筒部5baの外周面に水を噴射する噴射孔33と、第1の状態でシールリング30a,30bの間に臨むように形成された注入孔31と、第1の状態で内筒外周部空間に臨み、第2の状態でシールリング30a,30bの間に臨むように形成された注入孔32と、第1の状態のときに注入孔31からシールリング30a,30b間にグリースを注入し、第2の状態への移行時と移行後に注入孔32からシールリング30a,30b間にグリースを注入するグリース注入装置41と、後胴内筒部5baの外周面に水を噴射後に注入孔32から滑剤を注入する滑剤注入装置42とを有する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
カッタヘッドが設置された前胴部と、
前記前胴部側に位置して複数本のシールドジャッキが設けられた後胴内筒部、および前記後胴内筒部に後続して当該後胴内筒部と部分的に重なり合うとともに軸方向に移動可能な後胴外筒部を備え、前記後胴内筒部と前記後胴外筒部とで形成される全長が相対的に長くなった第1の状態と相対的に短くなった第2の状態とに伸縮可能な後胴部とからなり、
前記後胴外筒部の内周面においてトンネル軸方向に沿って前記前胴部側に2段に設けられ、当該後胴外筒部と前記後胴内筒部との間をシールするシール部材と、
前記前胴部の後端面に形成され、前記前胴部の後端面と前記後胴外筒部の先端面との間に位置する前記後胴内筒部の外周に形成される空間である内筒外周部空間に向けて前記第1の状態のときに水を噴射する噴射孔と、
前記第1の状態で2段に設けられた前記シール部材の間に臨むようにして前記後胴内筒部に形成された第1の注入孔と、
前記第1の状態で前記内筒外周部空間に臨み、前記第2の状態で2段に設けられた前記シール部材の間に臨むようにして前記後胴内筒部に形成された第2の注入孔と、
前記第1の状態のときに第1の注入圧で前記第1の注入孔から2段に設けられた前記シール部材の間に止水剤を注入し、前記第1の状態から前記第2の状態へと移行するときは、前記第1の注入圧で前記第2の注入孔から前記内筒外周部空間に止水剤を注入し、前記第2の注入孔に前記後胴外筒部が重なった後は、前記後胴外筒部の内周面と前記後胴内筒部の外周面との隙間への止水剤の注入を継続し、前記第2の状態のときには、前記第1の注入圧で前記第2の注入孔から2段に設けられた前記シール部材の間に止水剤を注入する第1の注入手段と、
前記第1の状態のときであって前記噴射孔から前記内筒外周部空間に向けて水を噴射した後に、前記第1の注入圧よりも低い第2の注入圧で前記第2の注入孔から前記内筒外周部空間に滑剤を注入する第2の注入手段とを有する、
ことを特徴とするシールド掘進機。
続きを表示(約 71 文字)【請求項2】
前記第1の注入手段で注入される止水剤はグリースである、
ことを特徴とする請求項1記載のシールド掘進機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド掘進機に関するものである。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
地盤を掘削してトンネルや地下鉄などシールドトンネルの掘削に使用される装置として、シールド掘削機が知られている。
【0003】
このシールド掘削機はスキンプレートの進行方向先端にカッタヘッドが回転可能に設置されており、当該カッタヘッドにはビットが円周状・放射状に複数配置されている。そして、カッタヘッドを掘削面(切羽)に押し付けて回転させながら進むことにより、地盤が円形に掘削されていく。このとき、シールド掘削機の機内では、筒状に組み立てられたセグメントがシールド掘削機の掘進に合わせてスキンプレートの後方に押し出される。
【0004】
このようなシールド掘進機を用いてシールドトンネルの曲線部を施工する際には、中折れジャッキによりシールド掘進機を中折れ操作して当該シールド掘進機を曲線に合わせて屈曲させている。
【0005】
ここで、シールド掘進機を構成するスキンプレートの後端には、シールド工事においてスキンプレートとセグメントの間をシールしてシールド掘進機内への地下水侵入を防止するためのテールシールが設けられている。このテールシールはセグメントの外周面に押し当てられた状態でシールド掘進機の掘進に伴って移動する。
【0006】
ところで、最近のシールドトンネルの傾向として、トンネルの長距離化が進んでいる(一般的に、1.5km以上が長距離、3.0km以上が超長距離と呼ばれる。)。このようなシールドトンネルの長距離化に伴うテールシールの劣化や損傷(シール部材自体の変形、ワイヤブラシの抜けや変形など)に因って、セグメントに不具合が生じたり、推力が異常に上昇したりする等、様々なトラブルが発生している。そこで、このようなトラブルを未然に回避するために、掘進途中において、テールシールの交換作業が必要になる。
【0007】
そこで、後胴部のスキンプレートを伸縮可能な2重構造にしておき、急曲線施工時やテールシールの交換作業時には後胴部の長さを相対的に短くして、急曲線を曲がりやすくしたり、テールシールを機内に露出して交換することが考えられる。
【0008】
なお、シールド掘進機の後胴部を伸縮可能な2重構造にする技術については、例えば特許文献1に記載がある。この特許文献1では、後胴内筒部に形成されたグリース注入口から後胴内筒部の外周面または後胴外筒部の内周面に軸方向に沿って2段に設けられたシール部材の間にグリースを注入することにより、後胴部の長さを短くするときの後胴内筒部と後胴外筒部との摺動面をグリースで潤滑する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開平8-270378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した技術では、後胴外筒部を移動させて後胴部の長さを短くする場合、後胴内筒部と後胴外筒部との間に土砂等が噛み込まれてしまう。
(【0011】以降は省略されています)

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