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公開番号2024110547
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-16
出願番号2023015172
出願日2023-02-03
発明の名称複合材料
出願人TOTO株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C04B 35/577 20060101AFI20240808BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】精密な加工を行うことのできる複合材料を提供する。
【解決手段】複合材料10の断面SAには、シリコンを含む複数の第1領域S1と、炭化ケイ素を含む第2領域S2と、が含まれる。断面SAに含まれる複数の第1領域S1のそれぞれについて、第1領域S1の内側に配置し得る最大の内接楕円Eの短軸MNの長さであるL1を個別に算出し、L1の値と頻度との関係を示すグラフを描いた場合において、当該グラフのうち頻度が最も高くなる第1ピークP1、に対応するL1の値が1.5μm以下である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
シリコン及び炭化ケイ素を含む複合材料であって、
当該複合材料を平面に沿って切断した断面には、
前記シリコンを含む複数の第1領域と、
前記炭化ケイ素を含む第2領域と、が含まれ、
前記断面に含まれる複数の前記第1領域のそれぞれについて、前記第1領域の内側に配置し得る最大の楕円の短軸の長さであるL1を個別に算出し、前記L1の値と頻度との関係を示すグラフを描いた場合において、
当該グラフのうち頻度が最も高くなる第1ピーク、に対応する前記L1の値が1.5μm以下であることを特徴とする、複合材料。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記グラフには、前記第1ピークに加えて、頻度が2番目に高くなる第2ピークが存在することを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項3】
前記第2ピークに対応する前記L1の値が、1.5μmよりも大きく且つ2.5μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の複合材料。
【請求項4】
前記断面に含まれる複数の前記第1領域のそれぞれについて、更に、前記第1領域の内側に配置し得る最大の楕円の長軸の長さであるL2を個別に算出し、前記L2の値と頻度との関係を示すグラフを描いた場合において、
当該グラフのうち頻度が最も高くなる第1ピーク、に対応する前記L2の値が1.5μm以上であり且つ3.0μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の複合材料。
【請求項5】
シリコン及び炭化ケイ素を含む複合材料であって、
当該複合材料を平面に沿って切断した断面には、
前記シリコンを含む複数の第1領域と、
前記炭化ケイ素を含む第2領域と、が含まれ、
前記断面に含まれる複数の前記第1領域のそれぞれについて、前記第1領域の内側に配置し得る最大の楕円の長軸の長さであるL2を個別に算出し、前記L2の値と頻度との関係を示すグラフを描いた場合において、
当該グラフのうち頻度が最も高くなる第1ピーク、に対応する前記L2の値が1.5μm以上であり且つ3.0μm以下であることを特徴とする、複合材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン及び炭化ケイ素を含む複合材料に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
シリコン及び炭化ケイ素を含む複合材料は、「SiSiC」等とも称され、高い耐食性や耐熱性等を有する材料として知られている。下記特許文献1に記載されているように、上記複合材料は、例えば、粉末状の炭素及び炭化ケイ素からなる成型体に、溶融したシリコンを含浸させながら反応焼結させることにより得ることができる。
【0003】
上記複合材料は、比較的軽量でありながらも高い剛性を有し、更には高い熱伝導率も有する。このため、半導体製造装置等を含む様々な分野への応用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-348288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献において図等で示されているように、シリコン及び炭化ケイ素を含む複合材料を切断した場合の断面には、炭化ケイ素粒子の断面である複数の領域と、これらの間を埋めるようにマトリックス状に配置されたシリコンを含む領域と、が存在する。従来の複合材料においては、焼成前の原料に含まれていた炭化ケイ素粒子は、焼成の過程で殆ど粒成長しないことが知られている。従って、上記断面に表れる炭化ケイ素粒子の領域は、概ね元の大きさを保ちながら複数に分かれたままとなっており、それらの間では比較的広い隙間が空いている。その結果、断面において、炭化ケイ素粒子の隙間を埋めているシリコンの面積は比較的大きくなっている。
【0006】
複合材料のうちシリコンの部分は、炭化ケイ素の部分に比べて強度が低い。このため、従来の複合材料では、断面におけるシリコンの面積が比較的大きいことに起因して、加工時において削れ過ぎてしまう傾向があり、半導体製造装置等で求められるような精密な加工を行うことが難しいという問題があった。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、精密な加工を行うことのできる複合材料、を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る複合材料は、シリコン及び炭化ケイ素を含む複合材料であって、当該複合材料を平面に沿って切断した断面には、シリコンを含む複数の第1領域と、炭化ケイ素を含む第2領域と、が含まれる。断面に含まれる複数の第1領域のそれぞれについて、第1領域の内側に配置し得る最大の楕円の短軸の長さであるL1を個別に算出し、L1の値と頻度との関係を示すグラフを描いた場合において、当該グラフのうち頻度が最も高くなる第1ピーク、に対応するL1の値が1.5μm以下である。
【0009】
このような構成の複合材料の断面では、それぞれの第1領域について個別に算出された上記L1の値の分布を示すグラフを描くと、当該グラフのうち最も頻度の高い第1ピークに対応するL1の値が1.5μm以下となる。つまり、複合材料の断面に表れる複数の第1領域のうちの多くが、短軸が1.5μmもしくはそれ以下の楕円しか包含し得ない程度に小さな領域として分布する。その結果、断面において第1領域が占める割合は比較的小さくなっている。強度の低い部分である第1領域の割合が小さくなっており、加工時における「削れ過ぎ」が抑制されるため、当該複合材料に対しては従来に比べ精密な加工を行うことが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る複合材料では、グラフには、第1ピークに加えて、頻度が2番目に高くなる第2ピークが存在することも好ましい。本発明者らが行った実験によれば、製造時の条件を調整し、シリコンを含む第1領域を従来よりも小さくしていくと、L1の値と頻度との関係を示す上記グラフにおいて、2つ目のピーク(第2ピーク)が現れ始めるという知見が得られている。第2ピークが現れる程度にそれぞれの第1領域を小さくすることで、従来に比べて十分に加工性を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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