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公開番号2024165372
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081520
出願日2023-05-17
発明の名称免震装置
出願人清水建設株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類E04H 9/02 20060101AFI20241121BHJP(建築物)
要約【課題】現場での施工を容易かつ安価に行うことができる免震装置を提供する。
【解決手段】上部構造物12と下部構造物14との間の免震層16に設けられ、前記上部構造物12を支持するすべり支承18を備える免震装置10であって、前記すべり支承18は、前記下部構造物14の上面に設けられた金属製のすべり板22と、前記上部構造物12の下面に設けられて前記すべり板22の上面を摺動可能なすべり材28とを有し、前記すべり板22は、第一すべり板30と、前記免震層16の大変形領域の想定変位に対応するために第一すべり板30の外周部に継ぎ合わせた第二すべり板32とを有するようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
上部構造物と下部構造物との間の免震層に設けられ、前記上部構造物を支持するすべり支承を備える免震装置であって、
前記すべり支承は、前記下部構造物の上面に設けられた金属製のすべり板と、前記上部構造物の下面に設けられて前記すべり板の上面を摺動可能なすべり材とを有し、前記すべり板は、第一すべり板と、前記免震層の大変形領域の想定変位に対応するために第一すべり板の外周部に継ぎ合わせた第二すべり板とを有することを特徴とする免震装置。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
第一すべり板と第二すべり板を継ぎ合わせた継ぎ目の角部において、R加工または面取り加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
【請求項3】
第二すべり板の上面と、第一すべり板の上面の高さの差は、所定値未満に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置。
【請求項4】
第二すべり板は、前記すべり材の移動方向に間隔をあけて配置した複数の板片からなることを特徴とする請求項1または2に記載の免震装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、大変形に対応可能なすべり支承による免震装置に関するものである。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、免震構造が知られている。免震構造は、主に建物基礎部に免震層を設け、地震時に免震層が大きく水平変形することで上部構造の加速度応答を低減し、免震層で効率的に入力エネルギーを吸収する構造である。免震構造は、大地震時においても上部構造の応答加速度を大きく低減できることから、建物の構造被害を防ぐだけでなく、地震後の建物機能維持も可能とする高い耐震性能を実現する構造である。
【0003】
近年、建物設計時に考慮すべき地震動レベルは増大しており、南海トラフや相模トラフにおける巨大地震による長周期・長時間地震動や、上町断層などの内陸の活断層型地震による長周期パルス地震動などが懸念されている。特に、2016年の熊本地震において観測されたような長周期パルス地震動は、免震層に1mを超える過大な変形を生じさせ、ダンパー量(減衰量)の増加のみでは変形を十分に抑えきれない。このような地震動によって、免震層変位がクリアランスを超えて上部構造が擁壁に衝突すると上部構造に過大な加速度が生じ、損傷が生じる可能性がある。
【0004】
これを防ぐ対策としては、免震層の過大な変形を抑制する方法、および免震層を大変形に追従可能とする方法がある。免震層を大変形に追従可能とするためには、免震クリアランスを大きく確保することと、免震装置が従来以上に大きく変形できる必要がある。免震装置を大変形に対応可能とする方法の一つとして、すべり支承の大変形化がある。すべり支承は、すべり材がすべり板上を摺動する免震支承である(例えば、特許文献1を参照)。このすべり板をより大面積とすることで、すべり材が摺動可能な範囲が拡大し、より大変形に対応可能なすべり支承とすることができる。ただし、効率的な道路輸送を考慮するとすべり板のサイズは3m×3m程度が限界であり、それ以上の大面積になると、輸送のコストと手間が増大する。
【0005】
このような問題を解決するための方法として、合理的に輸送可能なサイズにすべり板を分割して現場に運び入れ、現場にてすべり板を繋げることですべり支承の摺動範囲を広げる方法が知られている。例えば、特許文献2、3には、下部構造物に固定されるすべり板と、すべり板に摺動可能に当接するすべり材を有するすべり支承本体とを備える構成が示されている。すべり板として樹脂材料とステンレス鋼板などの金属板を接続したものを使用し、摺動範囲を拡大する、あるいは摩擦係数を変化させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-250394号公報
特開2019-82219号公報
特開2021-156390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記の特許文献2、3に記載のすべり板は、樹脂材料と金属材料という異種材料を接続するものであるため、現場での施工が難しくなるおそれがある。また、樹脂材料は一般に高価なため、コストアップを招いてしまう。このため、すべり支承の摺動範囲を広げた免震装置を実現する場合において、現場での施工を容易かつ安価に行うことができる技術が求められていた。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、現場での施工を容易かつ安価に行うことができる免震装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る免震装置は、上部構造物と下部構造物との間の免震層に設けられ、前記上部構造物を支持するすべり支承を備える免震装置であって、前記すべり支承は、前記下部構造物の上面に設けられた金属製のすべり板と、前記上部構造物の下面に設けられて前記すべり板の上面を摺動可能なすべり材とを有し、前記すべり板は、第一すべり板と、前記免震層の大変形領域の想定変位に対応するために第一すべり板の外周部に継ぎ合わせた第二すべり板とを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の免震装置は、上述した発明において、第一すべり板と第二すべり板を継ぎ合わせた継ぎ目の角部において、R加工または面取り加工が施されていることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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