TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025064742
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-17
出願番号2023174703
出願日2023-10-06
発明の名称組積造構造物の補強構造および補強方法
出願人清水建設株式会社
代理人弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類E04G 23/02 20060101AFI20250410BHJP(建築物)
要約【課題】外観に影響を与えることなく、大きな補強効果が得られる組積造構造物の補強構造および補強方法を提供する。
【解決手段】組積材12を積み上げてなる既設の組積造構造物10を補強する構造であって、前記組積造構造物10の妻面22から内部に向けて横方向に延びる横孔24と、前記横孔24に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部に定着部28を有する棒状材26と、前記棒状材26を埋設する態様で前記横孔24内に充填された固化材30とを備えるようにする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する構造であって、
前記組積造構造物の妻面から内部に向けて横方向に延びる横孔と、
前記横孔に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部に定着部を有する棒状材と、
前記棒状材を埋設する態様で前記横孔内に充填された固化材とを備えることを特徴とする組積造構造物の補強構造。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する構造であって、
前記組積造構造物の一方の妻面から他方の妻面まで貫通し、横方向に延びる横孔と、
前記横孔に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部にねじ部を有する棒状材と、
前記組積造構造物の妻面の外側に突出した前記ねじ部、または、前記組積造構造物の妻面の内側に収容配置した前記ねじ部に接合した定着材を有する定着部と、
前記棒状材を埋設する態様で前記横孔内に充填された固化材とを備えることを特徴とする組積造構造物の補強構造。
【請求項3】
組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する構造であって、
前記組積造構造物の正面および背面の少なくとも一方の横方向の目地の表面から内部に向けて横方向に延びる横溝と、
前記横溝に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部にねじ部を有する棒状材と、
前記組積造構造物の妻面の外側に突出した前記ねじ部、または、前記組積造構造物の妻面の内側に収容配置した前記ねじ部に接合した定着材を有する定着部と、
前記棒状材を埋設する態様で前記横溝内に充填された固化材とを備えることを特徴とする組積造構造物の補強構造。
【請求項4】
前記棒状材が、前記組積造構造物の内部に配置した継手で横方向に接続されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の組積造構造物の補強構造。
【請求項5】
前記横孔が、上下方向に間隔をあけて複数設けられることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の組積造構造物の補強構造。
【請求項6】
組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する方法であって、
前記組積造構造物の妻面から内部に、横方向に延びる横孔を設けるステップと、
前記横孔に、緊張材または補強材として機能するとともに端部に定着部を有する棒状材を挿通配置するステップと、
前記横孔内に固化材を充填して前記棒状材を埋設するステップとを有することを特徴とする組積造構造物の補強方法。
【請求項7】
組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する方法であって、
前記組積造構造物の一方の妻面から他方の妻面まで貫通し、横方向に延びる横孔を設けるステップと、
前記横孔に、緊張材または補強材として機能するとともに端部にねじ部を有する棒状材を挿通配置し、前記組積造構造物の妻面の外側に突出した前記ねじ部、または、前記組積造構造物の妻面の内側に収容配置した前記ねじ部に定着材を接合して定着部を設けるステップと、
前記横孔内に固化材を充填して前記棒状材を埋設するステップとを有することを特徴とする組積造構造物の補強方法。
【請求項8】
組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する方法であって、
前記組積造構造物の正面および背面の少なくとも一方の横方向の目地の表面から内部に向けて横方向に延びる横溝を設けるステップと、
前記横溝に、緊張材または補強材として機能するとともに端部にねじ部を有する棒状材を挿通配置し、前記組積造構造物の妻面の外側に突出した前記ねじ部、または、前記組積造構造物の妻面の内側に収容配置した前記ねじ部に定着材を接合して定着部を設けるステップと、
前記横溝内に固化材を充填して前記棒状材を埋設するステップとを有することを特徴とする組積造構造物の補強方法。
【請求項9】
前記棒状材を、前記組積造構造物の内部に配置した継手で横方向に接続することを特徴とする請求項6~8のいずれか一つに記載の組積造構造物の補強方法。
【請求項10】
前記横孔を、上下方向に間隔をあけて複数設けることを特徴とする請求項6~8のいずれか一つに記載の組積造構造物の補強方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、組積造構造物の補強構造および補強方法に関し、例えばレンガ壁などの既設の組積造構造物のひびわれを補強または補修する組積造構造物の補強構造および補強方法に関するものである。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、レンガ壁などの組積造構造物の耐震補強においては、文化財的価値を維持するために、外観に与える影響が小さい補強工法が求められることが多い。外観に与える影響が小さい工法として、レンガ壁体に頂部から鉛直に孔を堀り、中に鉄筋等の鉛直補強材を挿入し、孔内にグラウトを充填することにより、レンガ壁体の構造性能を向上させる工法がある(例えば、特許文献1を参照)。この工法では、レンガ壁の曲げ耐力や、水平目地でのせん断すべり破壊耐力を向上させる効果はあるものの、レンガ壁が斜めひびわれにより破壊することに対しての補強効果は小さい。
【0003】
一方、補強効果が高い工法として、レンガ壁の内側に鉄筋コンクリート造の壁を増し打ちする補強工法や鉄骨フレームを設置する工法がある。しかし、これらの工法は、外観に大きな影響を及ぼすという問題がある。
【0004】
これら以外の補強工法として、水平目地内にアラミドロッドを埋め込んで補強する工法(例えば、特許文献2、3を参照)や、ステンレス筋を埋め込んで補強する工法(例えば、特許文献4を参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-281033号公報
特許第4874416号公報
特開2010-265729号公報
特開2020-165217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記の特許文献2、3のような補強工法では、アラミドロッドと水平目地の目地モルタルとの付着が小さく、大きな補強効果が得られないおそれがある。上記の特許文献4の補強工法についても同様のおそれがある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、外観に影響を与えることなく、大きな補強効果が得られる組積造構造物の補強構造および補強方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る組積造構造物の補強構造は、組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する構造であって、前記組積造構造物の妻面から内部に向けて横方向に延びる横孔と、前記横孔に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部に定着部を有する棒状材と、前記棒状材を埋設する態様で前記横孔内に充填された固化材とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他の組積造構造物の補強構造は、組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する構造であって、前記組積造構造物の一方の妻面から他方の妻面まで貫通し、横方向に延びる横孔と、前記横孔に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部にねじ部を有する棒状材と、前記組積造構造物の妻面の外側に突出した前記ねじ部、または、前記組積造構造物の妻面の内側に収容配置した前記ねじ部に接合した定着材を有する定着部と、前記棒状材を埋設する態様で前記横孔内に充填された固化材とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の組積造構造物の補強構造は、組積材を積み上げてなる既設の組積造構造物を補強する構造であって、前記組積造構造物の正面および背面の少なくとも一方の横方向の目地の表面から内部に向けて横方向に延びる横溝と、前記横溝に挿通配置され、緊張材または補強材として機能するとともに端部にねじ部を有する棒状材と、前記組積造構造物の妻面の外側に突出した前記ねじ部、または、前記組積造構造物の妻面の内側に収容配置した前記ねじ部に接合した定着材を有する定着部と、前記棒状材を埋設する態様で前記横溝内に充填された固化材とを備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

清水建設株式会社
構造物
23日前
清水建設株式会社
耐風装置
29日前
清水建設株式会社
制振装置
24日前
清水建設株式会社
混合構造梁
1か月前
清水建設株式会社
ビス打ち装置
2か月前
清水建設株式会社
放射線遮蔽壁
1か月前
清水建設株式会社
ブレーキ装置
1か月前
清水建設株式会社
土壌浄化装置
24日前
清水建設株式会社
土壌浄化装置
24日前
清水建設株式会社
集塵ユニット
3日前
清水建設株式会社
自動ビス打ち機
2か月前
清水建設株式会社
床版取替え方法
22日前
清水建設株式会社
放射線遮蔽構造
1か月前
清水建設株式会社
杭及び杭の施工方法
1か月前
清水建設株式会社
アバター診察システム
1か月前
清水建設株式会社
超々高層建物の通信システム
28日前
清水建設株式会社
コンクリート配管の接続構造
1か月前
清水建設株式会社
発塵源推定方法及び解析装置
14日前
清水建設株式会社
移動ロボットの位置推定システム
7日前
清水建設株式会社
浮体構造物および洋上風力発電施設
1か月前
清水建設株式会社
地下水揚水装置および地下水揚水方法
22日前
清水建設株式会社
地下水観測装置および地下水観測方法
22日前
清水建設株式会社
地下水観測装置および地下水観測方法
22日前
清水建設株式会社
建物の地震時変位応答を評価する方法
9日前
清水建設株式会社
構造体移動装置および構造体移動方法
17日前
清水建設株式会社
組積造構造物の補強構造および補強方法
1か月前
清水建設株式会社
地盤の剛性評価方法および剛性評価装置
15日前
清水建設株式会社
設備基礎の支持構造及び設備基礎の施工方法
24日前
清水建設株式会社
セメント硬化体、バイオ炭の分布の解析方法
22日前
清水建設株式会社
金属造形物製造装置、及び金属造形物製造方法
1か月前
清水建設株式会社
案内制御装置、案内制御方法、およびプログラム
1か月前
清水建設株式会社
情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
1か月前
清水建設株式会社
利用管理装置、利用管理方法、およびプログラム
24日前
清水建設株式会社
移動ロボットの位置推定システム及び位置推定方法
7日前
清水建設株式会社
設備制御システム、設備制御方法、およびプログラム
9日前
清水建設株式会社
吹付コンクリート評価装置及び吹付コンクリート評価方法
1日前
続きを見る