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公開番号2025076002
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023187585
出願日2023-11-01
発明の名称セメント硬化体、バイオ炭の分布の解析方法
出願人清水建設株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20250508BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】セメント硬化体に含まれるアンモニアガスの放散を効率的に抑制することができるセメント硬化体を提供する。
【解決手段】セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、バイオ炭と、を含む硬化性セメント組成物の硬化体からなり、バイオ炭の含有量が、1kg/m3以上200kg/m3以下であり、下記の解析方法で算出されるセメント硬化体の断面におけるバイオ炭の不均一性指標が100%以下である、セメント硬化体。
(解析方法)セメント硬化体の断面を画像解析によってバイオ炭を抽出したバイオ炭抽出画像に変換し、バイオ炭抽出画像を同一面積かつ同一形状にN分割(Nは2以上の自然数)し、その分割したバイオ炭抽出画像の中におけるバイオ炭の面積割合を算出し、面積割合の数値(N個)の平均と標準偏差から、特定の式で定義されるばらつき指標UCVで表わされる、セメント硬化体の断面におけるバイオ炭の不均一性指標を算出する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、バイオ炭と、を含む硬化性セメント組成物の硬化体からなるセメント硬化体であって、
前記バイオ炭の含有量が、1kg/m

以上200kg/m

以下であり、
下記の解析方法で算出される前記セメント硬化体の断面における前記バイオ炭の不均一性指標が100%以下である、セメント硬化体。
(解析方法)
前記セメント硬化体の断面を画像解析によってバイオ炭を抽出したバイオ炭抽出画像に変換し、前記バイオ炭抽出画像を同一面積かつ同一形状にN分割(Nは2以上の自然数)し、その分割したバイオ炭抽出画像の中における前記バイオ炭の面積割合を算出し、前記面積割合の数値(N個)の平均と標準偏差から、下記の式(1)で定義されるばらつき指標U
CV
で表わされる、前記セメント硬化体の断面における前記バイオ炭の不均一性指標を算出する。
TIFF
2025076002000008.tif
29
170
(式(1)において、Nは画像の分割数、A

は各分割画像におけるバイオ炭の面積割合、μ
bin
は各分割画像におけるバイオ炭の面積割合の平均を表す。)
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記画像解析は、デジタル顕微鏡に付属する画像解析ソフトウェアを用いて、輝度または明度により二値化することでバイオ炭が分布している箇所を抽出したバイオ炭抽出画像を得る方法、または、電子線マイクロアナライザーによる炭素マッピングを用いてバイオ炭が分布している箇所を抽出したバイオ炭抽出画像を得る方法である、請求項1に記載のセメント硬化体。
【請求項3】
セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、バイオ炭と、を含む硬化性セメント組成物の硬化体からなるセメント硬化体の断面において、前記バイオ炭の分布を解析するバイオ炭の分布の解析方法であって、
前記セメント硬化体の断面を画像解析によってバイオ炭を抽出したバイオ炭抽出画像に変換する第1の工程と、
前記バイオ炭抽出画像を同一面積かつ同一形状にN分割(Nは2以上の自然数)し、その分割したバイオ炭抽出画像の中における前記バイオ炭の面積割合を算出する第2の工程と、
前記面積割合の数値(N個)の平均と標準偏差から、下記の式(1)で定義されるばらつき指標U
CV
で表わされる、前記セメント硬化体の断面における前記バイオ炭の不均一性指標を算出する第3の工程と、を有する、バイオ炭の分布の解析方法。
TIFF
2025076002000009.tif
29
170
(式(1)において、Nは画像の分割数、A

は各分割画像におけるバイオ炭の面積割合、μ
bin
は各分割画像におけるバイオ炭の面積割合の平均を表す。)
【請求項4】
前記画像解析は、デジタル顕微鏡に付属する画像解析ソフトウェアを用いて、輝度または明度により二値化することでバイオ炭が分布している箇所を抽出したバイオ炭抽出画像を得る方法、または、電子線マイクロアナライザーによる炭素マッピングを用いてバイオ炭が分布している箇所を抽出したバイオ炭抽出画像を得る方法である、請求項3に記載のバイオ炭の分布の解析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント硬化体、およびバイオ炭の分布の解析方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
新築の美術館や博物館では、建材由来の化学物質による展示収蔵文化財の劣化が問題視されており、東文研による化学物質の室内推奨値が公開されている(例えば、非特許文献1参照)。
特に、構造材として大量に使用されるコンクリートからは、材料に含まれる窒素を元にアンモニアガスが発生する。特に、高炉スラグ微粉末を混入した配合では、多量のアンモニアガスが発生する(例えば、非特許文献2参照)。
アンモニア対策技術としては、「発生させない」、「持ち込まない」、「除去する」、「管理する」の4つが実施されている(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
美術館・博物館のための空気清浄化の手引き(平成31年3月)
小林 一輔、安 伸二、‘コンクリートにおけるアンモニアの発生機構’、コンクリート工学年次論文報告集、Vol.20,No.2,1998.
https://www.shimztechnonews.com/solution/key/key10.html
三谷 一房、岩波 洋、久保田 孝幸、大林 千英、堀 長生、川地 武、‘美術館・博物館におけるアンモニア抑制工法の開発’、大林組研究所報
鍵 直樹、田村 一、田中 貴織、藤井 修二、‘環境温度を考慮に入れた発生ガスフラックスのモデル化―建材における揮発性有機化合物の発生機構―’, 日本建築学会計画系論文集, 539, 45-49, 2001.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンモニアガスによる文化財の劣化を回避するためには、アンモニアガスの放散が落ち着くまでの「枯らし期間」を設ける。一般的には、新設コンクリートの打設後に、ふた夏(2年間)の枯らし期間が設けられる。しかしながら、竣工した建物を直ぐには供用できないため経済的でない。
【0005】
「発生させない」技術としては、例えば、アンモニアガスを吸着するシート(例えば、非特許文献4参照)等が知られている。しかしながら、この技術では、広範囲にシートを貼り付ける作業が必要である上に、さらに余計な化学物質を持ち込むことがある。
【0006】
「除去する」技術としては、例えば、活性炭を用いたケミカルフィルタを循環空調設備に組み込むことにより、室内に放散されたアンモニアを除去して、空気質を維持する方法が知られている。この技術では、常に循環空調設備を動かす必要があるため、フィルタの交換費用や電気代等のランニングコストが高額となる。
【0007】
活性炭がアンモニアを吸着する性質を生かして、コンクリートに活性炭(バイオ炭)を配合することにより、材料由来のアンモニアガスを効率的に捕集して、コンクリートからのアンモニアガス放散を抑制する手法が知られている。アンモニアガスを効率的に捕集するためには、コンクリート内にバイオ炭が均一に分散していることが好ましい。しかしながら、これまでは、バイオ炭のばらつき度合いを定量化する方法がなかった。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、セメント硬化体に含まれるアンモニアガスの放散を効率的に抑制することができるセメント硬化体を提供することを目的とする。また、本発明は、セメント硬化体におけるバイオ炭の分布を解析可能とするバイオ炭の分布の解析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]セメントと、水と、細骨材と、粗骨材と、バイオ炭と、を含む硬化性セメント組成物の硬化体からなるセメント硬化体であって、
前記バイオ炭の含有量が、1kg/m

以上200kg/m

以下であり、
下記の解析方法で算出される前記セメント硬化体の断面における前記バイオ炭の不均一性指標が100%以下である、セメント硬化体。
(解析方法)
前記セメント硬化体の断面を画像解析によってバイオ炭を抽出したバイオ炭抽出画像に変換し、前記バイオ炭抽出画像を同一面積かつ同一形状にN分割(Nは2以上の自然数)し、その分割したバイオ炭抽出画像の中における前記バイオ炭の面積割合を算出し、前記面積割合の数値(N個)の平均と標準偏差から、下記の式(1)で定義されるばらつき指標U
CV
で表わされる、前記セメント硬化体の断面における前記バイオ炭の不均一性指標を算出する。
【0010】
TIFF
2025076002000001.tif
29
170
(式(1)において、Nは画像の分割数、A

は各分割画像におけるバイオ炭の面積割合、μ
bin
は各分割画像におけるバイオ炭の面積割合の平均を表す。)
(【0011】以降は省略されています)

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