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公開番号
2024158345
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073477
出願日
2023-04-27
発明の名称
伸縮ブームの潤滑構造
出願人
株式会社タダノ
代理人
弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類
B66C
13/00 20060101AFI20241031BHJP(巻上装置;揚重装置;牽引装置)
要約
【課題】主に、間隔保持部および潤滑部の共通化によって、部材または設置スペースの少なくとも一方を削減し得るようにする。
【解決手段】
複数のブーム31,32が入れ子状に伸縮可能に嵌挿され、ブーム31,32に、リテーナ36に保持されたスライドプレート34が介在され、隣接するブーム31,32間に潤滑用のグリスを供給するグリス吐出口35が設けられる。リテーナ36は、シム37を保持する保持ピン41を設ける位置に、グリス吐出口35が形成される。スライドプレート34は、リテーナ36またはシム37と当接する取付面34aから、隣接するブーム31に面する摺接面34cまで貫通した連通孔45が設けられる。連通孔45は、グリス吐出口35と連通して、吐出されたグリスを取付面34aから摺接面34cに導く。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
複数のブームが入れ子状に伸縮可能に嵌挿され、
前記ブームに、リテーナに保持されたスライドプレートが介在され、隣接する前記ブーム間に潤滑用のグリスを供給するグリス吐出口が設けられた伸縮ブームの潤滑構造であって、
前記リテーナは、前記リテーナと前記スライドプレートの間に介在して前記スライドプレートの取付調整をするシムを保持する保持ピンを設ける位置に、前記グリス吐出口が形成され、
前記スライドプレートは、前記リテーナまたは前記シムと当接する取付面から、隣接する前記ブームに面する摺接面まで貫通した連通孔が設けられ、
当該連通孔は、前記グリス吐出口と連通して、吐出されたグリスを前記取付面から前記摺接面に導くことを特徴とする伸縮ブームの潤滑構造。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の伸縮ブームの潤滑構造であって、
前記ブームに、グリス給脂口が設けられ、
前記グリス給脂口から前記ブームに設けられた複数箇所の前記リテーナへ向けて複数のグリス管が設けられることを特徴とする伸縮ブームの潤滑構造。
【請求項3】
請求項1に記載の伸縮ブームの潤滑構造であって、
前記ブームの少なくとも1つの側面に、グリス給脂口が1箇所設けられ、
1箇所の前記グリス給脂口から、前記ブームの前記側面に設けられた2箇所の前記リテーナへ向けて各々グリス管が設けられ、
各々の前記グリス管は、先端が、前記リテーナから突出されることで、前記グリス吐出口を有する前記保持ピンになっていることを特徴とする伸縮ブームの潤滑構造。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の伸縮ブームの潤滑構造であって、
前記スライドプレートの前記連通孔は、前記グリス管よりも大径とされていることを特徴とする伸縮ブームの潤滑構造。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の伸縮ブームの潤滑構造であって、
前記リテーナは、前記シムを保持するために、前記保持ピンを、複数の位置に有しており、
前記グリス吐出口は、複数の前記保持ピンの位置のうち、前記ブームの先端部に最も近い前記保持ピンの位置に設けられていることを特徴とする伸縮ブームの潤滑構造。
【請求項6】
請求項3に記載の伸縮ブームの潤滑構造であって、
前記ブームの前記側面の1箇所の前記グリス給脂口から、前記ブームの前記側面に設けられた2箇所の前記リテーナへ向けて延びる各々の前記グリス管は、前記グリス給脂口を中心として各々の前記リテーナへ向かって同一長さ、同一内径の対称形状になっていることを特徴とする伸縮ブームの潤滑構造。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、伸縮ブームの潤滑構造に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
伸縮ブームは、複数のブームが入れ子状に伸縮可能に嵌挿され、ブームに、ブーム間の接触を防止するための間隔保持部として、リテーナに保持されたスライドプレートが介在されたものである(例えば、特許文献1参照)。ブームが伸縮する際には、スライドプレートは隣接するブームに対して摺動する。そのため、伸縮ブームには、スライドプレートの摺動を円滑にするための潤滑部として、隣接するブーム間に潤滑用のグリスを供給するグリス吐出口が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2005-53614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1は、間隔保持部および潤滑部を別々の構成にしていた。そのため、間隔保持部および潤滑部を別々にするのに、多くの部材や、多くの取付けスペースが必要になっていた。そこで、本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
伸縮ブームは、複数のブームが入れ子状に嵌挿されて伸縮可能なブームに、リテーナに保持されたスライドプレートが介在され、隣接するブーム間にグリスを供給するグリス吐出口が設けられたものである。
上記課題に対し、本発明の伸縮ブームの潤滑構造では、リテーナは、スライドプレートとの間に介在されるシムを保持する保持ピンの位置にグリス吐出口が形成される。スライドプレートは、リテーナまたはシムへの取付面から、隣接するブームとの摺接面まで連通孔が貫通される。連通孔は、グリス吐出口と連通してグリスを取付面から摺接面に導く。
この場合において、ブームに設けられたグリス給脂口から、ブームに設けられた複数箇所のリテーナへ向けて複数のグリス管が設けられても良い。
または、ブームの少なくとも1つの側面に設けられた1箇所のグリス給脂口から、ブームの側面に設けられた2箇所のリテーナへ向けて、グリス管が各々設けられ、各グリス管は、先端が、リテーナから突出されてグリス吐出口を有する保持ピンになっていても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、上記構成により、間隔保持部(スライドプレート)および潤滑部(グリス吐出口)が共通化され、部材または設置スペースの少なくとも一方を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
実施例1にかかる伸縮ブームの潤滑構造を適用する建設用車両(橋梁点検車)の、格納時および走行時の状態を示す側面図である。
図1の建設用車両(橋梁点検車)の作業時の状態を示す背面図である。
図2の伸縮ブームを示す図である。このうち、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
図3における、ブームの基端部または後端部の斜視図である。
図4のブームのリテーナにシムとスライドプレートとを取付ける状態を示す、一部省略した分解斜視図である。
図5の側面図である。
図6を後端側から見た端面図である。
(a)はシムを取付けずにリテーナにスライドプレートを設置した状態を示す、図7の部分的な拡大横断面図、(b)は(a)のスライドプレートを図の左側から見た図である。
(a)はシムを介してリテーナにスライドプレーを設置した状態を示す、図7の部分的な拡大横断面図、(b)は(a)のスライドプレートを図の左側から見た図である。
実施例および変形例を示す、図6と同様の側面図である。このうち、(a)は実施例、(b)は第一変形例、(c)は第二変形例、(d)は第三変形例である。
実施例2にかかる伸縮ブームの潤滑構造である。このうち、(a)はブームの端面図、(b)はブームの後端部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態は、図1~図10を用いて詳細に説明される。
【実施例】
【0009】
<構成>以下は、この実施例を示す橋梁1(図2)の点検に用いる橋梁点検車2の構成である。
〔橋梁点検車〕
図1の走行状態を示す側面図、および、図2の作業状態を示す背面図に示すように、橋梁点検車2は、前側にキャビン4、後側に荷台5を有して車輪3で走行する。荷台5には、複数の伸縮ブーム6~8を介して、作業台9が取付けられている。荷台5は、作業時に車体を安定させるアウトリガー11を、両側部に有する。
【0010】
図2に示すように、荷台5の上には、旋回部13を介して、ブーム支持部14が水平旋回可能に設置されている。なお、各伸縮ブーム6~8は、旋回部13に近い側を基端側または後側とし、作業台9に近い側を先端側または前側とする。また、伸縮ブーム6~8は、ブーム伸縮方向12の、伸長側を前側とし、収縮側を後側とする。
(【0011】以降は省略されています)
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