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公開番号2024157227
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-07
出願番号2023071458
出願日2023-04-25
発明の名称ウエーハの加工方法
出願人株式会社ディスコ
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類H01L 21/301 20060101AFI20241030BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】第一の面と反対側の第二の面とを有し、該第一の面に分割予定ラインを備えたウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法を提供する。
【解決手段】レーザー光線照射手段23における加工方法は、ウエーハ10の第一の面10aに保護部材を配設する工程と、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線LBの集光点をウエーハの第二の面10b側から内部に位置付けて照射して、第一の面に近い側に分割の起点となる第一の改質層を形成する工程と、ウエーハに外力を付与してウエーハを個々のチップに分割する工程と、改質層形成工程の前に、改質層形成によってウエーハの第一の面側が膨張して、生じる湾曲を抑制すべく透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面に近い側に位置付けて少なくとも環状の改質層110aを含む第二の改質層を形成する工程と、を含む。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
第一の面と反対側の第二の面とを有し、該第一の面に分割予定ラインを備えたウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法であって、
ウエーハの第一の面に保護部材を配設する保護部材配設工程と、
ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面側から分割予定ラインの内部に位置付けて照射して第一の面に近い側に分割の起点となる第一の改質層を形成する改質層形成工程と、
ウエーハに外力を付与してウエーハを個々のチップに分割する分割工程と、
該改質層形成工程の前に、該改質層形成工程によってウエーハの第一の面側が膨張して第二の面側に生じる湾曲を抑制すべく、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面に近い側に位置付けて照射して、少なくとも環状の改質層を含む第二の改質層を形成する湾曲抑制工程と、を含み構成されるウエーハの加工方法。
続きを表示(約 330 文字)【請求項2】
該湾曲抑制工程において形成される第二の改質層は、環状に形成される改質層に加え、放射状に形成される改質層を含む請求項1に記載のウエーハの加工方法。
【請求項3】
該分割工程は、ウエーハの第二の面側を研削して薄化すると共に分割予定ラインの内部に形成された該第一の改質層を起点としてウエーハを個々のチップに分割する請求項1に記載のウエーハの加工方法。
【請求項4】
ウエーハの第一の面には複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とが形成され、
該湾曲抑制工程の第二の改質層は、該外周余剰領域に対応する領域に形成される請求項1に記載のウエーハの加工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の面と反対側の第二の面とを有し、該第一の面に分割予定ラインを備えたウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウエーハは、レーザー加工装置によって分割の起点が形成されて個々のチップに分割され、携帯電話、パソコン等の電気機器に利用される。
【0003】
レーザー加工装置は、ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段とを相対的に加工送りする送り手段と、を含み構成されていて、高精度に分割予定ラインの内部に分割の起点となる改質層を形成することができる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-000931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ウエーハの裏面側から分割予定ラインに沿ってレーザー光線の集光点をウエーハの表面に近い側に位置付けて照射して改質層を形成すると、ウエーハの表面側が全体的に膨張して、ウエーハに表面側に凸となり裏面側が凹となる湾曲が生じて、チャックテーブルにウエーハが適切に保持されないことから、レーザー光線の集光点が適正な位置に位置付けられず、所望の位置に正確に改質層を形成できないという問題が生じる。当該問題は、ウエーハの表面に近い側に改質層を形成すると共に、該改質層から表面側の分割予定ラインに至るクラックを伸展させる場合に特に影響が大きくなる。
【0006】
本発明は、上記事実に鑑みなされたものであり、その主たる技術課題は、レーザー光線の集光点をウエーハの表面に近い側に位置付けて照射して改質層を形成し分割の起点とする場合であっても、ウエーハの表面側が膨張し、裏面側に湾曲が生じて、レーザー光線の集光点を適正な位置に位置付けられなくなるという問題を解消できるウエーハの加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、第一の面と反対側の第二の面とを有し、該第一の面に分割予定ラインを備えたウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法であって、ウエーハの第一の面に保護部材を配設する保護部材配設工程と、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面側から分割予定ラインの内部に位置付けて照射して第一の面に近い側に分割の起点となる第一の改質層を形成する改質層形成工程と、ウエーハに外力を付与してウエーハを個々のチップに分割する分割工程と、該改質層形成工程の前に、該改質層形成工程によってウエーハの第一の面側が膨張して第二の面側に生じる湾曲を抑制すべく、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面に近い側に位置付けて照射して、少なくとも環状の改質層を含む第二の改質層を形成する湾曲抑制工程と、を含み構成されるウエーハの加工方法が提供される。
【0008】
該湾曲抑制工程において形成される第二の改質層は、環状に形成される改質層に加え、放射状に形成される改質層を含むことが好ましい。また、該分割工程は、ウエーハの第二の面側を研削して薄化すると共に分割予定ラインの内部に形成された該第一の改質層を起点としてウエーハを個々のチップに分割する工程であることが好ましい。さらに、該ウエーハの第一の面には複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されたデバイス領域と、該デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とが形成され、該湾曲抑制工程の第二の改質層は、該外周余剰領域に対応する領域に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のウエーハの加工方法は、第一の面と反対側の第二の面とを有し、該第一の面に分割予定ラインを備えたウエーハを個々のチップに分割するウエーハの加工方法であって、ウエーハの第一の面に保護部材を配設する保護部材配設工程と、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面側から分割予定ラインの内部に位置付けて照射して第一の面に近い側に分割の起点となる第一の改質層を形成する改質層形成工程と、ウエーハに外力を付与してウエーハを個々のチップに分割する分割工程と、該改質層形成工程の前に、該改質層形成工程によってウエーハの第一の面側が膨張して第二の面側に生じる湾曲を抑制すべく、ウエーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線の集光点をウエーハの第二の面に近い側に位置付けて照射して、少なくとも環状の改質層を含む第二の改質層を形成する湾曲抑制工程と、を含み構成されることから、改質層形成工程を実施することにより発生するウエーハの第一の面側が凸となり第二の面側が凹となる湾曲を生じさせる力が抑制され、改質層形成工程を実施する際に、レーザー光線の集光点が適正な位置に位置付けられず、第一の改質層が所望の位置に形成されないという問題が解消するウエーハの加工方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
保護部材配設工程の実施態様を示す斜視図である。
レーザー加工装置のチャックテーブルにウエーハを保持する態様を示す斜視図である。
(a)湾曲抑制工程の実施態様を示す斜視図、(b)(a)に示す湾曲抑制工程におけるウエーハの一部拡大断面図である。
(a)第二の改質層の形態を示す概略平面図及び一部拡大断面図、(b)第二の改質層の別の形態を示す概略平面図及び一部拡大断面図である。
(a)図4(a)に示す第二の改質層に放射状の改質層を形成した形態を示す概略平面図、(b)図4(b)に示す第二の改質層に放射状の改質層を形成した形態を示す概略平面図である。
(a)改質層形成工程の実施態様を示す斜視図、(b)(a)に示す実施態様の一部拡大断面図である。
(a)分割工程の実施態様を示す斜視図、(b)分割工程によって個々のチップに分割されたウエーハを示す斜視図である。
テープ貼り替え工程の実施態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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