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公開番号
2024163583
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-22
出願番号
2023079330
出願日
2023-05-12
発明の名称
全固体二次電池
出願人
株式会社ADEKA
代理人
主分類
H01M
4/60 20060101AFI20241115BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】充放電容量が大きく、サイクル特性等の充放電特性に優れた全固体二次電池を提供すること。
【解決手段】正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、前記正極層と前記負極層との間に、固体電解質層とを有する全固体二次電池において、前記負極活物質として、有機硫黄系電極活物質を使用することにより、充放電容量が大きくなるとともに、充放電サイクル特性が向上し、充放電を繰り返しても充放電容量が下がりにくい全固体二次電池を提供できる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、前記正極層と前記負極層との間に、固体電解質層とを有する全固体二次電池であって、前記負極活物質が有機硫黄系電極活物質である全固体二次電池。
続きを表示(約 210 文字)
【請求項2】
前記有機硫黄系電極活物質が硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物である請求項1に記載の全固体二次電池。
【請求項3】
前記正極活物質がリチウム遷移金属酸化物又はリチウム含有遷移金属リン酸化合物である請求項1又は2に記載の全固体二次電池。
【請求項4】
前記固体電解質層の固体電解質が硫化物系固体電解質又はポリマー系固体電解質である請求項1又は2に記載の全固体二次電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体二次電池に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、二次電池として汎用的に使用されているリチウムイオン二次電池は、イオンを移動させるための媒体である電解液に溶媒として有機溶媒が使用されている。このためリチウムイオン二次電池では、電解液が漏出するという危険性があり安全性の高い電池が求められている。二次電池の安全性を高めるための一つの対策として、液体電解液に代えて固体電解質を電解質として用いた全固体二次電池の開発が進められている。しかしながら全固体二次電池は、液体電解質を用いた二次電池に比べて、サイクル特性等の充放電特性が劣り、二次電池としてはまだまだ満足できるものではなかった。
【0003】
硫黄変性ポリアクリロニトリル化合物等の有機硫黄系電極活物質は、充放電容量が大きく、液体電解液を使用したリチウムイオン二次電池の正極活物質(例えば、特許文献1~2を参照)又は負極活物質(例えば、特許文献3~4を参照)として検討されている。有機硫黄系電極活物質は、全固体二次電池においても正極活物質(例えば、特許文献5~6を参照)として検討されているが、全固体二次電池の負極活物質としては知られていなかった。
【0004】
有機硫黄系電極活物質の硫黄含量は、充放電容量の点からは多い方が好ましい(例えば、特許文献2を参照)が、硫黄含量が多い有機硫黄系電極活物質を正極活物質として使用した場合、サイクル特性等の充放電特性が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2010/044437号
国際公開第2013/001693号
特開2014-096326号公報
国際公開第2019/225588号
国際公開第2015/030053号
国際公開第2021/075440号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、充放電容量が大きく、サイクル特性等の充放電特性に優れた全固体二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行なった結果、全固体二次電池の負極活物質として、有機硫黄系電極活物質を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、前記正極層と前記負極層との間に、固体電解質層とを有する全固体二次電池であって、前記負極活物質が有機硫黄系電極活物質である全固体二次電池である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、有機硫黄系電極活物質を負極活物質とすることにより充放電容量が大きく、サイクル特性等の充放電特性に優れた全固体二次電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔A.固体電解質層〕
本発明の全固体二次電池は、固体電解質層に、硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、ポリマー系固体電解質、錯体水素化物系固体電解質、リン酸系固体電解質及び有機分子結晶系固体電解質からなる群から選択される固体電解質を含む全固体二次電池である。固体電解質は、結晶性材料であってもよく、非晶質(アモルファス)材料であってもよい。硫化物系固体電解質は酸化物系固体電解質に比べて柔らかく、界面抵抗が小さくできることから、本発明の全固体二次電池の固体電解質は、硫化物系固体電解質又はポリマー系固体電解質であることが好ましい。
【0010】
硫化物系固体電解質としては、Li
2
S-P
2
S
5
系化合物、Li
2
S-SiS
2
系化合物、Li
2
S-GeS
2
系化合物、Li
2
S-B
2
S
3
系化合物、Li
2
S-P
2
S
3
系化合物、LiI-Si
2
S-P
2
S
5
、LiI-Li
2
S-P
2
O
5
、LiI-Li
3
PO
4
-P
2
S
5
、Li
10
GeP
2
S
12
等が挙げられる。なお、硫化物系固体電解質を指す「系化合物」という表現は、「系化合物」の前に記載した「Li
2
S」「P
2
S
5
」などの原料を主として含む固体電解質の総称として用いる。例えば、Li
2
S-P
2
S
5
系化合物には、Li
2
SとP
2
S
5
とを含み、さらに他の原料を含む固体電解質が含まれる。また、Li
2
S-P
2
S
5
系化合物には、Li
2
SとP
2
S
5
との混合比を異ならせた固体電解質も含まれる。
(【0011】以降は省略されています)
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