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公開番号2025099044
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215390
出願日2023-12-21
発明の名称粒子表面が不燃材料でコーティングされた過硫酸塩粒子組成物、およびその製造方法
出願人東レ株式会社
代理人
主分類C01B 15/08 20060101AFI20250626BHJP(無機化学)
要約【課題】
粒子表面が不燃材料でコーティングされた不燃性の過硫酸塩粒子組成物、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る過硫酸塩粉末組成物は、粒子表面が不燃材料でコーティングされた過硫酸塩粒子組成物であって、不燃材料が過硫酸塩粒子組成物重量に対して1.55重量%~2.00重量%含まれることを特徴とする。これにより、日本国消防法における危険物第一類(酸化性固体)に該当しない、不燃化された過硫酸塩粒子組成物を提供することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
過硫酸塩粒子表面が不燃材料でコーティングされた過硫酸塩粒子組成物であって、不燃材料が過硫酸塩粒子組成物重量に対して1.55重量%~2.00重量%含まれる過硫酸塩粒子組成物。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
不燃材料が、過硫酸塩に対し不活性である無機化合物および有機化合物の中から選ばれる少なくとも一種である、請求項1に記載の過硫酸塩粒子組成物。
【請求項3】
不燃材料が、水溶性無機化合物である、請求項1に記載の過硫酸塩粒子組成物。
【請求項4】
不燃材料が、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、および塩化カルシウムから選ばれる少なくとも一種である、請求項3に記載の過硫酸塩粒子組成物。
【請求項5】
過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、および過硫酸ナトリウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の過硫酸塩粒子組成物。
【請求項6】
日本国消防法の危険物第一類(酸化性固体)に該当しない請求項1記載の過硫酸塩粒子組成物。
【請求項7】
日本国消防法の危険物第一類(酸化性固体)の判定試験方法である燃焼試験において、木粉と混合した混合物に加熱したニクロム線を10秒間接触させた際に、着火、発炎しない請求項1に記載の過硫酸塩粒子組成物。
【請求項8】
溶媒に溶解または分散させた不燃材料および過硫酸塩粒子とを混合し、次いで溶媒を除去する過硫酸塩粒子組成物の製造方法。
【請求項9】
不燃材料が、過硫酸塩に対して不活性である無機化合物および有機化合物の中から選ばれる少なくとも一種である、請求項8に記載の過硫酸塩粒子組成物の製造方法。
【請求項10】
不燃材料が、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、および塩化カルシウムから選ばれる少なくとも一種である、請求項9に記載の過硫酸塩粒子組成物の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は粒子表面が不燃材料でコーティングされた過硫酸塩粒子組成物、およびその製造方法を提供するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
過硫酸アンモニウムに代表される過硫酸塩は、主に乳化重合の重合開始剤や酸化漂白剤、銅エッチング剤等で広く工業的に利用されている酸化性の固体である。このような酸化性固体は、日本国消防法により取り扱いが規制されており、消防法での危険物第一類(酸化性固体)と判定された場合、製造、運搬、貯蔵等において法令上厳しい制約を受ける。特に工場で取り扱う際には防火あるいは防爆設備の設置や保有空地等の確保が必要となるなど、コスト面において不利となる。
【0003】
前記の日本国消防法での危険物第一類(酸化性固体)の判定においては、燃焼試験、および落球式打撃感度試験が行われる。燃焼試験では、試験物品と木粉との混合物を燃焼させ、その燃焼時間と標準物質(臭素酸カリウム、過塩素酸カリウム)と木粉との混合物を燃焼させた際の燃焼時間とを比較し、ランク1~ランク3に分類される。具体的には、試験物品と木粉との混合物の燃焼時間が、臭素酸カリウムと木粉との混合物の燃焼時間以下の場合はランク1、臭素酸カリウムと木粉との混合物の燃焼時間を超え、過塩素酸カリウムと木粉との混合物の燃焼時間以下の場合はランク2、過塩素酸カリウムと木粉との混合物の燃焼時間を超える、または試験物品と木粉との混合物が不燃である場合はランク3となる。また、落球式打撃感度試験では、試験物品と赤リンの混合物に鋼球を落下させた際に爆発する確率と標準物質(塩素酸カリウム、硝酸カリウム)と赤リンの混合物に鋼球を落下させた際の爆発する確率を比較し、ランク1~ランク3に分類される。具体的には、試験物品と赤リンとの混合物が爆発する確率が、塩素酸カリウムと赤リンとの混合物が爆発する確率の2分の1以上の場合はランク1、塩素酸カリウムと赤リンとの混合物が爆発する確率の2分の1未満、かつ硝酸カリウムと赤リンとの混合物が爆発する確率の2分の1以上の場合はランク2、硝酸カリウムと赤リンとの混合物が爆発する確率の2分の1未満の場合はランク3となる。そしてこれら燃焼試験および落球式打撃感度試験の結果から、第1種酸化性固体、第2種酸化性固体、第3種酸化性固体、および非危険物のいずれに相当するか評価する。仮に燃焼試験でランク1、落球式打撃感度試験がランク3の場合であれば第1種酸化性固体と判定され、燃焼試験、落球式打撃感度試験のいずれもランク3であった場合は、非危険物と判定される。
【0004】
例えば過硫酸アンモニウムは、非特許文献1では消防法の危険物第一類(酸化性固体)に分類されている。一方で、非特許文献2では燃焼性がなく、消防法の危険物第一類(酸化性固体)に非該当と記載されているが、一般的に入手可能な過硫酸アンモニウム(富士フィルム和光純薬株式会社製、三菱ガス化学株式会社製、株式会社ADEKA製)について、発明者および複数の分析機関で、それぞれ前記の燃焼試験および落球式打撃感度試験を実施したところ、いずれの過硫酸アンモニウムについても、燃焼試験でランク1、落球式打撃感度試験でランク3となり、第1類酸化性固体に分類された。
【0005】
このように過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩は消防法の危険物第一類(酸化性固体)に分類されるため、工業的スケールで安全かつ低コストで取り扱うためには消防法第一類(酸化性固体)ではない、つまり非危険物とすることが求められる。具体的には、落球式打撃感度試験については純品でも最低ランクのランク3であることから、燃焼試験において不燃と判定されうる過硫酸塩を製造すれば、非危険物との判定を受けることができ、工業的スケールで取り扱う際に有利となる。
【0006】
燃焼試験において、可燃性物質を不燃化する方法として、特許文献1には硝酸塩にドデシルベンゼンスルホン酸等の酸素封止材をコーティングし、さらにシリカを付着させる方法が開示されている。特許文献2には、硝酸ストロンチウムおよび/または硝酸バリウムと、疎水性シリカを含む不燃性の粒子状組成物が開示されている。特許文献3には、バリウム化合物に、多孔質シリカと非多孔質シリカを含有する粉末状組成物が記載されている。しかしながら、いずれの文献にも過硫酸塩の不燃化については記載されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
厚生労働省 職場の安全サイト GHSモデルSDS情報 (https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0947.html)
過硫酸アンモニウムの安全データシート(三菱ガス化学株式会社)
【特許文献】
【0008】
特開2013-60310号公報
特開2014-55098号公報
特開2015-224178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上のように、不燃化された過硫酸塩粒子を得る方法は存在しない。そこで、本発明では、安価かつ簡便な方法で、粒子表面が不燃材料でコーティングされた不燃性の過硫酸塩粒子組成物、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、溶媒に溶解または分散させた不燃材料と過硫酸塩粒子とを混合させ、次いで溶媒を除去することにより、粒子表面を不燃材料でコーティングされた過硫酸塩粒子組成物を製造できることを見出した。さらには、不燃材料の含有量を過硫酸塩粒子組成物重量に対し、1.55重量%~2.00重量%とすることにより、不燃化され、日本国消防法における危険物第一類(酸化性固体)に該当しない過硫酸塩粒子組成物とすることができることを見出した。
(【0011】以降は省略されています)

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