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公開番号
2024159026
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023074749
出願日
2023-04-28
発明の名称
全固体電池
出願人
太陽誘電株式会社
代理人
個人
主分類
H01M
10/0585 20100101AFI20241031BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】 長期充放電サイクル特性の低下を抑制することができる全固体電池を提供する。
【解決手段】 固体電解質層と、固体電解質層の第1主面上に設けられ、電極活物質および固体電解質を含む第1内部電極層と、第1主面上において第1内部電極層の周囲に設けられた第1余白部と、固体電解質層の第2主面上に設けられ、電極活物質および固体電解質を含む第2内部電極層と、第2主面上において第2内部電極層の周囲に設けられた第2余白部と、を備え、第1余白部および第2余白部のビッカース硬度Hvが3GPa以上であり、第1内部電極層のビッカース硬度Hvに対する第1余白部のビッカース硬度Hvの比が1よりも大きい。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
固体電解質層と、
前記固体電解質層の第1主面上に設けられ、電極活物質および固体電解質を含む第1内部電極層と、
前記第1主面上において前記第1内部電極層の周囲に設けられた第1余白部と、
前記固体電解質層の第2主面上に設けられ、電極活物質および固体電解質を含む第2内部電極層と、
前記第2主面上において前記第2内部電極層の周囲に設けられた第2余白部と、を備え、
前記第1余白部および前記第2余白部のビッカース硬度Hvが3GPa以上であり、前記第1内部電極層のビッカース硬度Hvに対する前記第1余白部のビッカース硬度Hvの比が1よりも大きく、前記第2内部電極層のビッカース硬度Hvに対する前記第2余白部のビッカース硬度Hvの比が1よりも大きく、
前記ビッカース硬度Hvは、荷重3gf(=0.029N)下において対象箇所に圧子を15秒間押し込んだ後の圧痕の対角線の長さを読み取ることで算出される硬度である、全固体電池。
続きを表示(約 890 文字)
【請求項2】
前記固体電解質層、前記第1内部電極層、前記固体電解質層、および前記第2内部電極層が交互に複数回積層され、略直方体形状を有し、前記略直方体形状の第1端面に前記第1内部電極層が引き出され、前記略直方体形状の前記第1端面と対向する第2端面に前記第2内部電極層が引き出された積層チップが備わり、
前記第2余白部は、前記第1端面近傍において前記第1内部電極層同士が前記第2内部電極層を介さずに対向する領域に設けられ、
前記第1余白部は、前記第2端面近傍において前記第2内部電極層同士が前記第1内部電極層を介さずに対向する領域に設けられている、請求項1に記載の全固体電池。
【請求項3】
前記固体電解質層、前記第1内部電極層、前記固体電解質層、および前記第2内部電極層が交互に複数回積層され、略直方体形状を有し、前記略直方体形状の第1端面に前記第1内部電極層が引き出され、前記略直方体形状の前記第1端面と対向する第2端面に前記第2内部電極層が引き出された積層チップが備わり、
前記第1余白部は、前記積層チップにおいて、積層方向の上面、下面、前記第1端面、および前記第2端面以外の2側面から前記第1内部電極層に至るまでの領域に設けられ、
前記第2余白部は、前記積層チップにおいて、前記2側面から前記第2内部電極層に至るまでの領域に設けられている、請求項1に記載の全固体電池。
【請求項4】
前記固体電解質層、前記第1余白部、および前記第2余白部は、NASICON型の結晶構造を含むリン酸塩系固体電解質を含む、請求項1に記載の全固体電池。
【請求項5】
前記第1余白部および前記第2余白部の前記リン酸塩系固体電解質は、ガラスである、請求項4に記載の全固体電池。
【請求項6】
前記第1余白部および前記第2余白部は、Li-B-O系化合物、Li-Si-O系化合物、Li-C-O系化合物、Li-S-O系化合物、およびLi-P-O系化合物少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の全固体電池。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、全固体電池に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
現在、リチウムイオン二次電池は、民生機器、産業機械、自動車など様々な分野にて利用されている。しかしながら、既存のリチウムイオン二次電池は、電解液を含んでいるため、電解液の漏液・発煙・発火等のおそれがある。そのため、特に、大気中で安定な固体電解質を採用した全固体リチウムイオン二次電池の開発が盛んに行われている。代表的な固体電解質として、NASICON型の結晶構造を含むリン酸塩系固体電解質を適用した全固体電池が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-108258号公報
特開2021-140899号公報
特開2022-63272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全固体電池のサイクル特性の劣化要因の一つに、充放電に伴う活物質の体積膨張収縮によって電極層内部のイオン伝導パスおよび電子伝導パスの接続が切れ易いことが考えられる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、長期充放電サイクル特性の低下を抑制することができる全固体電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る全固体電池は、固体電解質層と、前記固体電解質層の第1主面上に設けられ、電極活物質および固体電解質を含む第1内部電極層と、前記第1主面上において前記第1内部電極層の周囲に設けられた第1余白部と、前記固体電解質層の第2主面上に設けられ、電極活物質および固体電解質を含む第2内部電極層と、前記第2主面上において前記第2内部電極層の周囲に設けられた第2余白部と、を備え、前記第1余白部および前記第2余白部のビッカース硬度Hvが3GPa以上であり、前記第1内部電極層のビッカース硬度Hvに対する前記第1余白部のビッカース硬度Hvの比が1よりも大きく、前記第2内部電極層のビッカース硬度Hvに対する前記第2余白部のビッカース硬度Hvの比が1よりも大きく、前記ビッカース硬度Hvは、荷重3gf(=0.029N)下において対象箇所に圧子を15秒間押し込んだ後の圧痕の対角線の長さを読み取ることで算出される硬度である。
【0007】
上記全固体電池において、前記固体電解質層、前記第1内部電極層、前記固体電解質層、および前記第2内部電極層が交互に複数回積層され、略直方体形状を有し、前記略直方体形状の第1端面に前記第1内部電極層が引き出され、前記略直方体形状の前記第1端面と対向する第2端面に前記第2内部電極層が引き出された積層チップが備わり、前記第2余白部は、前記第1端面近傍において前記第1内部電極層同士が前記第2内部電極層を介さずに対向する領域に設けられ、前記第1余白部は、前記第2端面近傍において前記第2内部電極層同士が前記第1内部電極層を介さずに対向する領域に設けられていてもよい。
【0008】
上記全固体電池において、前記固体電解質層、前記第1内部電極層、前記固体電解質層、および前記第2内部電極層が交互に複数回積層され、略直方体形状を有し、前記略直方体形状の第1端面に前記第1内部電極層が引き出され、前記略直方体形状の前記第1端面と対向する第2端面に前記第2内部電極層が引き出された積層チップが備わり、前記第1余白部は、前記積層チップにおいて、積層方向の上面、下面、前記第1端面、および前記第2端面以外の2側面から前記第1内部電極層に至るまでの領域に設けられ、前記第2余白部は、前記積層チップにおいて、前記2側面から前記第2内部電極層に至るまでの領域に設けられていてもよい。
【0009】
上記全固体電池において、前記固体電解質層、前記第1余白部、および前記第2余白部は、NASICON型の結晶構造を含むリン酸塩系固体電解質を含んでいてもよい。
【0010】
上記全固体電池において、前記第1余白部および前記第2余白部の前記リン酸塩系固体電解質は、ガラスであってもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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