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公開番号2024153683
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-29
出願番号2024111875,2021500411
出願日2024-07-11,2019-07-09
発明の名称NaV1.8を阻害するピリジンカルボキサミド化合物
出願人リーバー インスティチュート インコーポレイテッド,LIEBER INSTITUTE, INC.
代理人個人,個人,個人
主分類C07D 417/12 20060101AFI20241022BHJP(有機化学)
要約【課題】Nav1.8の活性又は発現の増加に関連する病態、疾患又は障害の症状を治療するのに有用なピリジンカルボキサミド化合物を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物:
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>JPEG</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024153683000228.jpg</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">30</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">48</com:WidthMeasure> </com:Image>
[Xは、-CH-又はN;Yは、C又はN;R1は、置換/非置換のアリール若しくはヘテロアリール;R2は、置換/非置換のアリール、ヘテロアリール及び複素環からなる群より選択され;R3は、YがCの場合、H、シアノ、ハロゲン、C1-C8アルコキシル等からなる群より選択され、Yが窒素の場合は存在せず;R4は、H、シアノ、ハロゲン、C1-C8アルコキシル等からなる群より選択され;又はR3及びR4は、一緒になってC3-C5炭素環を形成する]及びその薬学的に許容される塩。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
式(I)の化合物:
JPEG
2024153683000207.jpg
30
48
[式中、
Xは、-CH-又は窒素であり;
Yは、炭素又は窒素であるが、X及びYの少なくとも1つが窒素であることを条件とし;


は、アリール若しくはヘテロアリールであり、前記アリール若しくはヘテロアリール
は、非置換であるか、又はモノ-、ジ-及びトリハロ-C

-C

アルキル、置換若しく
は非置換C

-C

アルキル、C

-C
10
シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール
、シアノ、アミノ、ニトロ、アリールオキシル、アリール、C

-C

アルコキシル、モ
ノ-、ジ-若しくはトリハロアルコキシル、スルファニル、トリフルオロメチルスルファ
ニル並びにアリールアルコキシルからなる群より選択される1つ若しくは複数の基で置換
されており;


は、アリール、ヘテロアリール及び複素環からなる群より選択され、前記アリール、
ヘテロアリール及び複素環は、非置換であるか、又はモノ-、ジ-及びトリハロ-C




アルキル、置換若しくは非置換C

-C

アルキル、C

-C
10
シクロアルキル、
ハロゲン、ヘテロアリール、シアノ、アミノ、ニトロ、アリールオキシル、アリール、C

-C

アルコキシル、モノ-、ジ-若しくはトリハロアルコキシル、アリールアルコキ
シル、オキソ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルイミノスルファノ
ニル、アルキルスルホキシド、スルホンアミド、モルホリニル並びにオキサゾリルからな
る群より選択される1つ若しくは複数の基で置換されており;


は、Yが炭素の場合、水素、シアノ、ハロゲン、C

-C

アルコキシル、モノ-、
ジ-及びトリハロ-C

-C

アルキル、モノ-、ジ-及びトリハロ-C

-C

アルコ
キシル、置換又は非置換C

-C

アルキル、C

-C
続きを表示(約 6,400 文字)【請求項2】
請求項1に記載の化合物[式中、
Xは、-CH-又は窒素であり;
Yは、炭素又は窒素であるが、X及びYの少なくとも1つが窒素であることを条件とし;


は、フェニル若しくはピリジニルであり、前記フェニル若しくはピリジニルは、非置
換であるか、又は置換若しくは非置換C

-C

アルキル、ハロゲン、-O-R

(式中
、R

は、C

-C

アルキル、-CF

、-CHF

及び-(CH



-CF

(式
中、pは、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選択される整数である)か
らなる群より選択される)並びに-S-CF

からなる群より選択される1つ若しくは複
数の基で置換されており;


は、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジン-1
-オキシド、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル及び1,3-ベン
ゾチアゾリルからなる群より選択され、前記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダ
ジニル、ピリジン-1-オキシド、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-トリアゾ
リル及び1,3-ベンゾチアゾリルは、非置換であるか、又は非置換若しくは置換C




アルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、-O-R

(式中、R

は、C

-C

アル
キル、-CF

及び-CHF

からなる群より選択される)、-(CH



-OH(式
中、qは、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選択される整数である)、
-NR



(式中、R

及びR

は、H及びC

-C

アルキルからなる群より選択さ
れる)、モルホリニル、オキサゾリル、-C(=O)-R

(式中、R

【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、以下の構造を有する化合物:
JPEG
2024153683000208.jpg
40
54
[式中、
Xは、-CH-又は窒素であり;
Yは、炭素又は窒素であるが、X及びYの少なくとも1つが窒素であることを条件とし;


は、アリール、ヘテロアリール及び複素環からなる群より選択され、前記アリール、
ヘテロアリール及び複素環は、非置換であるか、又はモノ-、ジ-及びトリハロ-C




アルキル、置換若しくは非置換C

-C

アルキル、C

-C
10
シクロアルキル、
ハロゲン、ヘテロアリール、シアノ、アミノ、ニトロ、アリールオキシル、アリール、C

-C

アルコキシル、モノ-、ジ-若しくはトリハロアルコキシル、アリールアルコキ
シル、オキソ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルイミノスルファノ
ニル、アルキルスルホキシド、スルホンアミド、モルホリニル並びにオキサゾリルからな
る群より選択される1つ若しくは複数の基で置換されており;


は、Yが炭素の場合、水素、シアノ、ハロゲン、C

-C

アルコキシル、モノ-、
ジ-及びトリハロ-C

-C

アルキル、モノ-、ジ-及びトリハロ-C

-C

アルコ
キシル、置換又は非置換C

-C

アルキル、C

-C

シクロアルキル、-NO

から
なる群より選択され、Yが窒素の場合は存在せず;


は、水素、シアノ、ハロゲン、C

-C

アルコキシル、モノ-、ジ-及びトリハロ
-C

-C

アルキル、モノ-、ジ-及びトリハロ-C

-C

アルコキシル、置換若し
くは非置換C

-C

アルキル並びにモルホリニルからなる群より選択されるが、R


【請求項4】


が以下からなる群より選択される、請求項4に記載の化合物:
JPEG
2024153683000209.jpg
65
159
[式中、
mは、0、1、2、3及び4からなる群より選択される整数であり;

25
は、H、モルホリニル、オキサゾリル、ハロゲン、シアノ、-(CH



-OH
(式中、qは1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選択される整数である)
、-C(=O)-R

(式中、R

は、-NR



及びC

-C

アルキルからなる群
より選択され、R

及びR

は、H及びC

-C

アルキルからなる群より選択される)
、-S(=O)-R

、-S(=O)

-R

、-S(=O)(=NR
10
)-R
11

びに-N=S(=O)-(R
11


(式中、各R

は、独立して、C

-C

アルキル
、-CF

又は-NR



(式中、R

及びR

は、H及びC

-C

アルキルからな
る群より選択される)であり、R
10
はH又はC

-C

アルキルであり、R
11
はC

-C

アルキルである)からなる群より選択されるが、Yが窒素で、R

がフェニル又は
【請求項5】
式(I)の化合物が式(I-F)の化合物である、請求項1に記載の化合物:
JPEG
2024153683000210.jpg
44
62
[式中、


は、アリール及びヘテロアリールからなる群より選択され、前記アリール又はヘテロ
アリールは、任意選択で、シアノ、ヘテロシクロアルキル、-S(=O)-R

、-S(
=O)

-R

、-S(=O)(=NR
10
)-R
11
並びに-N=S(=O)-(R




(式中、各R

は、独立して、C

-C

アルキル、-CF

又は-NR




式中、R

及びR

は、H及びC

-C

アルキルからなる群より選択される)であり、

10
はH又はC

-C

アルキルであり、R
11
はC

-C

アルキルである)からな
る群より選択される置換基で置換されており;

12
は、ハロゲンであり;

13
は、C

-C

アルキルである]。
【請求項6】
前記アリール及びヘテロアリールが、フェニル、ベンゾチアゾリル、ピリジル、ピリジ
ルN-オキシド及びピリミジニルからなる群より選択され、それぞれが、任意選択で、シ
アノ、ヘテロシクロアルキル、-S(=O)-R

、-S(=O)

-R

、-S(=O
)(=NR
10
)-R
11
並びに-N=S(=O)-(R
11


(式中、各R

は、独
立して、C

-C

アルキル、-CF

又は-NR



(式中、R

及びR

は、H及
びC

-C

アルキルからなる群より選択される)であり、R
10
はH又はC

-C


ルキルであり、R
11
はC

-C

アルキルである)からなる群より選択される置換基で
置換されており;

12
が、フッ素であり;

13
が、メチルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】


が、1,3-ベンゾチアゾール-6-イル、3-モルホリノフェニル、3-シアノ
フェニル、4-シアノフェニル、3-ピリジル、4-ピリジル、6-シアノ-3-ピリジ
ル、3-メチルスルフィニルフェニル、3-オキサゾール-5-イルフェニル、3-ジメ
チルスルファモイルフェニル、1,3-ベンゾチアゾール-2-イル、ピリミジン-4-
イル、(トリフルオロスルホニル)フェニル、3-(メチルスルホンイミドイル)フェニ
ル、2-メトキシ-4-ピリジル、3-(N,S-ジメチルスルホンイミドイル)フェニ
ル、2-メチル-4-ピリジル、6-メチル-3-ピリジル、ピリダジン-4-イル及び
ジメチル(オキソ)-λ

-スルファニリデン]アミノ]フェニルからなる群より選択さ
れる、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が式(I-G)の化合物である、請求項1に記載の化合物:
JPEG
2024153683000211.jpg
30
74
[式中、


は、C

-C

アルキル、ハロゲン及びC

-C

アルコキシルのうちの1つ又は複
数で置換されたフェニルであり、前記C

-C

アルコキシルは、任意選択で、1つ又は
複数のハロゲンで置換されており;

14
は、C

-C

アルキルである]。
【請求項9】
前記R

が、2,4-ジクロロフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-クロロ-4
-メトキシフェニル、2-プロピルフェニル、2-メトキシ-4-メチルフェニル、2-
メトキシ-4-クロロフェニル、2-イソプロポキシフェニル、4-ジフルオロメトキシ
フェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2-クロロ-4-メトキシフェニル、3,4-
ジフルオロフェニル及び2-クロロ-4-フルオロフェニルからなる群より選択される、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が式(I-H-i)の化合物である、請求項1に記載の化合物:
JPEG
2024153683000212.jpg
30
76
[式中、


は、フェニル、ピリジル及び1,3-ベンゾチアゾール-4イルからなる群より選択
され、前記フェニル及びピリジルは、非置換であっても、又はハロゲン、C

-C

アル
キル、-O-R

(式中、R

は、C

-C

アルキル、-CF

、-CHF

及び-(
CH



-CF

(式中、pは、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選
択される整数である)からなる群より選択される)、-S-CF

、-NR



(式中
、R

及びR

は、H及びC

-C

アルキルからなる群より選択される)の1つ又は複
数で置換されていてもよく;


及びR

は、H又は-CF

であるが、R

がHの場合、R

は-CF

であり、R

がHの場合、R

は-CF

であることを条件とし;

14
は、C

-C

アルキルであり;

15
は、O又はNR
10
(式中、R
10
は、H又はC

-C

アルキルである)である
]。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年7月9日に出願された米国仮出願第62/695,571号の利
益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものである。
続きを表示(約 5,600 文字)【背景技術】
【0002】
現代の薬局方には、ステロイド性及び非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、アミン
再取り込み阻害剤及びオピオイド(鎮痛薬)など、急性及び慢性の疼痛に対する様々な治
療法がある。全てに不利な点があり、特に最近のオピオイド乱用の流行(Skolnic
k, 2018)を考慮して、疼痛管理の新規アプローチを開発するために広範な取り組
みが行われている(Yekkirala et al., 2017)。電位依存性ナト
リウムチャネル(Na

)(Catterall 2012)は、感覚ニューロンの神経
伝導において重要な役割を果たしていることを考えると、疼痛管理の合理的な標的である
(Ruiz et al.、2015)。
【0003】
主な孔形成αサブユニットには、全部で9つの既知サブタイプがある。Na

1.1、
Na

1.2及びNa

1.3サブタイプは主に中枢神経系(CNS)に発現し、Na

1.4及びNa

1.5は骨格筋及び心筋に豊富に存在する。Na

1.6は、末梢神経
系(PNS)とCNSとの両方に発現していることが示されているが、Na

1.7、N


1.8及びNa

1.9は、通常、PNSに限定されていると考えられている(Yu
and Catterall, 2003)。非選択的ナトリウムチャネル阻害剤は、
抗不整脈薬、抗痙攣薬及び局所麻酔薬として利用可能であるが、慢性疼痛の一般的な治療
に適したものはない(Eijkelkamp, et al., 2012)。チャネル
のNa

ファミリーは相同性が高く、選択的な薬物様リガンドを得ることは重要な課題で
ある(Bagal, et al, 2014)。しかしながら、特定のアイソフォーム
の選択的阻害剤(Jukic, et al., 2014)又は活性化剤(Deuis
, et al., 2017)の同定は、多くの障害において将来性がある。
【0004】
Na

1.7とNa

1.8との両アイソフォームは、PNSの侵害受容器に存在する
ことから、疼痛治療の標的として大きな注目を集めている(Jukic, et al,
2014)。このチャネルの広範なヒト遺伝学的検証(Bennett and Wo
ods, 2014)及び選択的な阻害剤クラスの発見(McCormack et a
l., 2013)を受けて、Na

1.7に向けて活発な取り組みが行われている(V
etter, et al., 2017)。しかし、いくつかの選択的Na

1.7阻
害剤のヒト臨床試験は期待外れなものであり(Donnell et al., 201
8; Zakrzewska et al., 2017)、Na

1.8が代替標的で
あることが示唆されている(Han et al., 2016)。
【0005】
Na

1.8ナトリウムチャネルの孔形成αサブユニットは、SCN10A遺伝子によ
ってコードされ、主に後根神経節(DRG)ニューロン並びに三叉神経節及び節状神経節
ニューロンに発現している(とはいえ、これらに限定されない)(Akopian et
al., 1996; Shields et al., 2012)。これらのニュ
ーロンは、活動電位の伝達及び反復発火に重要な神経活動電位の脱分極相で、ほとんどの
内向きナトリウム電流を仲介する(Akopian et al., 1999)。げっ
歯類のSCN10A遺伝子のノックアウト及びノックダウン研究では、炎症性及び神経因
性疼痛にNa

1.8が関与していることが示されている(Dong et al.,
2007)。SCN10Aのヘテロ接合性機能獲得型変異は、DRGニューロンの異常発
火を引き起こし、ヒトにおける有痛性小径線維ニューロパチーと関連しており、このこと
はNa

1.8と侵害受容ニューロンの機能との関連性をさらに高めている(Faber
et al., 2012)。
【0006】
Na

1.8阻害剤には、疼痛治療以外にも可能性がある。Na

1.8は脳内で発現
しており(Lu et al., 2015)、多発性硬化症(MS)の病因に関与して
いることを示す証拠が増えてきている。いくつかの報告では、Na

1.8が、実験的自
己免疫性脳脊髄炎(EAE)マウス(Black et al., 2000)及びMS
患者の小脳プルキンエニューロン(Damarjian et al., 2004)で
異所的に発現していることが示されている。Na

1.8が異所的に発現すると、小脳プ
ルキンエ細胞に異常な発火パターンが生じ、マウスモデルに運動失調の明らかな兆候がな
いにもかかわらず、運動協調性障害が生じる(Shields et al., 201
2)。
【0007】
重要なことには、Na

1.8遮断薬N-メチル-6-アミノ-5-(2,3,5-ト
リクロロフェニル)ピリジン-2-カルボキサミド(PF01247324)による治療
は、MSのマウスモデルにおける小脳障害を回復に向かわせ、それによってMSの治療に
向けた潜在的な新規アプローチを確立している(Shields et al., 20
15)。転写因子4(TCF4)を破壊したex vivo皮質発達モデルの皮質ニュー
ロンの生理機能に関するデータは、TCF4が通常CNSにおけるSCN10A遺伝子の
発現を抑制するというin vivoの証拠を実証している。TCF4ハプロ不全によっ
て定義されるピットホプキンス症候群(PTHS)と呼ばれる自閉症の遺伝的形態のex
vivo細胞モデル及び2つの独立したげっ歯類モデルにおいて(Sweatt, 2
013)、TCF4欠損は、活動電位出力の著しい低下を特徴とする異常な電気生理学的
表現型を生じさせ、これらの表現型はSCN10A(Na

1.8)の発現増加と関連す
ることが示された(Rannals et al., 2016)。さらに、これらのP
THSモデルでは、N-[6-アミノ-5-(2-クロロ-5-メトキシフェニル)ピリ
ジン-2-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド(PF 453
1083)及び5-4(-クロロフェニル)-N-(3,5-ジメトキシフェニル)フラ
ン-2-カルボキサミド(A-803467)などのNa

1.8阻害剤が、興奮性表現
型の一部を迅速に回復させることができることが示されている。これらの結果は、通常は
末梢に制限されているナトリウムチャネルNa

1.8の脳内での異所性発現が、PTH
Sの症状の一部を引き起こしている可能性があり、Na

1.8の阻害剤がPTHS患者
にとって治療的価値があることを示唆している。
【0008】
Na

1.8チャネルは、背中に関わる構造(Bucknill et al., 2
002)及び歯髄(Renton et al., 2005)にも発現しており、灼熱
痛(Shembalkar et al., 2001)及び炎症性腸疾患(Beyak
and Vanner, 2005)においてもNa

1.8チャネルが関与している
という証拠がある。
【0009】
Na

1.8は、電位依存性イオンチャネルのファミリーのほとんどの他のメンバーと
は大きく異なる点があり、それは、ファミリーのほとんどの他のメンバーを阻害する古典
的なナトリウムチャネル阻害剤であるテトロドトキシンによる阻害に対して「耐性」があ
るという点である(Cestele and Catterall, 2000)。Na

1.8阻害剤、例えばN-メチル-6-アミノ-5-(2,3,5-トリクロロフェニ
ル)ピリジン-2-カルボキサミド(PF 01247324)(Bagal et a
l., 2015)、5-4(-クロロフェニル)-N-(3,5-ジメトキシフェニル
)フラン-2-カルボキサミド(A-803467)(Kort et al., 20
08)及び5-(4-ブトキシ-3-クロロフェニル)-N-[[2-(4-モルホリニ
ル)-3-ピリジニル]メチル-3-ピリジンカルボキサミド(A-887826)(Z
hang et al., 2010)などは、文献で知られている(図1(先行技術)
を参照)。様々な疼痛モデルにおける有効性が検討され、炎症性疼痛と神経障害性疼痛と
の両方のげっ歯類モデルで効果が見られた(Jarvis et al., 2007;
Payne et al., 2015)。これらの化合物及びこれらに類似のものに
は、他のイオンチャネルに対する選択性及び薬物動態の悪さなど、様々な欠点がある。
【発明の概要】
【0010】
いくつかの態様では、本開示の主題は、式(I)の化合物:
JPEG
2024153683000001.jpg
28
49
[式中、
Xは、-CH-又は窒素であり;
Yは、炭素又は窒素であるが、X及びYの少なくとも1つが窒素であることを条件とし;


は、アリール若しくはヘテロアリールであり、前記アリール若しくはヘテロアリール
は、非置換であるか、又はモノ-、ジ-及びトリハロ-C

-C

アルキル、置換若しく
は非置換C

-C

アルキル、C

-C
10
シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール
、シアノ、アミノ、ニトロ、アリールオキシル、アリール、C

-C

アルコキシル、モ
ノ-、ジ-若しくはトリハロアルコキシル、スルファニル、トリフルオロメチルスルファ
ニル並びにアリールアルコキシルからなる群より選択される1つ若しくは複数の基で置換
されており;


は、アリール、ヘテロアリール及び複素環からなる群より選択され、前記アリール、
ヘテロアリール及び複素環は、非置換であるか、又はモノ-、ジ-及びトリハロ-C




アルキル、置換若しくは非置換C

-C

アルキル、C

-C
10
シクロアルキル、
ハロゲン、ヘテロアリール、シアノ、アミノ、ニトロ、アリールオキシル、アリール、C

-C

アルコキシル、モノ-、ジ-若しくはトリハロアルコキシル、アリールアルコキ
シル、オキソ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルイミノスルファノ
ニル、アルキルスルホキシド、スルホンアミド、モルホリニル並びにオキサゾリルからな
る群より選択される1つ若しくは複数の基で置換されており;


は、Yが炭素の場合、水素、シアノ、ハロゲン、C

-C

アルコキシル、モノ-、
ジ-及びトリハロ-C

-C

アルキル、モノ-、ジ-及びトリハロ-C

-C

アルコ
キシル、置換又は非置換C

-C

アルキル、C

-C

(【0011】以降は省略されています)

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