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公開番号
2024098971
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-24
出願番号
2024001651
出願日
2024-01-10
発明の名称
トランス脂環式ヒドロキシ化合物の製造方法
出願人
JNC株式会社
代理人
主分類
C07C
29/145 20060101AFI20240717BHJP(有機化学)
要約
【課題】 トランス体/シス体比率の高いシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物を穏和な反応条件で取得可能なプロセスを提供すること。
【解決手段】 シクロヘキサン骨格を有するモノケトン化合物、モノヒドロキシアリール化合物、およびシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物から選択された少なくとも1つの化合物を原料とし、金属触媒存在下、溶媒を添加せずに固相状態で、水素雰囲気下で反応を行うことにより、トランス体/シス体比率が1.5を超え、10000以下である、シクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物の製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シクロヘキサン骨格を有するモノケトン化合物、モノヒドロキシアリール化合物、およびシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物から選択された少なくとも1つの化合物を原料とし、金属触媒存在下、溶媒を添加せずに固相状態で、水素雰囲気下で反応を行うことにより、シクロヘキサン環におけるシス体に対するトランス体の比が1.5を超え、10000以下である、式(1)で表される化合物の製造方法。
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2024098971000013.tif
17
46
ここで、式(1)において、Rは、ハロゲノ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、-COOR
1
で表される基、-CON(R
2
)
2
で表される基、-N(R
3
)
2
で表される基、又は-NR
4
COR
5
で表される基であり、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、及びR
5
は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、又は炭素数6~30のアリール基であり、シクロヘキサン環におけるRの結合位置は、-OHの結合していない炭素のいずれであってもよい。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
前記原料が、シクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物であり、前記反応がシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物のシス体に対するトランス体の比を高くする異性化反応である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記原料が、シクロヘキサン骨格を有するモノケトン化合物、及びモノヒドロキシアリール化合物から選択された少なくとも1つの化合物であり、前記反応が接触水素化反応である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記金属触媒が、周期表第8族、第9族、第10族、及び第11族から選択された少なくとも1つの金属を含む触媒である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記金属触媒が、Ru、Rh、Ni、及びPtからなる群より選択される1種以上の金属を含む触媒である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記金属触媒が、金属塩、金属酸化物、及び金属単体からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記金属触媒が、下記(A)、(B)、及び(C)からなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の製造方法。
(A)金属塩、金属酸化物、及び金属単体からなる群より選択される1種以上の物質の粉末。
(B)金属塩、金属酸化物、及び金属単体からなる群より選択される1種以上の物質の多孔質体。
(C)金属塩、金属酸化物、及び金属単体からなる群より選択される1種以上の物質が酸化物、水化物、炭素、及びセルロースからなる群より選択される1種以上の担体に担持された担持触媒。
【請求項8】
前記反応が、水素分圧が0.01MPa以上、50MPa以下の雰囲気下、および10℃以上180℃以下の温度条件下で行われる、請求項1~7のいずれか1項に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランス体/シス体比率の高いシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
シクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物は、香料組成物、または医薬品組成物として用いられる重要な化合物の一つである。これらの組成物の品質には、モノオール化合物の、シクロヘキサン環上の置換基とヒドロキシル基の幾何異性体比率、すなわち、トランス体/シス体比率が大きな影響を与えることが知られており、この比率を高めることは、香料組成物、または医薬品組成物の品質を高める為の重要な要素となっている。
例えば特許文献1によると、ベンジルシクロヘキサノール類は、優れた残香性を有する香料組成物として用いられ、その香調は、シス体とトランス体で異なり、異性体比率が組成物の香調を特徴付けると述べられている。
次に特許文献2によると、4-tert-ブチルシクロヘキサノールは、皮膚刺激低下作用を有する医薬品組成物として用いられ、その薬理作用であるTRPV1拮抗作用は、シス体が不活性である一方、トランス体は高い活性を示し、トランス体/シス体比率の高さが、組成物の性能を高めると述べられている。
しかし、モノオール化合物を工業的に製造する場合、高いトランス体/シス体比率で製造することは難しい。例えば、4-tert-ブチルシクロヘキサノールは、p-tert-ブチルフェノールから、金属触媒存在下、加熱、加圧下において、接触水素化により製造する手法が報告されている(特許文献3)。本手法では、4-tert-ブチルシクロヘキサノールは、シス体とトランス体の混合物として得られるが、トランス体/シス体比率は約2.3程度であり、高いトランス体/シス体比率とは言えない。
また、純粋なトランス-4-tert-ブチルシクロヘキサノールを製造する手法として、4-tert-ブチルシクロヘキサノンを、LiAlH
4
とAlCl
3
などの還元剤を用いて、ヒドリド還元により合成する手法も報告されている。(非特許文献1)、本手法では、高選択的にトランス-4-tert-ブチルシクロヘキサノールが得られるものの、還元剤の高い反応性から、製造の際の取り扱いが難しく、また金属塩を含む廃棄物が多量に発生する為、グリーン・サステナブル・ケミストリーの観点から、環境にやさしいプロセスとは言えない。
【0003】
一方でグリーン・サステナブル・ケミストリーの観点から、溶媒を用いず、かつ原料、中間体、生成物、触媒が固体である固相状態での水素化、および鈴木カップリングの報告例がある。水素化は、パラジウム触媒の存在下、水素分圧が大気圧条件下にて、不飽和炭化水素、アジド誘導体、ベンジルエーテルなどで良好な水素化反応の進行を確認している(非特許文献2)。しかしながら、これまでに、シクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物の接触水素化反応や異性化反応を、溶媒を用いず固相状態で行う方法については検討されていない。
【0004】
グリーンケミストリーの観点から環境に調和したシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物の製造プロセスの開発が必要であり、かつトランス体/シス体比率の高いシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物を穏和な反応条件で取得可能なプロセス開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平09-048992号公報
特表2012-523381号公報
米国特許第2,927,127号明細書
【0006】
Organic Syntheses Collective Volume 5, 175-178
Tetrahedron 67 (2011) 8628-8634
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、グリーンケミストリーの観点から環境に調和したシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物の製造プロセスであり、かつトランス体/シス体比率の高いシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物を安定して取得可能なプロセス開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、接触水素化反応、またはトランス-シス異性化反応を金属触媒存在下、溶媒を用いずに固相状態で行うことにより、トランス体/シス体比率の高いシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物を穏和な反応条件で取得可能なことを見出した。
上記のような知見に基づき、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0009】
[1]シクロヘキサン骨格を有するモノケトン化合物、モノヒドロキシアリール化合物、およびシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物から選択された少なくとも1つの化合物を原料とし、金属触媒存在下、溶媒を添加せずに固相状態で、水素雰囲気下で反応を行うことにより、シクロヘキサン環におけるシス体に対するトランス体の比が1.5を超え、10000以下であり、式(1)で表される化合物の製造方法。
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ここで、式(1)において、Rは、ハロゲノ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、-COOR
1
で表される基、-CON(R
2
)
2
で表される基、-N(R
3
)
2
で表される基、又は-NR
4
COR
5
で表される基であり、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、及びR
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は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、又は炭素数6~30のアリール基であり、シクロヘキサン環におけるRの結合位置は、-OHの結合していない炭素のいずれであってもよい。
【0010】
[2]前記原料が、シクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物であり、前記反応がシクロヘキサン骨格を有するモノオール化合物のシス体に対するトランス体の比を高くする異性化反応である、[1]に記載の製造方法。
(【0011】以降は省略されています)
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