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公開番号
2025083911
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-02
出願番号
2023197574
出願日
2023-11-21
発明の名称
ビスマレイミドおよびその製造方法
出願人
ユニチカ株式会社
代理人
主分類
C07D
207/452 20060101AFI20250526BHJP(有機化学)
要約
【課題】副生物の生成が充分に低減されているビスマレイミドの提供。
【解決手段】脂肪族ジアミンのアミノ基がマレイミド化されたビスマレイミドであって、
1
H-NMRにおいて、マレイミド基の窒素原子に直結するメチレン基のプロトンに対応するピークの積分値(A)およびマレイミド基のビニルプロトンに対応するピークの積分値(B)を用いて量的対比を行った場合に、B/Aが、0.80超であるビスマレイミド。半導体等を用いた電子部品製造に用いられる、封止材組成物、接着剤組成物等の成分として好適に用いることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
脂肪族ジアミンのアミノ基がマレイミド化されたビスマレイミドであって、
1
H-NMRにおいて、マレイミド基の窒素原子に直結するメチレン基のプロトンに対応するピークの積分値(A)およびマレイミド基のビニルプロトンに対応するピークの積分値(B)を用いて量的対比を行った場合に、B/Aが、0.80超であるビスマレイミド。
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【請求項2】
pKaが1未満の酸とpKaが1以上の酸とを触媒として、脂肪族ジアミンのモルに対し115モル%以上用いることを特徴とする、請求項1記載のビスマレイミドの製造方法。
【請求項3】
得られたビスマレイミドに対し、さらに、カルボジイミド化合物(CDI)を反応させる工程を含む、請求項2記載のビスマレイミドの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスマレイミドおよびその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、ノート型パソコン等の電子機器に用いられる電子部品は高密度集積化、高密度実装化等が進んでいる。これらの電子部品に用いられる接着剤、封止材等の樹脂材料には、吸水率が低く信頼性に優れた耐熱性の材料が求められる。これらの接着剤、封止材等に用いられる組成物の成分として、脂肪族ジアミンのアミノ基がマレイミド化されたビスマレイミドを用いる方法が知られている。例えば、特許文献1には、LED素子の実装用の接着剤組成物の成分としてマレイミドを用いる方法が開示されている。特許文献2には、プリント配線基板用の異方性導電性接着剤組成物の成分としてビスマレイミドを用いる方法が開示されている。
【0003】
脂肪族ビスマレイミドは、特許文献3~5等に開示された公知の方法により得ることができる。すなわち、例えば、溶媒中、酸触媒下、ジアミンと、無水マレイン酸とを反応させ、イミド化し、精製することにより製造することができる。またこれらビスマレイミドは、Designer Molecules Inc.(DMIと略称されることがある)から、BMI-689、BMI-1500、BMI-1700、BMI-3000等の商品名で市販もされている。これらの脂肪族ビスマレイミドには、未閉環であるマレアミック酸、フマルアミック酸、マイケル付加体(MAAにアミンがマイケル付加反応して生成する化合物にさらに無水マレイン酸が反応して生成する化合物)等の酸成分が微量残留しているため、電子部品に用いた際に、電気特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-31227号公報
特開2015-193725号公報
米国法定発明登録H424号
米国公開20080262191号公報
特表平10-505599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであって、副生物の生成を充分に低減させたビスマレイミドの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の酸触媒を2種類併用してビスマレイミドを得ることで、前記課題が解決されることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
本発明は下記を趣旨とするものである。
(1)脂肪族ジアミンのアミノ基がマレイミド化されたビスマレイミドであって、
1
H-NMRにおいて、マレイミド基の窒素原子に直結するメチレン基のプロトンに対応するピークの積分値(A)およびマレイミド基のビニルプロトンに対応するピークの積分値(B)を用いて量的対比を行った場合に、B/Aが、0.80超であるビスマレイミド。
(2)pKaが1未満の酸とpKaが1以上の酸とを触媒として、脂肪族ジアミンのモルに対し115モル%以上用いることを特徴とする、請求項1記載のビスマレイミドの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明のビスマレイミドは、副生物の生成が十分に抑制されている。このことは他剤と配合する際に工業的に有利である。従い、半導体等を用いた電子部品製造に用いられる、封止材組成物、接着剤組成物等の成分として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例1のビスマレイミドの
1
H-NMRチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のビスマレイミドは、その
1
H-NMRにおけるNMR積分値比(B/A)が0.80超であり、0.82以上となっていることがより好ましい。さらにB/Aは0.85以上であることがさらに好ましく、0.87以上であることがよりいっそう好ましい。ここで、Aは、マレイミド基の窒素原子に直結するメチレン基のプロトンに対応するピークの積分値であり、Bは、マレイミド基のビニルプロトンに対応するピークの積分値である。この積分値比が高いほど、ビスマレイミド中のマレイミド基含有量が高いことを意味し、すなわち、脂肪族ジアミンとマレイン酸が反応した際に、副生成物であるマイケル付加体やビニル重合体の生成が抑制されていることを意味する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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