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公開番号2025082129
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-28
出願番号2023195399
出願日2023-11-16
発明の名称メタノール合成方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C07C 29/151 20060101AFI20250521BHJP(有機化学)
要約【課題】高炉ガスなどの二酸化炭素と硫黄化合物とを含有するガスからメタノールをより安定的に合成する方法を提供する。
【解決手段】原料ガスG01に水を添加する水分添加工程と、得られた加水原料ガスに含まれる硫化カルボニルを硫化水素と二酸化炭素とに加水分解する加水分解工程と、得られた加水分解ガスに含まれる一酸化炭素と水とを二酸化炭素と水素とにする水性ガスシフト反応工程と、得られたシフト反応ガスを二酸化炭素ガスと二酸化炭素以外の成分のガスとに分離する二酸化炭素ガス分離工程と、二酸化炭素ガスに含まれる硫化水素および硫化カルボニルの少なくとも硫化水素を除去し、高濃度二酸化炭素ガスを得る脱硫工程と、高濃度二酸化炭素ガスに水素ガスを添加する水素添加工程と、得られたメタノール原料ガスに含まれる二酸化炭素と水素とを反応させてメタノールを生成するメタノール合成工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
二酸化炭素、一酸化炭素、硫化水素および硫化カルボニルを含む原料ガスと、水素ガスとからメタノールを合成するメタノール合成方法であって、
前記原料ガスに水を添加して加水原料ガスとする水分添加工程と、
前記加水原料ガスを、該加水原料ガスに含まれる前記硫化カルボニルを硫化水素と二酸化炭素とに加水分解して、加水分解ガスとする加水分解工程と、
前記加水分解ガスを、該加水分解ガスに含まれる前記一酸化炭素と前記水とを二酸化炭素と水素とに水性ガスシフト反応させて、シフト反応ガスとする水性ガスシフト反応工程と、
前記シフト反応ガスを二酸化炭素ガスと二酸化炭素以外の成分のガスとに分離する二酸化炭素ガス分離工程と、
前記二酸化炭素ガスに含まれる硫化水素および硫化カルボニルの少なくとも硫化水素を除去し、高濃度二酸化炭素ガスを得る脱硫工程と、
前記高濃度二酸化炭素ガスに水素ガスを添加し、メタノール原料ガスとする水素添加工程と、
前記メタノール原料ガスに含まれる二酸化炭素と水素とを反応させてメタノールを生成するメタノール合成工程と、
を有するメタノール合成方法。
続きを表示(約 910 文字)【請求項2】
前記水分添加工程において前記原料ガスに添加される水は、前記メタノール合成工程において副生される水である、請求項1の記載のメタノール合成方法。
【請求項3】
前記メタノール合成工程は、前記二酸化炭素と前記水との反応により副生された水を膜と透過させて分離する膜分離工程を有し、前記水分添加工程において前記原料ガスに添加する水として、前記膜分離工程において分離した水を用いる、請求項2の記載のメタノール合成方法。
【請求項4】
前記膜分離工程は、前記メタノール合成工程と同一の容器にて行う、請求項3に記載のメタノール合成方法。
【請求項5】
前記膜分離工程は、前記膜の一方側に前記原料ガスを流通させて前記膜を透過した水をスイープガスによってスイープするスイープ工程を有し、前記スイープガスとして前記原料ガスを用い、前記膜を透過した水が添加された前記原料ガスを前記加水原料ガスとする、請求項3または4に記載のメタノール合成方法。
【請求項6】
前記脱硫工程に用いる方法は、酸化鉄または水酸化鉄から選ばれる鉄化合物を含有する乾式脱硫剤を用いた乾式脱硫法である、請求項1~4のいずれか一項に記載のメタノール合成方法。
【請求項7】
前記鉄化合物の一部または全部として、製鉄所の水処理にて発生する沈殿物に由来するものを用いる、請求項6に記載のメタノール合成方法。
【請求項8】
前記脱硫工程に用いる方法が、亜鉛および銅から選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する乾式脱硫剤を用いた乾式脱硫法である、請求項1~4のいずれか一項に記載のメタノール合成方法。
【請求項9】
前記シフト反応ガスと、前記加水分解ガスとの熱交換を行う熱交換工程をさらに有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のメタノール合成方法。
【請求項10】
前記スイープ工程の前段にて、前記原料ガスを液相の水と接触させて洗浄する水洗工程をさらに有する、請求項5に記載のメタノール合成方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メタノール合成方法に関し、特に二酸化炭素と、硫化水素、硫化カルボニルなどの硫黄化合物とを含有するガスからメタノールを合成する方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素(CO

)の排出削減が求められている。製鉄所では、高炉で副生される高炉ガスをはじめ、コークス炉から発生するコークス炉ガス、転炉から発生する転炉ガスといった多量の副生ガスを排出しており、特に排出量の多い高炉ガスには多量のCO

が含まれている。高炉ガスをはじめとする副生ガスは製鉄所内のエネルギー源として活用されているが、高炉ガスに含まれるCO

はそのまま排出されてしまう。そのためCO

の排出削減が急務として求められている。
【0003】
こうした背景の下、特許文献1には、CO

の有効利用方法として、触媒によりCO

と水素(H

)とを含む原料ガスからメタノールを合成する方法が提案されている。
【0004】
また、特許文献2には、脱水膜を有する膜反応器を用いて水(H

O)を分離することによってメタノールの合成効率を向上させ、さらに分離したH

Oを利用した水性ガスシフト反応によりH

を得る方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第7049075号明細書
特開2020-132439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、高炉ガスには、CO

、一酸化炭素(CO)、H

といった主な成分以外に、原料として用いる鉄鉱石およびコークス中の硫黄に由来する硫化水素(H

S)、硫化カルボニル(COS)などの硫黄化合物も含有している。これらH

SおよびCOSは、メタノール合成に用いる銅系の触媒を劣化させることが知られている。
【0007】
上記特許文献1において提案されている方法では、原料ガスに高炉ガスを用いた場合、H

SおよびCOSがメタノール合成触媒に流通するため、触媒を劣化させてしまうという課題があった。
【0008】
また、特許文献2には、水性ガスシフト反応によって得たH

を圧力スイング吸着法にて分離する旨は述べられているものの、副生したCO

の利用については記載がない。圧力スイング吸着法にてCO

を分離し、メタノール合成に利用した場合、前記のH

SおよびCOSは分離したCO

側に濃縮するため、やはりメタノール合成触媒を劣化させてしまうという課題があった。
【0009】
さらに、特許文献2では、H

Oの掃引ガス(スイープガス)として高炉ガスを用いて水性ガスシフト反応を行うとしているが、その触媒の種類については記載がない。しかし、一般的に水性ガスシフト反応に用いる銅系の触媒は、H

SおよびCOSにより劣化するという課題がある。
【0010】
このように、特許文献1および2に記載された方法では、メタノールの安定的な合成が困難となる。
(【0011】以降は省略されています)

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