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公開番号
2024106253
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-08-07
出願番号
2023010501
出願日
2023-01-26
発明の名称
ロタンドンの製造方法
出願人
長谷川香料株式会社
代理人
主分類
C07C
45/42 20060101AFI20240731BHJP(有機化学)
要約
【課題】ロタンドンの製造方法を提供する。
【解決手段】(工程1)ロタンドン含有組成物を用意する工程と、(工程2)当該組成物中のロタンドンとアミノ基を有する特定の結晶化化合物とを反応させて結晶性ロタンドン誘導体の固体を得る工程と、(工程3)結晶性ロタンドン誘導体を再結晶させる工程と、(工程4)工程3で得られた結晶中の前記結晶性ロタンドン誘導体のイミノ基を加水分解して、前記結晶性ロタンドン誘導体からロタンドンを遊離させる工程を含む製造方法とし、好ましくは、結晶化化合物を、結晶化化合物群Iから選択される場合にはセミカルバゾン塩酸塩または2,4-ジニトロフェニルヒドラジンとし、前記結晶化化合物群IIから選択される場合にはt-ブチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、またはヒドロキシルアミン塩酸塩とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の工程を含む、ロタンドンの製造方法。
(工程1)ロタンドン含有組成物を用意する工程
(工程2)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンとアミノ基を有する結晶化化合物とを反応させて結晶性ロタンドン誘導体を生成させる工程であって、下記2Aまたは2Bを行う工程
(工程2A)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンと下記結晶化化合物群Iから選択される結晶化化合物とを反応させて結晶性ロタンドン誘導体を生成させる工程
(結晶化化合物群I)
TIFF
2024106253000027.tif
55
57
[式中、(a)においてR
1
~R
3
はそれぞれ独立して水素または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、(b)においてR
4
~R
8
はそれぞれ独立して水素またはニトロ基を表す。]
(工程2B)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンと下記結晶化化合物群IIから選択される結晶化化合物とを反応させ結晶性ロタンドン誘導体前駆体を生成させた後、前記前駆体と酸とを反応させて前駆体の塩を結晶性ロタンドン誘導体として生成させる工程
(結晶化化合物群II)
TIFF
2024106253000028.tif
48
132
[式中、(c)においてnは0~4の整数を表す。]
(工程3)前記結晶性ロタンドン誘導体を再結晶させる工程
(工程4)前記工程3で得られた結晶中の前記結晶性ロタンドン誘導体のイミノ基を加水分解して、前記結晶性ロタンドン誘導体からロタンドンを遊離させる工程
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記結晶化化合物が、前記結晶化化合物群Iから選択される場合にはセミカルバゾン塩酸塩または2,4-ジニトロフェニルヒドラジンであり、前記結晶化化合物群IIから選択される場合にはt-ブチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、またはヒドロキシルアミン塩酸塩である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記工程2Bの酸が塩酸である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記工程3は、再結晶溶媒と前記結晶性ロタンドン誘導体とを混合する工程を含む、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記再結晶溶媒が、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、アセトン、シクロヘキサン、トルエン、ヘキサン、またはこれらの2種以上の混合物である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記工程4の加水分解が塩化銅(II)を用いた加水分解である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項7】
前記工程1が、α-グアイエン含有組成物中に含まれるα-グアイエンの全部または一部を酸化してロタンドンに変換してロタンドン含有組成物を用意する工程である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記酸化に供するα-グアイエン含有組成物が、パチュリ油、パチュリ油を単蒸留および/または精密蒸留したもの、グアイアクウッド油、あるいはグアイアクウッド油を単蒸留および/または精密蒸留したもの、のいずれかである、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記α-グアイエンの酸化が、空気酸化、t-ブチルヒドロペルオキシドおよび酸化クロム触媒を用いた酸化、ラッカーゼを用いた酸化、亜塩素酸ナトリウム・N-ヒドロキシフタルイミドを用いた酸化および電解酸化からなる群から選択される1種の酸化である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記空気酸化は、無触媒で行うか、酢酸コバルト(II)四水和物、2-エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート、酸化クロム(VI)からなる群から選択される触媒を用いる、請求項9に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロタンドンの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,900 文字)
【背景技術】
【0002】
ロタンドン(Rotundone、(3S,5R,8S)-3,8-dimethyl-5-(prop-1-en-2-yl)-3,4,5,6,7,8-hexahydroazulen-1(2H)-one)はシラー種のブドウ、黒コショウおよび白コショウなどに含まれ、柑橘香味(特許文献1)、果実香味(特許文献2)、塩味増強(特許文献3)、コク味増強(特許文献4)、渋味増強(特許文献5)などの香味付与や不快味のマスキング(特許文献6)の有効成分として注目される化合物である。
【0003】
そこで、ロタンドンの有機化学的製造方法について、様々な検討がなされている。例えば、特許文献7には、酸素源の存在下で、ラッカーゼと、α-グアイエンおよび/またはα-ブルネセンを含む材料、具体的にはパチョリ油などとを反応させることにより、これらの水酸基付加体(ロタンドンの1位のカルボニル基がアルコールとなったロタンドールなど)を製造する方法が記載されている。さらに特許文献8には、その際の副生成物としてロタンドンを含む多数のα-グアイエン酸化物の混合物(文献中の例3、例4、例5参照)が得られることや、この混合物がフローラル、ウッディなにおいを保有することが記載されている。また、特許文献9には、グアイエンリッチな原料油等、具体的にはグアヤック木質油等の蒸留、加熱還流、再蒸留等を経てロタンドンを含む多数のグアイエン酸化物を得ることが記載されている。特許文献10には、貴金属触媒(Au、Pd/TiO
2
)を用いてα-グアイエンのアリル位酸化を行ってロタンドンを得ることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6262170号公報
特許第6262171号公報
特開2021-171024号公報
特開2021-171025号公報
特開2021-171026号公報
特開2021-171023号公報
特開2017-216974号公報
特表2013-534927号公報
特表2020-511128号公報
国際公開第2011/106166号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来のα-グアイエンの酸化によるロタンドンの製造方法では、ロタンドンと沸点の非常に近い異性体を含む多種多様な副生物とロタンドンとの混合物が得られるに過ぎず、新たなロタンドンの製造方法の開発が望まれていた。従って本発明の課題は、不純物の少ないロタンドンの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意研究したところ、第1級アミンまたはそれと同様の挙動を示す特定の窒素原子含有化合物を用いた結晶化工程を採用することにより、上記課題が解決されることを見出した。
【0007】
かくして、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
[1] 下記の工程を含む、ロタンドンの製造方法。
(工程1)ロタンドン含有組成物を用意する工程
(工程2)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンとアミノ基を有する結晶化化合物とを反応させて結晶性ロタンドン誘導体を生成させる工程であって、下記2Aまたは2Bを行う工程
(工程2A)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンと下記結晶化化合物群Iから選択される結晶化化合物とを反応させて結晶性ロタンドン誘導体を生成させる工程
(結晶化化合物群I)
【0008】
TIFF
2024106253000001.tif
55
57
[式中、(a)においてR
1
~R
3
はそれぞれ独立して水素または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、(b)においてR
4
~R
8
はそれぞれ独立して水素またはニトロ基を表す。]
(工程2B)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンと下記結晶化化合物群IIから選択される結晶化化合物とを反応させ結晶性ロタンドン誘導体前駆体を生成させた後、前記前駆体と酸とを反応させて前駆体の塩を結晶性ロタンドン誘導体として生成させる工程
(結晶化化合物群II)
【0009】
TIFF
2024106253000002.tif
48
132
[式中、(c)においてnは0~4の整数を表す。]
(工程3)前記結晶性ロタンドン誘導体を再結晶させる工程
(工程4)前記工程3で得られた結晶中の前記結晶性ロタンドン誘導体のイミノ基を加水分解して、前記結晶性ロタンドン誘導体からロタンドンを遊離させる工程
[2] 前記結晶化化合物が、前記結晶化化合物群Iから選択される場合にはセミカルバゾン塩酸塩または2,4-ジニトロフェニルヒドラジンであり、前記結晶化化合物群IIから選択される場合にはt-ブチルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、またはヒドロキシルアミン塩酸塩である、[1]に記載の製造方法。
[3] 前記工程2Bの酸が塩酸である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4] 前記工程3は、再結晶溶媒と前記結晶性ロタンドン誘導体とを混合する工程を含む、[1]または[2]に記載の製造方法。
[5] 前記再結晶溶媒が、酢酸エチル、メタノール、エタノール、水、アセトン、シクロヘキサン、トルエン、ヘキサン、またはこれらの2種以上の混合物である、[4]に記載の方法。
[6] 前記工程4の加水分解が塩化銅(II)を用いた加水分解である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[7] 前記工程1が、α-グアイエン含有組成物中に含まれるα-グアイエンの全部または一部を酸化してロタンドンに変換してロタンドン含有組成物を用意する工程である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[8] 前記酸化に供するα-グアイエン含有組成物が、パチュリ油、パチュリ油を単蒸留および/または精密蒸留したもの、グアイアクウッド油、あるいはグアイアクウッド油を単蒸留および/または精密蒸留したもの、のいずれかである、[7]に記載の製造方法。
[9] 前記α-グアイエンの酸化が、空気酸化、t-ブチルヒドロペルオキシドおよび酸化クロム触媒を用いた酸化、ラッカーゼを用いた酸化、亜塩素酸ナトリウム・N-ヒドロキシフタルイミドを用いた酸化および電解酸化からなる群から選択される1種の酸化である、[7]に記載の製造方法。
[10] 前記空気酸化は、無触媒で行うか、酢酸コバルト(II)四水和物、2-エチルヘキサン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート、酸化クロム(VI)からなる群から選択される触媒を用いる、[9]に記載の製造方法。
[11] 前記ロタンドン含有組成物のロタンドン濃度が20~80質量%の範囲内である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[12] 前記α-グアイエン含有組成物のα-グアイエン濃度が20~60質量%の範囲内である、[7]に記載の製造方法。
[13] 前記工程3と前記工程4との間に、さらに前記結晶性ロタンドン誘導体の結晶を洗浄溶媒によって洗浄する工程を含み、前記洗浄溶媒が炭化水素溶媒、水、70~99%エタノール水溶液、またはエーテル類である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[14] 前記洗浄溶媒がヘプタンである、[13]に記載の製造方法。
[15] 前記工程3を2回以上行う、[1]または[2]に記載の製造方法。
[16] 下記の工程を含む、ロタンドンの製造方法。
(工程1)ロタンドン含有組成物を用意する工程
(工程2)前記ロタンドン含有組成物中のロタンドンと、下記結晶化化合物群Iから選択される結晶化化合物と、を反応させて結晶性ロタンドン誘導体を得て、該結晶性ロタンドン誘導体と酸とを反応させて結晶性ロタンドン誘導体の塩を生成させる工程
(結晶化化合物群I)
【0010】
TIFF
2024106253000003.tif
55
57
[式中、(a)においてR
1
~R
3
はそれぞれ独立して水素または炭素数1~4の直鎖もしくは分岐のアルキル基を表し、Xはハロゲン原子を表し、(b)においてR
4
~R
8
はそれぞれ独立して水素またはニトロ基を表す。]
(工程3)前記結晶性ロタンドン誘導体の塩を再結晶させる工程
(工程4)前記工程3で得られた結晶中の前記結晶性ロタンドン誘導体の塩のイミノ基を加水分解して、前記結晶性ロタンドン誘導体の塩からロタンドンを遊離させる工程
[16] 式Aで表される化合物またはその塩。
(【0011】以降は省略されています)
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