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公開番号2025081054
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2023194549
出願日2023-11-15
発明の名称軽質オレフィンの製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C07C 7/09 20060101AFI20250520BHJP(有機化学)
要約【課題】深冷分離における処理エネルギーを軽減する軽質オレフィンの製造方法を提供する。
【解決手段】ナフサ原料を分解炉に導入し、ナフサ分解留分を得るクラッキング工程と、エタノールを含む原料を反応器に導入し、触媒と接触させることでエチレン及びプロピレンを含むエタノール変換留分を得るエタノール変換工程と、ナフサ分解留分又はそれに由来する留分の少なくとも一部と、エタノール変換留分又はそれに由来する留分の少なくとも一部とを合流させて合流留分を得る合流工程と、合流留分又はそれに由来する留分を深冷分離設備に導入し、エチレン及びプロピレンを分離する深冷分離工程と、を含み、エタノール変換留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合OEと、ナフサ分解留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合OCとの関係が、OE<OCを満たす、軽質オレフィンの製造方法。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
ナフサ原料を、分解炉に導入し、ナフサ分解留分を得るクラッキング工程と、
エタノールを含む原料を反応器に導入し、触媒と接触させることで、エチレン及びプロピレンを含むエタノール変換留分を得るエタノール変換工程と、
前記ナフサ分解留分又はそれに由来する留分の少なくとも一部と、前記エタノール変換留分又はそれに由来する留分の少なくとも一部とを合流させて合流留分を得る合流工程と、
前記合流留分又はそれに由来する留分を深冷分離設備に導入し、エチレン、及び、プロピレンを分離する深冷分離工程と、を含み、
前記エタノール変換留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O
E
と、前記ナフサ分解留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O
C
との関係が、式(1):

E
<O
C
・・・(1)
を満たす、
軽質オレフィンの製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記合流工程における前記エタノール変換留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O’
E
と、前記ナフサ分解留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O’
C
との関係が、式(1―1):
O’
E
<O’
C
・・・(1―1)
を満たす、
請求項1に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項3】
前記エタノール変換留分中のプロピレン/エチレン質量比P/E
E
と、前記ナフサ分解留分中のプロピレン/エチレン質量比P/E
C
との関係が、式(2):
|P/E
C
- P/E
E
| < 0.3 ・・・(2)
を満たす、
請求項1に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項4】
前記合流工程における前記エタノール変換留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの含有率C
E
と、前記ナフサ分解留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの含有率C
C
との関係が、式(3):

E
>C
C
・・・(3)
を満たす、
請求項1に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項5】
前記含有率C
E
と前記含有率C
C
との差(C
E
-C
C
)が、5質量%以上である、
請求項4に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項6】
前記含有率C
E
が、前記含有率C
C
よりも高くなるように前記エタノール変換留分を精製し、精製エタノール変換留分を得る精製工程、を含む、
請求項4に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項7】
前記精製工程が、
前記エタノール変換留分を第三の冷却塔に導入し、炭素数6以下のオレフィンを主に含む冷却エタノール変換留分を得る第三の冷却工程、を含む、
請求項6に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項8】
前記精製工程が、
前記冷却エタノール変換留分を圧縮機により昇圧し、ガス成分として炭素数3以下のオレフィンを主に含む軽質エタノール変換留分を得て、液成分として炭素数4以上のオレフィンを主に含む重質エタノール変換留分を得る圧縮分離工程、を含む、
請求項7に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項9】
前記重質エタノール変換留分の少なくとも一部を、前記原料の一部として前記反応器に導入するリサイクル工程、を含む、
請求項8に記載の軽質オレフィンの製造方法。
【請求項10】
前記合流工程後、合流留分をソーダ洗浄塔に導入することで、洗浄留分を得る洗浄工程、を含む、
請求項1に記載の軽質オレフィンの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽質オレフィンの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)【背景技術】
【0002】
原油から得られるナフサをクラッキングすることで、モノマー原料などの様々な化学品が製造されてきた。これらの化学品の中でも、エチレン及びプロピレン等の軽質オレフィンは、多種多様な用途を有するため、特に高い需要がある。中でも、プロピレンは高い価値を有するため、ナフサからプロピレンを選択的に製造する方法が研究され、代表的な例としてスチームクラッキングが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
アルコールから軽質オレフィンを得る方法として、ゼオライト等の触媒を用いる方法が報告されている。例えば、特許文献2では、プロピレンを効率よく安定に製造する方法として、エチレン及びエタノ-ルから選ばれる少なくとも1種の原料、及び中間細孔径ゼオライト含有触媒を流動床反応器内で接触させてプロピレンを製造する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-117800号公報
国際公開WO2009/037992号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
クラッキングによる軽質オレフィンの製造方法では、ナフサのクラッキングにより得られたナフサ分解留分から各種成分を分離精製して軽質オレフィンを得る。この際に、様々なプロセスが適用され得るが、分離精製工程として、はじめにナフサ分解留分を冷却することで、高沸点成分を除去し、最後に深冷分離により、高沸点成分を除去した留分を液化させて、水素及びメタンなどのオフガスを取り除くことで、エチレン及びプロピレンなどの軽質オレフィンを製造する方法がある。この場合、深冷分離に導入する留分中にオフガスなどの副生物が多く含まれることで、深冷分離の処理エネルギーの負荷が大きくなるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、深冷分離における処理エネルギーを軽減する軽質オレフィンの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、軽質オレフィンの製造方法において、エタノール変換留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O
E
と、ナフサ分解留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O
C
との関係が、式(1):O
E
<O
C
・・・(1)を満たすことで、前述の課題を解決しうることを見出した。
【0008】
本発明は、以下の実施形態を包含する。
<1>
ナフサ原料を、分解炉に導入し、ナフサ分解留分を得るクラッキング工程と、
エタノールを含む原料を反応器に導入し、触媒と接触させることで、エチレン及びプロピレンを含むエタノール変換留分を得るエタノール変換工程と、
前記ナフサ分解留分又はそれに由来する留分の少なくとも一部と、前記エタノール変換留分又はそれに由来する留分の少なくとも一部とを合流させて合流留分を得る合流工程と、
前記合流留分又はそれに由来する留分を深冷分離設備に導入し、エチレン、及び、プロピレンを分離する深冷分離工程と、を含み、
前記エタノール変換留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O
E
と、前記ナフサ分解留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O
C
との関係が、式(1):

E
<O
C
・・・(1)
を満たす、
軽質オレフィンの製造方法。
<2>
前記合流工程における前記エタノール変換留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O’
E
と、前記ナフサ分解留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの合計量に対する水素及びメタンの量の割合O’
C
との関係が、式(1―1):
O’
E
<O’
C
・・・(1―1)
を満たす、
<1>に記載の軽質オレフィンの製造方法。
<3>
前記エタノール変換留分中のプロピレン/エチレン質量比P/E
E
と、前記ナフサ分解留分中のプロピレン/エチレン質量比P/E
C
との関係が、式(2):
|P/E
C
- P/E
E
| < 0.3 ・・・(2)
を満たす、
<1>又は<2>に記載の軽質オレフィンの製造方法。
<4>
前記合流工程における前記エタノール変換留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの含有率C
E
と、前記ナフサ分解留分又はそれに由来する留分中のエチレン及びプロピレンの含有率C
C
との関係が、式(3):

E
>C
C
・・・(3)
を満たす、
<1>~<3>のいずれか一項に記載の軽質オレフィンの製造方法。
<5>
前記含有率C
E
と前記含有率C
C
との差(C
E
-C
C
)が、5質量%以上である、
<4>に記載の軽質オレフィンの製造方法。
<6>
前記含有率C
E
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、深冷分離における処理エネルギーを軽減する軽質オレフィンの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法の概略を示すブロック図である。
図2は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図3は、固定床一段断熱型反応器の概略構成図である。
図4は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図5は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図6は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図7は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図8は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図9は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図10は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図11は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図12は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図13は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図14は、従来のfront-end demethanizer方式の軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図15は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図16は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図17は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図18は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図19は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図20は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図21は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図22は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図23は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図24は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図25は、本実施形態に係る軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
図26は、従来のfront-end depropanizer方式の軽質オレフィンの製造方法に用いられる製造設備の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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