TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025100093
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023217199
出願日2023-12-22
発明の名称蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 50/417 20210101AFI20250626BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】本開示は、薄膜であり、かつ、優れた透気度と優れたMD引張強度とを両立することができる、蓄電デバイス用セパレータを提供することを目的とする。
【解決手段】ポリプロピレンを主成分とする微多孔層(A)と、ポリエチレンを主成分とし、かつポリプロピレンを含む微多孔層(B)と、の多層構造を有するセパレータ基材を備えた、蓄電デバイス用セパレータであって、
前記微多孔層(A)のうち少なくとも一層は、前記セパレータ基材の少なくとも片面の最外層を構成し、
前記微多孔層(B)が、該微多孔層(B)に含まれる前記ポリエチレンと前記ポリプロピレンとを同一層内に有し、
荷重2.16kg、及び温度190℃で測定したときの前記微多孔層(B)のメルトフローレート(MFR)が、0.10g/10min以上1.2g/10min以下であり、かつ、
前記微多孔層(B)の全質量を基準として、該微多孔層(B)に含まれる前記ポリプロピレンが4.0質量%以上12質量%以下である、
蓄電デバイス用セパレータ。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリプロピレンを主成分とする微多孔層(A)と、ポリエチレンを主成分とし、かつポリプロピレンを含む微多孔層(B)と、の多層構造を有するセパレータ基材を備えた、蓄電デバイス用セパレータであって、
前記微多孔層(A)のうち少なくとも一層は、前記セパレータ基材の少なくとも片面の最外層を構成し、
前記微多孔層(B)が、該微多孔層(B)に含まれる前記ポリエチレンと前記ポリプロピレンとを同一層内に有し、
荷重2.16kg、及び温度190℃で測定したときの前記微多孔層(B)のメルトフローレート(MFR)が、0.10g/10min以上1.2g/10min以下であり、かつ、
前記微多孔層(B)の全質量を基準として、該微多孔層(B)に含まれる前記ポリプロピレンが4.0質量%以上12質量%以下である、
蓄電デバイス用セパレータ。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記微多孔層(B)に、熱可塑性エラストマーを1.0質量%以上6.0質量%以下含有する、請求項1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項3】
前記微多孔層(B)のポリプロピレンとポリエチレンのメルトフローレート(MFR)の比(PP/PE)が1.50以上40.0以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項4】
荷重2.16kg、温度230℃で測定したときの前記微多孔層(B)のポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が0.20g/10min以上11.0g/10min以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項5】
荷重2.16kg、温度190℃で測定したときの前記微多孔層(B)のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が0.15g/10min以上0.90g/10min以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項6】
荷重2.16kg、温度230℃で測定したときの前記微多孔層(A)のMFRが、0.30g/10min以上0.90g/10min以上である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項7】
前記微多孔層(B)の厚みが5.0μm以下であり、
前記セパレータ基材の厚みが15.0μm以下であり、かつ
前記セパレータ基材の気孔率が40%以上60%以下である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
【請求項8】
正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータとを備える、蓄電デバイス。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータを製造するための方法であって、
以下の工程(1)~(3):
工程(1);第一延伸工程における樹脂フィルムの延伸倍率(所定温度範囲における冷延伸倍率)が10%以上である、
工程(2);第二延伸工程における樹脂フィルムの延伸倍率(所定温度範囲における熱延伸倍率)が160%以上である、及び
工程(3);アニール工程におけるアニール温度が125℃以上である、
を含む、蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
【請求項10】
前記微多孔層(A)及び前記微多孔層(B)が、共押出される、請求項9に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス等に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
微多孔膜、特にポリオレフィン系微多孔膜は、精密濾過膜、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料等の多くの技術分野で使用されており、特にリチウム二次電池、リチウムイオン二次電池に代表される蓄電デバイス用セパレータとして使用されている。リチウムイオン電池は、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ等の小型電子機器用途のほか、ハイブリッド自動車、及びプラグインハイブリッド自動車を含む電気自動車等、様々な用途へ応用されている。
【0003】
近年、高エネルギー容量、高エネルギー密度、かつ高い出力特性を有するリチウムイオン電池が求められ、それに伴い、薄膜であり、電池性能、電池の信頼性、安全性に優れたセパレータへの需要が高まっている。
【0004】
例えば、特許文献1には、
微多孔膜を有する蓄電デバイス用セパレータであって、
該微多孔膜が、
(i)(A)ポリプロピレン樹脂と(B)熱可塑性エラストマーを含むポリマーマトリックスと、
(ii)該ポリマーマトリックスから該微多孔膜の機械方向(MD)に延在し、かつ該(A)ポリプロピレン樹脂を含むフィブリルと、
(iii)複数の該フィブリルの間に存在する多孔と、
を有し、かつ
該微多孔膜のメルトフローレイト(MFR)が、1.5g/10分以下である蓄電デバイス用セパレータ、
が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、
ポリエチレンとポリプロピレンを有するポリオレフィン製微多孔膜であり、
ポリエチレンの一部或いは全部が粘度平均分子量(Mv)5万以上30万以下のポリエチレンであり、
ポリプロピレンの含有率が7wt%以上50wt%未満であり、
GPC/FTIRより求められる分子量M(i)の常用対数値と末端メチル基濃度C(M(i))の値との最小二乗法近似直線関係が、M(i)10万以上100万以下の分子量範囲において、
C(M(i))=A×log(M(i))+B (A、Bは定数)
-0.015≦A≦2.000
であるポリオレフィン製微多孔膜、
が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2019/103947号
特開2005-200578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、複数の微多孔層を積層して蓄電デバイス用セパレータを作製する場合、かかるセパレータの薄膜化が困難になり易かった。他方、セパレータの薄膜化に伴い、セパレータの物理的強度が低下し易いため、優れた透気度を保ちながら優れたMD引張強度を確保することもまた、困難になり易かった。
【0008】
従って、本開示は、薄膜であり、かつ、優れた透気度と優れたMD引張強度とを両立することができる、蓄電デバイス用セパレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態の例を以下の項目に列記する。
[1]
ポリプロピレンを主成分とする微多孔層(A)と、ポリエチレンを主成分とし、かつポリプロピレンを含む微多孔層(B)と、の多層構造を有するセパレータ基材を備えた、蓄電デバイス用セパレータであって、
前記微多孔層(A)のうち少なくとも一層は、前記セパレータ基材の少なくとも片面の最外層を構成し、
前記微多孔層(B)が、該微多孔層(B)に含まれる前記ポリエチレンと前記ポリプロピレンとを同一層内に有し、
荷重2.16kg、及び温度190℃で測定したときの前記微多孔層(B)のメルトフローレート(MFR)が、0.10g/10min以上1.2g/10min以下であり、かつ、
前記微多孔層(B)の全質量を基準として、該微多孔層(B)に含まれる前記ポリプロピレンが4.0質量%以上12質量%以下である、
蓄電デバイス用セパレータ。
[2]
前記微多孔層(B)に、熱可塑性エラストマーを1.0質量%以上6.0質量%以下含有する、項目1に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[3]
前記微多孔層(B)のポリプロピレンとポリエチレンのメルトフローレート(MFR)の比(PP/PE)が1.50以上40.0以下である、項目1又は2に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[4]
荷重2.16kg、温度230℃で測定したときの前記微多孔層(B)のポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)が0.20g/10min以上11.0g/10min以下である、項目1~3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[5]
荷重2.16kg、温度190℃で測定したときの前記微多孔層(B)のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)が0.15g/10min以上0.90g/10min以下である、項目1~4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[6]
荷重2.16kg、温度230℃で測定したときの前記微多孔層(A)のMFRが、0.30g/10min以上0.90g/10min以上である、項目1~5のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[7]
前記微多孔層(B)の厚みが5.0μm以下であり、
前記セパレータ基材の厚みが15.0μm以下であり、かつ
前記セパレータ基材の気孔率が40%以上60%以下である、項目1~6のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータ。
[8]
正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された項目1~7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータとを備える、蓄電デバイス。
[9]
項目1~7のいずれか1項に記載の蓄電デバイス用セパレータを製造するための方法であって、
以下の工程(1)~(3):
工程(1);第一延伸工程における樹脂フィルムの延伸倍率(所定温度範囲における冷延伸倍率)が10%以上である、
工程(2);第二延伸工程における樹脂フィルムの延伸倍率(所定温度範囲における熱延伸倍率)が160%以上である、及び
工程(3);アニール工程におけるアニール温度が125℃以上である、
を含む、蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
[10]
前記微多孔層(A)及び前記微多孔層(B)が、共押出される、項目9に記載の蓄電デバイス用セパレータの製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、薄膜であり、かつ、優れた透気度と優れたMD引張強度とを両立することができる、蓄電デバイス用セパレータを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

旭化成株式会社
内装吸音材
1か月前
旭化成株式会社
通信機器用部品
27日前
旭化成株式会社
包装体の殺菌方法
10日前
旭化成株式会社
複合材料積層体。
13日前
旭化成株式会社
衝撃エネルギー吸収体
17日前
旭化成株式会社
トリオキサンの製造方法
6日前
旭化成株式会社
多孔質材及びその製造方法
6日前
旭化成株式会社
ポリアセタール樹脂組成物
24日前
旭化成株式会社
軽質オレフィンの製造方法
1か月前
旭化成株式会社
膜ろ過システムの運転方法
3日前
旭化成株式会社
ホルムアルデヒドの製造方法
1か月前
旭化成株式会社
成形体の製造方法及び成形体
1か月前
旭化成株式会社
ゴムアウトソールを有する靴
5日前
旭化成株式会社
ゴムアウトソールを有する靴
5日前
旭化成株式会社
近赤外線センサ向け樹脂窓部材
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及び成形体
5日前
旭化成株式会社
メタクリル系樹脂組成物及び成形体
1か月前
旭化成株式会社
N-フェニルマレイミドの精製方法
1か月前
旭化成株式会社
造粒装置、造粒方法、及びプログラム
18日前
旭化成株式会社
延伸積層フィルム、袋及び生肉包装体
10日前
旭化成株式会社
ゴム状重合体及びそれを含むゴム組成物
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法
3日前
旭化成株式会社
セルロースナノファイバーを含むゴム組成物
1か月前
旭化成株式会社
蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
3日前
旭化成株式会社
ポリオキシメチレン樹脂組成物および成形体
13日前
旭化成株式会社
ポリオキシメチレン樹脂組成物および成形体
13日前
旭化成株式会社
蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
3日前
旭化成株式会社
蓄電デバイス用セパレータ及び蓄電デバイス
3日前
旭化成株式会社
水添変性共役ジエン系重合体、及びゴム組成物
12日前
旭化成株式会社
ブロック共重合体組成物、及び粘着性フィルム
1か月前
旭化成株式会社
多孔性中空糸膜、及び多孔性中空糸膜の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
構成体の製造方法、印刷版の製造方法、及び構成体
25日前
旭化成株式会社
NV検知で濾液量を変化させる電着塗料回収システム
1か月前
旭化成株式会社
ポリアミド樹脂組成物、成形品、及び成形品の製造方法
1か月前
旭化成株式会社
複層成形用の熱可塑エラストマー組成物、及び複層成形体
1か月前
旭化成株式会社
樹脂組成物、樹脂フィルム、プリプレグ及び金属張積層板
1か月前
続きを見る