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公開番号2025108296
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-23
出願番号2024002139
出願日2024-01-10
発明の名称水酸化物の製造方法
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01G 53/00 20060101AFI20250715BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明の目的は、効率の良いニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物の製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の水酸化物の製造方法は、材料に硫酸を添加する硫酸添加工程、前記硫酸添加工程で得た液質を限外ろ過膜でろ過するろ過工程、前記ろ過工程で得たろ液を含む混合液に、水酸化ナトリウムを添加する水酸化ナトリウム添加工程、及び前記元素を含む水酸化物と硫酸ナトリウムとを含む硫酸ナトリウム含有溶液を、限外ろ過膜でろ過する水酸化物濃縮工程、を有し、前記水酸化物濃縮工程における前記限外ろ過膜が中空糸膜であり、中空糸膜入口の線速度が0.3m/sec以上1.5m/sec未満である、ことを特徴としている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素の単体、並びに/又はニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む無機化合物を含む材料に硫酸を添加する硫酸添加工程、
前記硫酸添加工程で得た液質を限外ろ過膜でろ過するろ過工程、
前記元素のイオンとSO

2-
イオンとを含む前記ろ過工程で得たろ液を含む混合液に、水酸化ナトリウムを添加する水酸化ナトリウム添加工程、及び
前記水酸化ナトリウム添加工程で得た、前記元素を含む水酸化物と硫酸ナトリウムとを含む硫酸ナトリウム含有溶液を、限外ろ過膜でろ過し、前記水酸化物を濃縮する、水酸化物濃縮工程、
を有し、
前記水酸化物濃縮工程における前記限外ろ過膜が中空糸膜であり、中空糸膜入口の線速度が0.3m/sec以上1.5m/sec未満である、
ことを特徴とする、ニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物の製造方法。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
上記水酸化物濃縮工程における前記限外ろ過膜がクロスフロー方式である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記中空糸膜の内径が1.0mm以上2.3mm以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記線速度が0.5m/sec以上1.3m/sec未満である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の濃度が300g/L以上600g/L未満である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項6】
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の濃度が600g/L以上1200g/L未満である、請求項4に記載の製造方法。
【請求項7】
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の粒径(D50)が1μm以上12μm未満である、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項8】
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の粒径(D50)D(単位:μm)と、前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の濃度C(単位:g/L)と、前記中空糸膜入口の前記線速度S(単位:m/sec)が以下の関係(1)を満たす、請求項1又は2に記載の製造方法。
50<D×C×S<24000 ・・・(1)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水酸化物の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯機器や、電気自動車、ハイブリット自動車等の電源として、リチウムイオン二次電池の需要が増えてきている。リチウムイオン電池の正極活物質には、コバルト元素、リチウム元素等を含む酸化物が用いられている。
従来、ニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物の製造方法として、特許文献1、2の方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-45276号公報
特開2021-155325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2はニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物を効率よく得られる方法であるが、近年、より効率の良い方法、具体的には、製造中に流れる液体の循環量を増やしても、ろ過時に一層詰まりにくい、効率の良い製造方法が求められてきている。
【0005】
従って、本発明の目的は、効率の良いニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
ニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素の単体、並びに/又はニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む無機化合物を含む材料に硫酸を添加する硫酸添加工程、
前記硫酸添加工程で得た液質を限外ろ過膜でろ過するろ過工程、
前記元素のイオンとSO

2-
イオンとを含む前記ろ過工程で得たろ液を含む混合液に、水酸化ナトリウムを添加する水酸化ナトリウム添加工程、及び
前記水酸化ナトリウム添加工程で得た、前記元素を含む水酸化物と硫酸ナトリウムとを含む硫酸ナトリウム含有溶液を、限外ろ過膜でろ過し、前記水酸化物を濃縮する、水酸化物濃縮工程、
を有し、
前記水酸化物濃縮工程における前記限外ろ過膜が中空糸膜であり、中空糸膜入口の線速度が0.3m/sec以上1.5m/sec未満である、
ことを特徴とする、ニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物の製造方法。
[2]
上記水酸化物濃縮工程における前記限外ろ過膜がクロスフロー方式である、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記中空糸膜の内径が1.0mm以上2.3mm以下である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記線速度が0.5m/sec以上1.3m/sec未満である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の濃度が300g/L以上600g/L未満である、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の濃度が600g/L以上1200g/L未満である、[4]に記載の製造方法。
[7]
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の粒径(D50)が1μm以上12μm未満である、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]
前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の粒径(D50)D(単位:μm)と、前記硫酸ナトリウム含有溶液中の前記水酸化物の濃度C(単位:g/L)と、前記中空糸膜入口の前記線速度S(単位:m/sec)が以下の関係(1)を満たす、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
50<D×C×S<24000 ・・・(1)
【発明の効果】
【0007】
本発明よれば、効率の良いニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む水酸化物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態の水酸化物の製造方法の一例を示す概略図である。
本実施形態の水酸化物の製造方法の他の例を示す概略図である。
実施例、比較例で使用した膜ろ過装置を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる
【0010】
[水酸化物の製造方法]
本実施形態の水酸化物の製造方法は、ニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素の単体、並びに/又はニッケル、コバルト、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも一種の元素を含む無機化合物を含む材料に硫酸を添加する硫酸添加工程、上記硫酸添加工程で得た液質を限外ろ過膜でろ過するろ過工程、上記元素のイオンとSO

2-
イオンとを含む上記ろ過工程で得たろ液を含む混合液に、水酸化ナトリウムを添加する水酸化ナトリウム添加工程、及び上記水酸化ナトリウム添加工程で得た、上記元素を含む水酸化物と硫酸ナトリウムとを含む硫酸ナトリウム含有溶液を、限外ろ過膜でろ過し、上記水酸化物を濃縮する、水酸化物濃縮工程、を有し、上記水酸化物濃縮工程における上記限外ろ過膜が中空糸膜であり、中空糸膜入口の線速度が0.3m/sec以上1.5m/sec未満である、方法である。
さらに、上記水酸化物濃縮工程で分離した硫酸ナトリウム液から、陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜からなる群から選択される少なくとも一種のイオン交換膜により、硫酸及び/又は水酸化ナトリウムを回収する回収工程を含んでいてもよい。
また、上記回収工程で回収した水酸化ナトリウムを上記水酸化ナトリウム添加工程で再利用することが好ましい。また、さらに、上記回収工程で回収した硫酸を上記硫酸添加工程で再利用することが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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