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公開番号2025092161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-19
出願番号2023207871
出願日2023-12-08
発明の名称衝撃エネルギー吸収体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類F16F 7/12 20060101AFI20250612BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】本発明の目的は、優れた衝撃エネルギー吸収量を発現する衝撃エネルギー吸収体を提供することである。
【解決手段】本発明の衝撃エネルギー吸収体は、アルミ押し出し材と発泡体とを含み、前記アルミ押し出し材が、アルミ材からなり、且つ特定形状の押し出し材断面が前記押し出し材断面に垂直方向である押し出し方向に連続する形状であり、前記押し出し材断面内に存在する少なくとも一部が前記アルミ材で包囲された空間が前記押し出し方向に連続する空洞であるキャビティが、前記アルミ押し出し材中に少なくとも1つ設けられ、少なくとも1つの前記キャビティ内に、前記発泡体が存在し、前記キャビティの面積100%に対する前記発泡体が占める面積の割合である占有率(%)が0.6F×100~1.2F×100の範囲となるキャビティを含む押し出し材断面を含むことを特徴としている。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
アルミ押し出し材と発泡体とを含み、
前記アルミ押し出し材が、アルミ材からなり、且つ特定形状の押し出し材断面が前記押し出し材断面に垂直方向である押し出し方向に連続する形状であり、
前記押し出し材断面内に存在する少なくとも一部が前記アルミ材で包囲された空間が前記押し出し方向に連続する空洞であるキャビティが、前記アルミ押し出し材中に少なくとも1つ設けられ、
少なくとも1つの前記キャビティ内に、前記発泡体が存在し、
前記発泡体の充填率((前記発泡体の発泡倍率-1)/前記発泡体の発泡倍率)をFとしたときに、前記キャビティの面積100%に対する前記発泡体が占める面積の割合である占有率(%)が0.6F×100~1.2F×100の範囲となるキャビティを含む押し出し材断面を含む、
衝撃エネルギー吸収体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記占有率が0.6F×100~1.2F×100の範囲であるキャビティを含む押し出し材断面と、前記占有率が0.6F×100未満であるキャビティを含む押し出し材断面とを含む、
請求項1に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項3】
前記占有率が0.6F×100~1.2F×100の範囲となるキャビティを含む前記押し出し材断面が、自動車の進行方向に対して垂直な左右方向に配置され且つ前記自動車の重心に最も近い位置に配置されるクロスメンバーの、前記左右方向の端面の少なくとも一部を覆うように配置されて用いられる、
請求項2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項4】
前記アルミ押し出し材の押し出し方向全長さ100%に対して90%以上の長さにわたって前記発泡体が連続して存在する箇所が存在する、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項5】
前記発泡体の圧縮強度が0.6MPa以上50MPa以下である、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項6】
前記発泡体がビーズ発泡体であり、前記発泡体の平均気泡径が500μm以下である、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項7】
前記アルミ押し出し材のアルミ材の平均厚みが0.5mm以上5mm以下である、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項8】
前記発泡体の、幅5cm、高さ5cm、厚み5mmの板状の発泡体上に質量10kgの錘をのせ室温で100時間経過した後の厚み100%に対する、錘を除いて室温で100時間経過後の厚みの割合である圧縮後回復率が、100%超105%以下である、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体
【請求項9】
前記衝撃エネルギー吸収体の質量に対する、前記衝撃エネルギー吸収体の衝撃エネルギー吸収量が200J/Kg以上5000J/Kg以下である、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
【請求項10】
前記発泡体がビーズ発泡体であり、前記発泡体が独立気泡を有し、前記発泡体の独立気泡率が20~99%である、
請求項1または2に記載の衝撃エネルギー吸収体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃エネルギー吸収体に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、車両衝突時の衝撃を吸収して人身を保護するため、車体フレームに衝撃吸収部材や緩衝部材が使用されている。例えば、車体フレームの前後部には、車両衝突時の衝撃エネルギーを吸収するためのバンパビームが取付けられている。このようなバンパビームは、一般的には、鉄やアルミニウム合金等の金属により形成されており、重量の増大を回避するため、その内部は中空構造にされている。
車両衝突形に応じた評価方法は種々存在するが、電柱などの障害物に対して車体側面が衝突する評価がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001-246995号公報
特開2020-151981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の電気自動車(EV)の検討の中で、より多くのバッテリーを電気自動車に搭載するため、車体側面のクラッシャブルスペースを従来よりも狭くし、バッテリーの設置面積を増やす必要があった。
しかし、特許文献1に記載の衝撃エネルギー吸収体では、所定のエネルギー吸収に必要なストロークが長く、EV車の車体側面のクラッシャブルスペースに採用するには短いストロークにおける衝撃エネルギー吸収量が不足していた。
また、特許文献2に記載の衝撃エネルギー吸収体では、金属部品と発泡体を組み合わせることで、衝撃エネルギーを高める技術が開示されているが、発泡体が圧縮後に潰れ残り、急激な荷重立ち上がりでバッテリーが破損する課題があった。
【0005】
本発明の目的は、優れた衝撃エネルギー吸収量を発現する衝撃エネルギー吸収体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
アルミ押し出し材と発泡体とを含み、
前記アルミ押し出し材が、アルミ材からなり、且つ特定形状の押し出し材断面が前記押し出し材断面に垂直方向である押し出し方向に連続する形状であり、
前記押し出し材断面内に存在する少なくとも一部が前記アルミ材で包囲された空間が前記押し出し方向に連続する空洞であるキャビティが、前記アルミ押し出し材中に少なくとも1つ設けられ、
少なくとも1つの前記キャビティ内に、前記発泡体が存在し、
前記発泡体の充填率((前記発泡体の発泡倍率-1)/前記発泡体の発泡倍率)をFとしたときに、前記キャビティの面積100%に対する前記発泡体が占める面積の割合である占有率(%)が0.6F×100~1.2F×100の範囲となるキャビティを含む押し出し材断面を含む、
衝撃エネルギー吸収体。
[2]
前記占有率が0.6F×100~1.2F×100の範囲であるキャビティを含む押し出し材断面と、前記占有率が0.6F×100未満であるキャビティを含む押し出し材断面とを含む、[1]に記載の衝撃エネルギー吸収体。
[3]
前記占有率が0.6F×100~1.2F×100の範囲となるキャビティを含む前記押し出し材断面が、自動車の進行方向に対して垂直な左右方向に配置され且つ前記自動車の重心に最も近い位置に配置されるクロスメンバーの、前記左右方向の端面の少なくとも一部を覆うように配置されて用いられる、[1]又は[2]に記載の衝撃エネルギー吸収体。
[4]
前記アルミ押し出し材の押し出し方向全長さ100%に対して90%以上の長さにわたって前記発泡体が連続して存在する箇所が存在する、[1]~[3]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
[5]
前記発泡体の圧縮強度が0.6MPa以上50MPa以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
[6]
前記発泡体がビーズ発泡体であり、前記発泡体の平均気泡径が500μm以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
[7]
前記アルミ押し出し材のアルミ材の平均厚みが0.5mm以上5mm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
[8]
前記発泡体の、幅5cm、高さ5cm、厚み5mmの板状の発泡体上に質量10kgの錘をのせ室温で100時間経過した後の厚み100%に対する、錘を除いて室温で100時間経過後の厚みの割合である圧縮後回復率が、100%超105%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体
[9]
前記衝撃エネルギー吸収体の質量に対する、前記衝撃エネルギー吸収体の衝撃エネルギー吸収量が200J/Kg以上5000J/Kg以下である、[1]~[8]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
[10]
前記発泡体がビーズ発泡体であり、前記発泡体が独立気泡を有し、前記発泡体の独立気泡率が20~99%である、[1]~[9]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
[11]
前記発泡体がビーズ発泡体であり、前記発泡体が独立気泡を有し、前記発泡体の平均発泡粒子径が0.1~3.0mmである、[1]~[10]のいずれかに記載の衝撃エネルギー吸収体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、優れた衝撃エネルギー吸収量を発現する衝撃エネルギー吸収体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
衝撃エネルギー吸収体の一例を示す概略図である。(A)は全体の概略図である。(B)、(C)は、押し出し方向に垂直な断面(X-X断面)である押し出し材断面の一例である。
衝撃エネルギー吸収体の一例を示す概略図である。(A)は全体の概略図である。(B)、(C)は、押し出し方向に垂直な断面(X-X断面)である押し出し材断面の一例である。
衝撃エネルギー吸収体の一例を示す概略図である。(A)は全体の概略図である。(B)、(C)は、押し出し方向に垂直な断面(X-X断面)である押し出し材断面の一例である。
アルミ押し出し材の一例を示す概略図である。(A)は全体の概略図であり、両矢印は押し出し方向を表す。(B)は押し出し方向に垂直な断面(Y-Y断面)である押し出し材断面の一例である。
アルミ押し出し材の一例を示す概略図である。(A)は全体の概略図であり、両矢印は押し出し方向を表す。(B)は押し出し方向に垂直な断面(Y-Y断面)である押し出し材断面の一例である。
自動車のクロスバーを説明する、自動車下面の概略図である。
自動車の側面に衝撃エネルギー吸収体を配置した時の概略下面図である。(A)は自動車と衝撃エネルギー吸収体を共に記載した全体図であり、(B)はK-K断面図、(C)はL-L断面図である。
自動車の側面に衝撃エネルギー吸収体を配置した時の概略下面図である。(A)は自動車と衝撃エネルギー吸収体を共に記載した全体図であり、(B)はK-K断面図、(C)はL-L断面図である。
自動車の側面に衝撃エネルギー吸収体を配置した時の概略下面図である。(A)は自動車と衝撃エネルギー吸収体を共に記載した全体図であり、(B)はK-K断面図、(C)はL-L断面図である。
実施例の衝撃エネルギー吸収量及び潰れ残りの評価方法の説明図である。(A)は実施例、比較例のアルミ押し出し材の押し出し材断面であり、(B)は試験方法の説明図である。
実施例の衝撃エネルギー吸収量及び潰れ残りの評価方法の説明図である。(A)は実施例、比較例のアルミ押し出し材の押し出し材断面であり、(B)は試験方法の説明図である。
実施例1のキャビティ内の発泡体の配置形状を表す図である。
実施例2等のキャビティ内の発泡体の配置形状を表す図である。
実施例3のキャビティ内の発泡体の配置形状を表す図である。
実施例4等のキャビティ内の発泡体の配置形状を表す図である。
実施例6のキャビティ内の発泡体の配置形状を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
また、本実施形態において、A(数値)~B(数値)は、A以上B以下を意味する。
【0010】
[衝撃エネルギー吸収体]
本実施形態の衝撃エネルギー吸収体は、アルミ押し出し材と発泡体とを含み、上記アルミ押し出し材が、アルミ材からなり、且つ特定形状の押し出し材断面が上記押し出し材断面に垂直方向である押し出し方向に連続する形状であり、上記押し出し材断面内に存在する少なくとも一部が上記アルミ材で包囲された空間が上記押し出し方向に連続する形状の空洞であるキャビティが、上記アルミ押し出し材中に少なくとも1つ設けられ、少なくとも1つの上記キャビティ内に、上記発泡体が存在する。また、本実施形態の衝撃エネルギー吸収体は、上記発泡体の充填率((上記発泡体の発泡倍率-1)/上記発泡体の発泡倍率)をFとしたときに、上記キャビティの面積100%に対する上記発泡体が占める面積の割合である占有率(%)が0.6F×100~1.2F×100の範囲となるキャビティを含む押し出し材断面を含む。
本実施形態の衝撃エネルギー吸収体は、軽量であって優れた曲げ強度を発揮しうる。ここで、上記アルミ押し出し材と上記発泡体とは、物理的に接している状態であることが好ましいが、必ずしも接着剤等で接着されたような状態に限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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