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公開番号
2025113903
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-04
出願番号
2024008302
出願日
2024-01-23
発明の名称
固体高分子電解質膜、アルカリ水電解装置、及び固体高分子電解質膜の製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H01B
1/06 20060101AFI20250728BHJP(基本的電気素子)
要約
【課題】本発明によれば、水電解装置の陽極室と陰極室とに仕切る隔膜に生じる全方向の大きな圧力耐性に優れ、安定して、酸素ガスと水素ガスの混合を抑制するガス遮断性を有するアルカリ水電解用の固体高分子電解質膜及びアルカリ水電解装置を提供することができる。
【解決手段】イオン交換基を有する含フッ素ポリマー、及び水素透過係数が所定範囲内であるポリマーを含む不織布を含む、固体高分子電解質膜であって、前記固体高分子電解質膜の単位面積当たりの前記含フッ素ポリマーの重量が、所定範囲内である、固体高分子電解質膜。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
イオン交換基を有する含フッ素ポリマー、及び
90℃における水素透過係数が50Barrer以下であるポリマーを含む不織布
を含む、固体高分子電解質膜であって、
前記固体高分子電解質膜1m
2
当たりの前記含フッ素ポリマーの重量が、10g以上130g以下である、
固体高分子電解質膜。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
前記含フッ素ポリマーのイオン交換容量が、0.90ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上1.40ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下である、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項3】
前記不織布の素材が、炭化水素系ポリマーである、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項4】
前記不織布の素材が、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン及びポリエチレンからなる群から選択される、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項5】
前記不織布の素材が、ポリフェニレンサルファイドであり、かつ、前記不織布の結晶化度が、30%以上60%以下である、請求項4に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項6】
前記不織布の目付量が、5g/m
2
以上100g/m
2
以下である、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項7】
前記不織布を構成する繊維の繊度が、0.5デニール以上10デニール以下の範囲にある、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項8】
前記固体高分子電解質膜の含フッ素ポリマーと不織布の混合層において、不織布を構成するポリマーの体積分率が、20%以上70%以下である、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項9】
前記イオン交換基が、スルホン酸型官能基である、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
【請求項10】
前記イオン交換基を有する含フッ素ポリマーが、下記式(A)又は式(B)で表される単位を有するポリマーを含む、請求項1に記載の固体高分子電解質膜。
式(A)
-[CF
2
-CF(-O-CF
2
CF(CF
3
)-O-(CF
2
)m-SO
3
M)]-
〔式中、mは、1~6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。〕
式(B)
-[CF
2
-CF(-O-(CF
2
)m-SO
3
M)]-
〔式中、mは、1~6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。〕
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体高分子電解質膜、アルカリ水電解装置、及び固体高分子電解質膜の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーを利用した発電においては、発電量が時間帯や自然条件によって変化する。そのため、余剰電力を水素に変換することが提案されている。余剰電力を水素に変換する方法として、水の電気分解があり、これは化石燃料を改質する方法に比べ、高純度の水素が得られる利点がある。水を電気分解する場合には、一般的に電解液の導電性を高める為に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を電解質として水に添加して、直流電流を両極間に印加することにより行われている。
【0003】
電解を行うための電解槽は、隔膜を介して陽極室と陰極室に仕切られ、陽極室では、酸素が生成され、陰極室では水素が生成される。隔膜には、この酸素ガスと水素ガスを遮断して混合しないように、ガス遮断性が求められる。また、水の電気分解において電気(電子)を運ぶ媒体はイオンであり、電気分解を効率よく行うためには、隔膜に高いイオン透過性も望まれている。
【0004】
アルカリ水電解用隔膜としては、特許文献1では、スルホン酸型官能基を有するポリマーを含むアルカリ水電解隔膜が知られている。スルホン酸型官能基を有するポリマーからなるイオン交換膜の厚みを25から70μmと薄膜化し、イオン交換容量を調整する方法により高電流密度においても電解電圧を低く抑えることができると記載されている。しかしながら、特許文献2では、イオン交換膜の厚みを減ずるとガス透過性は向上すると記載されており、薄膜化するとガス遮断性は悪化するという問題がある。
【0005】
水電解装置において、陽極室と陰極室とに仕切る隔膜には全方向に大きな圧力がかかる。そのため、固体高分子電解質膜には、高強度が求められる。しかし、強度の大きい固体高分子電解質膜は電気抵抗が高くなり、電解電圧が高くなる。そのため、特許文献3では、固体高分子電解質膜を構成するイオン交換基を有する含フッ素ポリマーと織布の特性を調整することで、強度に優れ、かつ、電解電圧を低減できると記載されている。しかしながら織布は縦糸と横糸で形成されているために縦方向、横方向の特性は優れるが、斜め方向の特性が極端に劣るといった欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2018/070444号
特開昭64-70125号公報
国際公開第2019/088299号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、隔膜には全方向に大きな圧力が生じるが、従来開示されている技術では、機械方向(MD)、幅方向(TD)、斜め方向の強度を備えたアルカリ水電解用隔膜は得られていない。強度不足により膜に亀裂が生じると、酸素ガスと水素ガスが混合し、酸素中水素濃度が爆発範囲に入る課題がある。
【0008】
そこで本発明は、水電解装置の陽極室と陰極室とに仕切る隔膜に生じる全方向の大きな圧力耐性に優れ、安定して、酸素ガスと水素ガスの混合を抑制するガス遮断性を有するアルカリ水電解用の固体高分子電解質膜及びアルカリ水電解装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、イオン交換基を有する含フッ素ポリマー及び低水素透過係数であるポリマーから構成される不織布を含む固体高分子電解質膜(隔膜)であり、1m
2
当たりのイオン交換基を有する含フッ素ポリマーの重量を制御することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]
イオン交換基を有する含フッ素ポリマー、及び
90℃における水素透過係数が50Barrer以下であるポリマーを含む不織布
を含む、固体高分子電解質膜であって、
前記固体高分子電解質膜1m
2
当たりの前記含フッ素ポリマーの重量が、10g以上130g以下である、
固体高分子電解質膜。
[2]
前記含フッ素ポリマーのイオン交換容量が、0.90ミリ当量/グラム乾燥樹脂以上1.40ミリ当量/グラム乾燥樹脂以下である、[1]に記載の固体高分子電解質膜。
[3]
前記不織布の素材が、炭化水素系ポリマーである、[1]又は[2]に記載の固体高分子電解質膜。
[4]
前記不織布の素材が、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン及びポリエチレンからなる群から選択される、[1]~[3]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[5]
前記不織布の素材が、ポリフェニレンサルファイドであり、かつ、前記不織布の結晶化度が、30%以上60%以下である、[4]に記載の固体高分子電解質膜。
[6]
前記不織布の目付量が、5g/m
2
以上100g/m
2
以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[7]
前記不織布を構成する繊維の繊度が、0.5デニール以上10デニール以下の範囲にある、[1]~[6]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[8]
前記固体高分子電解質膜の含フッ素ポリマーと不織布の混合層において、不織布を構成するポリマーの体積分率が、20%以上70%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[9]
前記イオン交換基が、スルホン酸型官能基である、[1]~[8]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[10]
前記イオン交換基を有する含フッ素ポリマーが、下記式(A)又は式(B)で表される単位を有するポリマーを含む、[1]~[9]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
式(A)
-[CF
2
-CF(-O-CF
2
CF(CF
3
)-O-(CF
2
)m-SO
3
M)]-
〔式中、mは、1~6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。〕
式(B)
-[CF
2
-CF(-O-(CF
2
)m-SO
3
M)]-
〔式中、mは、1~6の整数であり、Mは、アルカリ金属である。〕
[11]
前記固体高分子電解質膜の両面もしくは片面の最表層として親水性層を有する、[1]~[10]のいずれかに記載の固体高分子電解質膜。
[12]
前記親水性層が、無機物粒子を含む無機物粒子層である、[11]に記載の固体高分子電解質膜。
[13]
前記無機物粒子が、第4族元素又は第14族元素の酸化物、窒化物及び炭化物からなる群から選択される少なくとも1種からなる無機物粒子である、[12]に記載の固体高分子電解質膜。
[14]
前記無機物粒子が、SiO
2
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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