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公開番号2025121838
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-20
出願番号2024218332
出願日2024-12-13
発明の名称再生ABS系樹脂組成物
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C08L 55/02 20060101AFI20250813BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】強度、靭性、及び耐衝撃性に優れた再生ABS系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】リサイクルABS系樹脂(a)と、水添ブロック共重合体(x)を含有し、
水添ブロック共重合体(x)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックSと、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックBとを有するブロック共重合体であり、
水添ブロック共重合体(x)を構成する共役ジエン部の30mol%以上が水素添加されており、
水添ブロック共重合体(x)は、
ヘテロ原子を含有する官能基が、重合体グラフト鎖、重合体末端、又はカップリング剤残基に少なくとも1分子以上化学結合している変性水添ブロック共重合体(b*)を、水添ブロック共重合体(x)中30~100質量%含有し、
リサイクルABS系樹脂(a)と水添ブロック共重合体(x)との質量比が、
(a)/(x)=99/1~80/20である再生ABS系樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
リサイクルABS系樹脂(a)と、
水添ブロック共重合体(x)と、
を、含有する再生ABS系樹脂組成物であって、
前記水添ブロック共重合体(x)は、ビニル芳香族単量体単位を主体とする少なくとも1つの重合体ブロックSと、共役ジエン単量体単位を主体とする少なくとも1つの重合体ブロックBとを有するブロック共重合体であり、
前記水添ブロック共重合体(x)を構成する共役ジエン部の30mol%以上が水素添加されており、
前記水添ブロック共重合体(x)は、
ヘテロ原子を含有する官能基が重合体グラフト鎖、重合体末端、又はカップリング剤残基に少なくとも1分子以上化学結合している変性水添ブロック共重合体(b*)を、前記水添ブロック共重合体(x)中、30質量%以上100質量%以下含有し、
前記リサイクルABS系樹脂(a)と水添ブロック共重合体(x)との質量比が、
(a)/(x)=99/1~80/20である、
再生ABS系樹脂組成物。
続きを表示(約 710 文字)【請求項2】
バージンABS系樹脂(a*)を、さらに含有し、
前記リサイクルABS系樹脂(a)と、前記バージンABS系樹脂(a*)の質量比が、
(a)/(a*)=100/0~20/80である、
請求項1に記載の再生ABS系樹脂組成物。
【請求項3】
前記水添ブロック共重合体(x)は、ビニル芳香族単量体単位の含有量が15質量%~50質量%であり、共役ジエン単量体単位の含有量が85質量%~50質量%である、
請求項1に記載の再生ABS系樹脂組成物。
【請求項4】
前記変性水添ブロック共重合体(b*)が、
少なくとも1つの、重合体末端及び/又はカップリング剤残基に官能基を有している、
請求項1に記載の再生ABS系樹脂組成物。
【請求項5】
前記変性水添ブロック共重合体(b*)が、少なくとも1つの重合体末端に官能基を有しており、前記官能基が、
1級アミノ基、2級アミノ基、及びエポキシ基からなる群より選ばれるいずれかである、
請求項4に記載の再生ABS系樹脂組成物。
【請求項6】
前記リサイクル系ABS系樹脂(a)が、
消費財廃棄物及び/又は産業廃棄物からの回収物である、
請求項1に記載の再生ABS系樹脂組成物。
【請求項7】
前記リサイクルABS系樹脂(a)が、
家庭電化製品、情報機器、通信機器、及び自動車からなる群より選ばれるいずれかを構成する筐体又は機構部品の成形品からの回収物である、
請求項1に記載の再生ABS系樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、再生ABS系樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、ビニル芳香族系樹脂、例えば、ポリスチレン樹脂やABS系樹脂(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)は、成形加工性、剛性、耐衝撃性等に優れ、かつ安価で比重が低く、経済的にも優れているため、自動車内装材、家電・OA分野の筐体、及び日用雑貨等の材料として、様々な分野で広く使用されている。
上述したビニル芳香族系樹脂の中でも、耐衝撃性と剛性、耐薬品性等のバランスに優れるABS系樹脂は、家電や雑貨、自動車部品等、各種の射出成形品を中心に耐久消費財の主要部品の材料として多用されている。
【0003】
近年、地球環境への負荷低減の観点から、循環経済に向けたリサイクルの機運が高まってきている。家電製品においてもリサイクルが進められており、特に、エアコン、テレビ、冷蔵庫、及び洗濯機の4品目については、家電リサイクル法によって、材料のリサイクルが推進されている。
前記4品目の家電製品には多くのABS系樹脂が使用されており、これらの廃棄物からは多くのABS系樹脂が回収されている。また一方で自動車内装部品においてもABS系樹脂は多用されており、廃車となった後にABS系樹脂が回収されている。
【0004】
プラスチック廃棄物のリサイクルには、大別して3通りあり、一つ目は燃焼させて熱エネルギーを回収するサーマルリサイクル、二つ目は化学的に分解し、オイルあるいはモノマー原料に変換して回収するケミカルリサイクル、三つ目は廃棄物を粉砕、再溶融して成形材料として再加工し、各種成形品として再利用するマテリアルリサイクルである。これらのリサイクルの中でも、環境負荷が少なく資源の有効利用の観点から、マテリアルリサイクルが注目され、各企業等にて研究開発がなされている。
【0005】
一般的に家電製品や自動車等の各種工業製品に使用されている樹脂製の成形体には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂やABS系樹脂、ポリアミド樹脂等、多岐に亘る樹脂素材が各所に利用されている。これらの工業製品が廃棄物となった際には、異なる複数種類の樹脂が混合した状態で樹脂残渣、つまりシュレッダーダストが発生する。これらは一般的に異種樹脂の混合物であり、品質面から、あるいは力学物性面から、元の樹脂成形部品のようにそのまま使用することはできない。
【0006】
一方において、近年の目覚ましいマテリアルリサイクルの技術革新により、比重分別により、比重が小さいポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂と、比重が1を僅かに超えるポリスチレンやABS系樹脂とを選別し、さらに、極性の差を利用した静電分別によりポリスチレンとABS系樹脂とを選別し、リサイクルABS系樹脂として回収することも可能となっている。
【0007】
しかしながら、このように選別回収されたリサイクルABS系樹脂は、通常、経年による劣化が起こっている。また、実際には、100%の純度で選別回収することは困難であるため、選別回収されたABS系樹脂中には、非相容のポリスチレン樹脂やポリアミド等の異樹脂が少量混合している、あるいはABS系樹脂基材に施された塗装やメッキなども、ABS系樹脂から完全に除去することは困難であるため、異物として少量混入した状態となる場合もある。そのため、リサイクルABS系樹脂は、耐久消費財用の成形材料として品質面や力学物性面において、バージンABS系樹脂と比較して非常に劣っており、仕方なくサーマルリサイクルに回されることになる等、マテリアルリサイクルには今もなお多くの課題が残されている、という問題点を有している。
【0008】
上述したような問題点に関し、特に、リサイクルABS系樹脂の物性低下に関する問題点に対しては、従来から改良の試みが検討されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2003-231119号公報
特開2011-126995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、ABS系樹脂は、モノマー成分としてアクリロニトリルを共重合しているため極性が高く、かかるABS系樹脂と一般的なオレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーは相容性が低いため、これらのエラストマーを用いてリサイクルABS系樹脂を改質することは困難であり、実用に耐え得る力学物性が得られない、という問題点を有している。
(【0011】以降は省略されています)

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